番組感想・同居人はひざ、時々、頭のうえ。

「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」　５→５

　可愛いですよね、えぇ、可愛かったですよ。

　猫好きの妄想全開ストーリー。猫という生物が可愛いのだから、それを描いたアニメが可愛くなることは必然であり、猫好きならばそれだけでも満足してしまうというのだからずるい。そこに人間界と猫界という並列構造を与え、猫・人間関係にも色々と意味を与えてやろうというのがなかなか野心的な作品である。まぁ、結局「猫の思考を人間に都合のいいように戯画化しただけ」という話ではあるのだが。

　素晴を中心とした人間側のお話が全体的にどんよりしたイメージなので手放しで盛り上がるわけにいかないのがちょっとした難点で、そもそも素晴はスタート時点で飼い主としては０点のキャラ。そこから「猫を飼うもの」としてのスキルをあげて成長していくところも見どころではあるのだが、素晴自身の人生の物語と絡み合いながら進行していくため、純粋に猫との関係性だけを楽しむという構造ではないのでやきもきする部分は多い。猫部分はできるだけ詳細に描こうとしているのはわかるのだが、その分「作家・編集者」あたりの描かれ方は割とざっくりしているので、「まぁ、自由業じゃないとここまで猫と遊べないからね」くらいの認識で軽めに見ておいた方がいいだろう。

　猫パートは古式ゆかしいファンタジーな猫猫ワールドなので、よくいえば見やすく、悪くいえばありきたりなもの。幸いキャラクターデザインは安定しており、ハルを中心とした猫たちの表情はずっと可愛らしいままなのでここを中心に見ておくと癒し効果は充分に得られるだろう。まぁ、最初から最後までおてんばなハルには振り回されっぱなしなのであんまり心休まる暇はないかもしれないが……。やっぱり野良からの飼育ってけっこう大変なのよねぇ。まぁ、手間がかかる分だけ後々になって愛着も増すのだけど。

　猫、触りたいなぁ……。