たほいや譜（20／05／09）

　我々は常にメタゲームを監視し、最適なタイミングで、最適なカードが使用できるように心を砕いています。新たな時代「zoomたほいや」に入り、環境は大きく様変わりしました。数々の悪辣な手口が横行し、環境はこれまでにない混乱を見せています。この状況で、新たな禁止カードを制定することで解決を見ることもできますが、やはり禁止カードの乱立は我々開発チームの望むものではなく、健全な状態とは言えません。

　そこで我々は、逆の措置をとることにしました。混乱が大きいのなら、さらなる混乱の種をそこに加えることで、ダイナミックな環境変化を観察することができると考えたのです。健全なバランスを取るのは、常にそうしたダイナミズムの中での、プレイヤーたちの反応であるべきなのです。挑戦であることは認めましょう。しかし、我々は今、勇気を持って次のステージに進む時なのです。

　本日付けで、「タイラント」の禁止を解除します。

 

 

Round１・「おいじた」

１、実りの多い田。豊かな田畑。

２、（関東地方で）すき焼きの割り下を追加すること。

３、（仏）インドで入仏式を行うこと。

４、オイラーの公式を駆使して設計した寺と田。

５、老人の舌。歯が落ちて、ものを言う時に見えがちになる舌。

６、利き酒において、一口でわからず二口目を飲むこと。

７、（仏）摩耶夫人の夢に現れ、仏陀の懐妊を告げた白い象。

　①「生い茂った田」ということにした。　②「追い下」。回答を作った人間は京都人なので全然すき焼き文化を知らないとのこと。そういうもんなの？　③⑦なぜ仏陀でかぶるのかというと、「シッダルタ」なのである。③が「追いシッダルタ」、⑦は「おーい、シッダルタ」なのか。　④まぁ、元気そうだということはよくわかる解答ですよね。　⑤「老い舌」。使うタイミングないやろ、と思ったら、出典は相変わらずの万葉集。広辞苑を引くと、「百年に 老舌出でて よよむとも われはいとはじ 恋は益すとも」という歌が引かれており、実はこの中の「よよむ」は過去に出題済みであった。というか、多分「おいじた」も「よよむ」も、下手したらこの一首にしか出てこない言葉である可能性が。ほんと、広辞苑先生なんなの。　⑥こちらは「追い舌」。どうも「追い〜」は「追加の〜」という意味だと解釈されるようである。だいたい追いオリーブのせい。

 

Round２・「すくせやき」

１、魔女狩りのこと。魔女裁判とも。

２、餅を焼き、そのふくれ方によって縁結びを占う遊戯。

３、坂本龍馬の随筆。緒方洪庵への敬愛を記したことで有名。　

４、永世にわたって燃え続ける野火。

５、キリスト・ブッダ・天皇など数々の偉人の丸焼き。

６、明治政府の学校教育方針の一。良い行いをした生徒の尻に「正」の字の焼印を段階的に入れてやり、行った善行の数を示し奨励するもの。

７、前世の業を払う儀式。炎天下に裸体を晒し、太陽光で業を焼く。特に山陽では痴の身灼きという。

　たまたま全員のアクセル踏むタイミングが重なっちゃうやつ。出題時にいつものように逆から読む勢が現れ、すぐさま「セックス！」と盛り上がる。「逆から読んでキヤセックス、着痩せするセックスの逆ということは……」「着太りセックスのことですね」。　①「宿世焼き」と書いて、運命的に焼かれること、らしい。よくわからない。　②遊戯ってことは、子供達は常日頃から縁結びを気にしていたということなのだろうか。おませさんめ。　③坂本龍馬だから「〜やき」まではみんな気づいたが、全体では「好く＋せや（関西弁）＋やき（土佐弁）」という構造らしい。うん、よくわからない。　④書いた本人は「かいぶんを書きました」と言っていたのに全然それらしいものが見当たらず、「回文なんてないじゃん！」と文句を言われたら「いや、違います、怪文を書いたんです」。　⑤「数救世焼き」らしい。「天皇って偉人でいいの？」「まぁ、昭和天皇以降なら人だから」。　⑥「スクール・正・焼き」。「これ、せめて悪いことした生徒に罰を与える設定ならなんとなく理解できたのに」「でも、悪い子に正の字を刻んだらわかりにくいじゃないですか。いいことを５回やれば正の字が刻まれるので、みんな率先していい子になるわけです」　⑦ちなみに「痴の身灼き」は「オコノミヤキ」と読む。「おこがまし」の「オコ」ですね。知識、もっといい方向に使っていこうよ。

 

Round３・「まるじゅう」

1. さつまいものこと。

2. 女性の隠語。

3. 漢字の「丸」を指す。「九」に一画足すことから。

4. 弾丸が球形の原始的な銃。

5. アルマジロの異称。危険に際して、体を丸め球状になることで身を守る独特な防御法に由来。

6. 柳生十兵衛の力士時代の別称。

7. 線対称のメタファー。

8. モンゴル系民族の一。遊牧少なく、主に狩猟や略奪による生計を持つ。のちに弾圧。

　「まるちょい」なんかは出題されていたのでありそうな出題だったが、初出だったようである。ただ、答えを見たら私は何故か知ってる奴だった。どこで知ったんだろう？　①丸に十字が島津家の家紋であることから、薩摩の芋をこのように呼ぶようになったとか。「ドリフターズ」とかで出てこなかった？　②○＋十＝♀。ロジカル。　③わかるような、わからないような、妙な説得力がある。　⑤「丸獣」。確かにあれは丸獣だわ。　⑥そんな過去があったなんて……「これって四股名ではないの？」「四股名とはまた別の、あだ名みたいなものです。太ってるから」。　⑦だから、「せめんえん」の時にもあったけど、メタファーとしてしか機能しない語はもうそのものと同一存在になっちゃうでしょうに。　⑧プレイヤーに混ざっていたデュエリストたちには一切気付かれずスルーされたけど、これ、まんまマルドゥなんですよね。

 

Round４・「むらながし」

１、村共同で、川の上流に毒を流し入れて魚を捕獲する漁法。

２、ダム建設の隠語。

３、東京都東村山市周辺で信仰されている蛇神。まだら模様の撫子色の頭を持ち、尾の先は白い。

４、調子の安定しない時期が長びいている状態。 

５、村長に親しみを込めていう語。

６、江戸時代の拷問。罪を犯した侍を犀に引かせて島流しにする。

７、ヨモギやドクダミなどを刻み餅に混ぜて食する素朴な菓子。

８、（元は字の通りに村長の死）権力者の死。

　どう見ても村流し。過去には「どくながし」という語が出題されたことがあったのでその話題にもなったのだが……。　①まさかそのまんまの答えが出てくるとは思わなかった。　②やたら人気を集めた、ある意味潔い解答。請け負った土建業者がこんな風に呼んでたら暴動が起こるわ。「雛見沢とかでありそう」「村流し編な」。　③蛇ということで「村ナーガし」だろうと推測され、さらに「撫子」「白い」あたりで完全になでこスネイクだと思われたが、実際には全然関係なく、「ナーガ＋しむら」で、バカ殿のカラーリングのイメージだったとか。ナーガは合ってんのかよ。　④ムラがなげーし。　⑤⑧解答作成中、ほぼ同じタイミングで二人して「あー、そういうことね！」と思いつき、「むらなが＝村長」という発想から必死に被らないようにした結果である。これは安易と怒られてもしょうがないのだろう。　⑥こういう答えを書いた人に怒られるのは釈然としないが……。ちなみに、「サムライ」から「サイ」を引くと「ムラ」が残るのである。「江戸時代に、サイが海沿いにいたかが問題ですよね……」「まぁ、犀川っていう名字があるんだから川にはいましたよ」「その名字、那古野でしか知らないんだけど」。　⑦村の菜の菓子。「爽健美茶みたいなもんだよね」。

 

Round５・「くーるー」

１、イギリスの外交官。ヤルタ会談の成立に尽力。

２、腹を下す擬音。

３、ヒヤシライスのルー。ハヤシライスのルーと見た目では区別がつかない。

４、（香港花魁言葉）流れの姑娘。

５、パプアニューギニアの一部族にみられた慢性進行性神経疾患。食人の習慣により伝染するプリオン病で、食人を廃して後減少消失した。

６、夕几。

７、奴隷。クーリー。

　ザキヤマの例のやつではない。　①「世界史に詳しい人、これに矛盾が無いかどうか教えて！」「イギリスには外交官がいます、そしてヤルタ会談も実在しました。矛盾は無いです」。　②「これを書いた人に、実際に音を出してもらわなければならない」とタイラントが厳命。「ほら！　その場で脱糞しろよ！」　みんなして下半身裸のzoom会ならではの一幕である（絶対そんなことない）。ちなみに、この日はマイクに異音が入るたびに「また誰かのバイブが鳴ってんぞ！」と言われ続けた。バイブを止めるな。　③「クールなルー」。「ヒもハもだいたい同じようなもんでしょ」。そういう次元の問題ではない。　④「くーにゃん＋流（るー）」。「香港に花魁っているんですか？」「香港は実在するし、花魁も実在した概念です。矛盾は無いです」「どこにいるの？」「それは、ほら、九龍城とか」。　⑤「プリオン」っていう単語が出てくるだけで「正体不明の球体・ブリオン」でひとしきり盛り上がる集団。ブリオンの正体が判明するの、何十年後なんだろうなぁ。 ⑥単にカタカナを組み合わせただけの言葉。意味はまだ無い。　⑦クーリーは実在する言葉で、なんとなく知ってた人も（何なら書いた当人も）ぼんやりとした知識ではっきりした意味がわからなかったのは面白い。ほんと、「世界史に詳しい人、教えて！」である。

 

　メタを動かした結果……先週よりは普通の試合になってる気がする……やはり最大の問題はプレイ人数の肥大なんだよなぁ……。