最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「どろろ」 5→7 実に端正な作品だった。本当に最後の最後まで「どうなってしまうんだ?!」と手に汗握り、素直な気持ちで観られた作品というのは今期では特別な存在感を持っていた。 ほとんど貶すところのない作品で、強いてあげるなら中盤でやや作画部分にアラが出た気がするくらいだが、それもクライマックスに至る部分で持ち直し、最終話に至っては本当に素晴らしい作画・作劇で作品の魅力を叩きつけてくれた。アクション良しストーリー良しで、とてもじゃないが数十年前の作品のリメイクとは思えない出来である。 当初はシナリオ部分については単純なものかと思ってたかをくくっていたのだが、改めて最後まで観ていると、色々と周到な部分が確認できる。最後の鬼神を倒して終わることはもちろん想定されているわけだが、最後までずっと化け物相手で妖怪活劇を演じるだけではなく、多宝丸という依り代を設けることできちんと百鬼丸の人生にも答えを出すことに成功している。いわば「トロッコ問題で切り替えられちゃった方の個人」を主人公にした作品なわけだが、そんな人間が「1人の犠牲で大勢助かるなんて知らん! 俺が助からなきゃ意味がないんだ!」という盲信のみで突き進み、それでもなお、最後の最後には「人」に着地するという。考えてみりゃなんともアクロバティックな脚本。そのために用意された多宝丸、そしてどろろというもう一人(二人かな?)の主人公の配置が実にお見事である。いわば3つの視点で進行していくこの作品、どろろがいなければ百鬼丸は成り立たず、多宝丸がいなければ彼の人生はおそらく鬼の道へと至った。終わってみればもちろん悲劇もあるのだが、それぞれのキャラクターに与えられた救いの要素も充分に腑に落ちるものになっていて、ちゃんとゴールに向かって24話が構成されていたのだなぁ、ということが終わってみて理解できるのである。「未完」が1つの特徴になっている作品だからこそ、こうして「完結」が目に見えて際立つだけでも、なんだか嬉しくなってしまう。 また、地味な要素だが本作で無視できないのは、「全体のシナリオ構成も端正だが、1話1話のショートストーリーもしっかり観られるものになっている」という部分。もちろんこれだけの話数があるので当たり外れはあったかもしれないが、全体的に「一本の寓話」としてもすんなり飲み込めるお話が多い。昭和の時代のいかにもな人情話があったり、妙な妖怪が原因のちょっとコミカルな話があったりする中に、百鬼丸の生い立ちの悲しみを喚起させるヘビーな話が紛れ込んでいたり、現代でも充分通用するような冷淡な皮肉交じりの訓話が入ってきたり。そうして「百鬼丸・パーツ奪還の旅」をバラエティ溢れるロードームービーとして展開しておきながら、少しずつゴールへ向かうその手筋は見事なものだ。 そして、やはりこうした引きの強い魅力的な作品が成し得たのは、基盤となる設定が奇抜で目を引くものだったというのが大きいだろう。「だんだん弱くなる百鬼丸」はその代表的な部分だが、冷静に考えて、そんな不安定な主人公を支えるキャラがショタめいたロリという振り切れ過ぎた設定は、現代の阿漕すぎる萌え文化の中であってもなかなか正面切って描けるようなもんじゃない。むしろ、あの時代だからこそ臆面もなく実現できた、豪速球かつ変化球なのである。おそらく、幼少期にこのアニメをコンスタントに見せられ続けたら、どこかで性癖が歪んでしまう男の子も出てくるんじゃなかろうか。だって、どろろ可愛いんだもん。表情を含めた外見部分での愛らしさもあるし、忠犬のようにちょこちょこアニキについていく様子も本当に甲斐甲斐しい。途中で突然ひん剥かれて羞恥プレイに至った時には「この作者は一体どれだけ業が深い男なんだろう……」と恐ろしくなってしまった。まぁ、業が深い男ですけど。 こうして無事に走り切ったことだけでもまずは感謝だが、予想以上のものを提供してもらったことで「もしかして、今後もこういうリメイクでヒットが出せるのでは……」と余計な欲に火がつきそうなのがちょっと怖いところではある。業界的にはここまでのクオリティのリメイク作品ってほとんど存在しないからなぁ……次は何がでてくることになるか……。 PR |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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