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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ささやくように恋を唄う」 6→4

 「ようやく終わりましたね」のご報告まで。残念ながら、もうこの状態になっちゃったらまともに1本のアニメシリーズとして評価することは出来ないのよ。

 知らない人・忘れてる人のために確認しておくと、本作は24年春クールの新作アニメだった。しかし絵に描いたような万策により放送期間中に総集編を2回挟み、結局完結しないまま宙ぶらりん。半年の沈黙を破り、この度残った2話をなんとか放送したという状況である。どうやら制作スタジオは相当あかん状態らしく、親会社の横浜アニメーションラボの名義でなんとかゴールインさせたが、共同制作にクレジットされた分家筋のスタジオであるクラウドハーツはホームページなども削除されて夜逃げしたみたいな状態になっていると一時色々な噂が立った。実際、今回放送された11,12話もクレジットにクラウドハーツの名は無く、横ラボの単独名義となっている(ちなみに監督のクレジットはない)。別にアニメ業界の裏方のゴタゴタに興味はないが、それによってせっかくの作品が犠牲になってしまったというのは由々しき事態である。途中までは楽しく見られていただけに、余計に。

 「なんだかんだで最後まで放送されたんだからちゃんと評価したれよ」という意見もあるかもしれないが、残念ながら人間の感情なんてもんはそこまで長いこと維持することは出来ない。ことに日々狂ったような数のアニメを視聴し続けている私の場合は。放送当時に受けたあれやこれやの印象も、今となっては記憶の彼方(Fade from Memory)。百合に対して抱えた情動も、ドロドロの人間関係に受けた衝撃も、思い出そうとしたところで半年の時間の壁は厚すぎる。もはや他の作品と同様にシナリオラインを追うことは出来ないのだ。あとはまぁ、こんだけ間が空いての放送だったくせして、ラスト2話も別にそこまでハイクオリティってわけでもなかったってのがね。やるなら禊のつもりで全力でやってくれよ。

 というわけで、作者さんには非常に申し訳ないが、およそ「不戦敗」みたいな処理で埋葬させていただく。これでどんだけ作画状態が悪かったとしても、シーズン中にちゃんとゴールインしてくれてたら序盤の印象だけでプラスを引っ張ることは出来たと思うだけに残念である。今作で初ヒロインをゲットした中の人・嶋野花さんもかわいそう。でもほら、同時にアニマルタウンのカニの人として活躍してるから今後に期待しよう。

 
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BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」 ―→―

 次でいよいよ最終章らしいですよ。つまり、まだ最終でもなんでもないので一旦放置。

 でも、楽しんでるのは間違い無いです。以前も何回か書いた気がするが、わたしゃ基本的にこの作品に興味がなかったし、どっちかと言えばアンチ寄りの人間。「薄めたカルピス」として名高い超(薄)密度オサレバトル漫画にほとんど価値を見出しておらず、アニメ化されたからってどないやねん、と思っていたのだが……次第に煮詰まっていく展開に、いやでも「よく分からん盛り上がり」は感じざるを得ない。長期連載の総決算となるバトルなのでキャラクターの数がとんでもないことになっており、そのとんでもない既存のキャラクターが全員味方になり、全部ぽポッと出の思いつきの敵キャラの、思いつきの能力と行き当たりばったりの戦いをする。普通に考えてぐだぐだにしかならない展開なのに、そこをとにかく雰囲気でねじ伏せるという反則技。薄めたカルピスが美味しくないなら、アニメ化にあたってぎゅっと密度を上げてしまえばいいのだし、圧縮すればオサレ作画目白押しの「ビジュアル漫画」はそりゃ画面映えするわけでね。「連載終了後、めちゃめちゃ期間をおいてアニメ化される」なんてのは死亡フラグでしかないはずなのに、今作に限ってはじっくりたっぷり時間をおいて制作し、技術力の向上した今アニメ化された意味がちゃんとあるあたりがほんとに恵まれている。

 オサレは地球を救うのか。なお、マユリ様だけは大好き民なので割と楽しいシーズンだった模様。マユリ様とネムの関係性、いいよね。

 
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「ブルーロック VS. U-20 JAPAN」 ―→7

 相変わらずの超次元サッカー。文句をつけるところはないなぁ。

 1期で良かった部分をそのまま受け継いで、というのが分かりやすい説明だが、ちゃんとプラスアルファで発展形があるのが良いところ。色々と無茶なチャレンジに挑んでるはずなのだが、漫画としても、アニメとしても独自のブレイクスルーがあるのが良いね。

 まず漫画として、脚本として。常々サッカー漫画の悩みの種として「1111は人数が多すぎるもんでどう頑張っても描写が散逸する」というのがあり、本作も根本的には脱却しきれていない部分もあるのだが、「全員ストライカーのイカレチーム」というエゴの構想自体がここに風穴を開けており、少なくとも味方チームに「モブ」がいない。ポッと出の敵チームについてはどうしたって影の薄い連中は出てしまうが、そこはゴリゴリに漫画的なキャラクターを立て続けにぶっ込むことでお茶を濁す。これこそ超次元サッカー、イナズマイレブンメソッドとでも言える部分。程よくクドい敵を設定しておいて味方イレブンの噛ませ犬にし、1期から蓄積してきた各キャラクターの見せ場を演出するデザインは成立している(まぁ、ガガマルあたりはちょっとかわいそうだったけど)。

 1期で2クールたっぷり使って味方チームのドラマを蓄積してくれているおかげで、たとえばレオの必死の生き様なんかは(冷静に考えると大したことしてないのに)いい見せ場になっているし、過去のあれこれを覚えているからこそ、終盤でバロウが出てきた時の盛り上がりも、決めどころのバチラの躍動も見栄えがする。この手の「全員ヒーロー」を謳う作品は敵のレベルがインフレすることで「ちょっと前まで無敵だった奴が雑魚に……」みたいな展開が多々あるのだが、本作はちゃんと「全員エース、全員主人公」を維持したまま構築されてる。

 そして、そんな無茶苦茶な「全シーンクライマックス」みたいな筋立てを必死にアニメスタッフが盛り立てる。エイトビットはほんとに最近「綺麗な技術力」が結実していて、もともと持ち味だったCG作劇がかなり自然に馴染むようになってきた。サッカーアニメがこれまで成功しなかった大きな理由の1つに「一度に動く選手数が多すぎるし、フィールドが広すぎるのでリアルに描こうとすると手間が尋常じゃない」という問題があったのだが、CG作劇は「リアルなサッカーゲーム」を描くのに大きく寄与しており、画面の全体像が構築できるようになった。「サッカー的モーション」はある程度CGのモデルでパターン化しているのだろうが、それを極力意識させないように混ぜ込み、力を入れるべき大立ち回りの描写にリソースを割くことができる。

 また、「サッカーのワンプレイは時間が短くて描写するには情報が密集しすぎる」という問題もあるのだが、こちらは超次元サッカー理論が打開策を与えており、いわば歌舞伎のような「見得」を切ることで劇画的な見せ場を強調することで解決を見る。アニメとしては特段新しいアイディアというわけではないが、ゴリゴリに濃いイラストレーションの1枚絵で勝負することで「あまり動かない時間」があることに免罪符を与え、モノローグや解説が入る時間的余地を生み出す。こうして「1枚絵の迫力とCGの省エネ」を組み合わせることでしっかりと原作で見せたかった景色が描けるようになったわけだ。

 ま、なんやかんや言うて結局「ジャンプ漫画的能力バトルは楽しいよね」ってのが頭の悪い結論なんですけどね。もう、やりたいことはだいたいやっちゃったんじゃないかなぁ。こっから先の展開、まだカロリーを維持することができるのかなぁ。

 
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「嘆きの亡霊は引退したい」 6→6

 愉快な作品でしたね。毎週ちょこちょこ触れてたのでまとめることはあんまりないですが、なろう文化の1つの捻りとして、何をもって「面白く」感じるかってのは考える意味はあるのかもしれません。

 いや、言うといて結論はなんも考えてないんだけど。いわゆるラッキーマンメソッドの作品で、多分広大で膨大ななろうオーシャンを探せばこのタイプの作品も結構な数があるとは思うのだが、アニメ化された純正作品はこれが初体験。「主人公がやれやれ顔で相手を蹂躙し、周りが勝手にそれを礼賛する」という構図は典型的なろうと同じなのだが、ポイントはその因果関係が逆転しているという部分。伝統的なろうでは「チート→礼賛」という因果関係になるが、今作の構造だと「礼賛→チート」という後付け(そして外付け)チートが付与されることによって主人公が無双する形。結果は同じだが、こっちの構造の場合にはチートに根拠がなく、どこかで油断すれば一気にチートが瓦解する可能性があるためにストーリーテリングがやや複雑になる。そう、なろうのガンである「理由なきチート」にならないというのが最大の相違点なのだ。いや、まぁ、今作を見てたら「理由なきチート」じゃなく「理由なき礼賛」なので結果は一緒なんだけども……少なくとも「ほんとに理由なく強いだけのやつがドヤり続ける」よりは「ほんとは強くもなんともないやつが必死に生きながらえるためにドヤり続ける」の方がドラマにはなるよね。ちゃんと個々のエピソードに相応の起承転結もあるし。やっぱ「最低限のドラマ作りのいろは」のある無しってのは大きいよね。

 あとはアニメとしての愉快さもある。単純にキャラデザが好みだったってのもあるけど、あの手この手で興味を離さないように構成も凝ってるしね。個人的には今期ナンバーワンのオープニング演出だったよ。こういうとこでサボらないのは良い作品よ。

 そして当然のように2期目決定。ふつーに続きは気になるけども、どれくらい間が空くかだなぁ。どうなりますかね。

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「らんま1/2」 6→6

 ま、2期決定っていうか分割だろうけども……「うる星やつら」があんだけ放送してて、こっちが1クールで終わるわけないんだよなぁ。

 基本的には「うる星やつら」同様に不満はないかな。まぁ、今更あれこれ感想を述べるような作品でもないだろうし、原作・旧作への思い入れも全く無い身なのでそもそも語るべき言葉もないのだけど、個人的には「うる星やつら」以上にサザエさん的な、「なるほどこれは古典よなぁ」と感じる中身だったので少なくとも悪感情は抱いていない。

 興味深いことに、私の場合はこちらの方が「うる星やつら」よりも余計に「古典だなぁ」という印象を受けたんですよね。これは別にアニメの画作りがスタンダードだったからとかじゃなくて、多分純粋に話の作り方が「現代の理解に寄ったから」だと思うんよな。「うる星やつら」と比較して発表年にそこまで大きな開きがあるわけじゃないはずなんだけど、やっぱ「うる星」はさ、ギャグの方向性とかが非常に時代がかっていて、今の視聴者から見て理解や共感が及ばない部分とか、「これが面白いんか?」みたいな隔たりは幾らか発生してたとは思うんですよ。そんで、それが一周まわった結果現代では「あまり見ないもの」だから新鮮さにつながったかと。対してこの「らんま」の場合、ほんとに現代ラブコメ(少なくとも私が知ってるような世代のね)と地続きで構造が繋がってる気がして。それこそあかねの設定なんかは現在は一部で忌避されるとすら言われている「暴力ヒロイン」の系譜なわけだけど、私からしたら実に馴染みのあるデザインになってて、理解が及ぶだけに「古い時代の草分け的存在なのだな」って実感がある。多分、「うる星」と「らんま」の間に結構な時代のアップデートが挟まってるってことなんじゃないかなぁ。同じ「ヒロインの暴力」でもラムとあかねじゃ全然種類が違うからね。そういう見方で「ここに始まった何か」を感じられると、面白いかどうかは別にして不思議な安心感が芽生えましたね。

 あとは話題になっていたキャストの組み方も安定感があり、ベテラン勢の頑張りはもちろん、そこに投入された若手(と言えるほどでもないが)連中がしっかりパスを受けていい空気を作ってくれていました。まぁ流石に宮野・悠木コンビについては「便利に使われすぎてるけど、ほんと高橋留美子作品の空気に馴染むな……」という印象は受けましたが。

 さて、2期にはまた新キャラとかも増えるんでしょうかね。「うる星」と違ってゴールまでのスケジュールは発表されてないので、案外長いシリーズとして繋いでいく計画なのかもしれませんな。

 
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「村井の恋」 6→6

 ちょっと前に「実写ドラマ化してからアニメにするよ三銃士」って紹介をしたんだけど、ごめん、もう1人いたわ。三銃士じゃなくて四天王だった。でもこいつが実写ドラマ化してたなんて事実はなかなか認識できないよ。それくらいにアニメとしての画面が唯一無二。まぁ、こうやって並べるとやっぱり実写化してるのは全部恋愛関係のドラマなわけだが……。

 というわけで、爆発系作品が続きますが、歳をとるとバカップルがイチャイチャしてるのを見るだけでも何か満たされた感覚になってしまいますね。タイトルに堂々と「恋」を掲げ、本当にそれだけの内容で1クールを走り切った堂々たるラブコメ作品。そして、普段から作画だ〜の動画だ〜のと訳知り顔でせせこましいことを言っている私みたいな人間に、「作画なんて、アニメの本質じゃねぇんだよ」という挑戦状を叩きつけてくる憎らしい作品でもある。結局、最後まで観たらちゃんと面白かったもんな……。

 今作で注目すべきは、省エネ作画のネタ作品には違いないのだが、別に「エグミレガシー」みたいに省エネ雑絵であること自体をそこまでネタにしているわけではないという部分。もちろん雑絵の人形劇みたいな演出は全部計算づくで作ってるだろうが、別に今作はこの絵で、この設定で進行しなきゃいけない理由はなかったはず。その上でこの省エネ(風)路線を選択したのだから、どこまでも自虐的に絵の安っぽさを取り上げて独自性に仕立て上げてもよかったはずなのだが、そこは「いや、別に恥じることなくこの画面でお届けするだけですが?」みたいなしれっとした様子が、かえって「この絵であること」を考えさせて視聴者を混乱させる。制作側がそういう態度なのだから、こちらとしても「よし、ほんならこの絵でちゃんとストーリーアニメが展開できるもんか、見定めてやろうやないか」と身構えてしまう。

 そうして構えているからこそ、なるほど安っぽい絵に見せかけてちゃんと盤石の演出論の下で成り立っていることが理解できてしまうわけだ。単なる紙芝居ではなく、あくまで「通常のモーションアニメの間を捨象しただけで、見せることをを全くサボってないアニメ」であることが分かる。なんかもう、「本日は素材の味をそのまま、塩だけでお召し上がりください」みたいなもんである。これが成立するのだったら、世の中の他のアニメーション作品にも色々と別次元の可能性を感じてしまうな。

 あとはまぁ、やっぱりどこまで行っても日笠劇場なわけで……「来世は他人がいい」の石田彰地獄とならび、今期の2大地獄となった日笠オンステージ。これが出来るからこその看板女優であるが、それにしたって負担かけすぎだし、負担に応えすぎだ。素材の味、楽しむにしてももっと遠慮というものを。いいぞもっとやれ。

 
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「やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中」 5→6

 最終的に10歳そこらの年端もいかぬ少女が「今後バンバンSEXするから!」と宣言することで世に平穏が訪れるアニメでした。……いい作品でしたね(語弊がありすぎる結論)。

 割と珍しい、放送終了後に「えっ、2期の発表ないの?」とちょっとがっかりした作品。これは面白いつまらないという評価以前に、ラストが非常に気になる終わり方になっちゃったからですね。そのことも評価に影響を与えなくもないのだが……とりあえずトータルでの評価はやや上げ目。なろう的テイストはそこそこ匂い立つ方の作品なのでその部分は最後まで気がかりではあったが、最終的な満足度を優先することにした。

 まず大前提として、映像部分のクオリティは「並」。飛び抜けて何ががすごいってほどでもないが、キャラクターデザインはそこそこ安定していたし、見せるべきシーンできちんと見せられるだけのスタミナがあった。また、少女漫画的なベースがある作品なので、いかにもそれらしいデフォルメの取り回しとか、画面で退屈しないだけの工夫も凝らされている。今期J.C.STAFFは作品数が多くて何かとハラハラさせられたが、これくらいならなんとか。

 そしてシナリオ。気になる点もいくつかあって、個人的には今作最大の焦点であるハディスの心情面については、未だ追い切れていない部分がある。頼りない優男のような振る舞いをすることもあるが、冷酷で苛烈な「竜帝」の顔を見せることもあり、この二面性はヒロイン・ジルに対しても同様。基本的にはベタ惚れ甘々テイストで爆発不可避のイチャイチャを見せてくれるのだが、これがおりに触れて突如冷酷になり、自身の過酷な運命もあって急に突き放したような思い切った態度に出ることも。その辺りの心情面についてもほぼバックグラウンドは説明されているし、理屈の上では理解できるのだが、1人の男の持つ心情として、ちょっと追い切れない部分はあった。まぁ、そんな複雑怪奇な竜帝を攻略していくのが本作の趣旨なのだから、そう簡単に解き明かされてはいけないのだろうけど。

 ただ、引っかかった点といえばそれくらいか。なろう的お約束である「転生(タイムリープ)」要素についても、竜と女神の対立というファンタジー増し増し世界観の中でおよそ説明はつきそうだし、ジルが元々2人の男の間で振り回されることになるプロットについても、後半までしっかり影響を与えているのでお約束におんぶにだっこのシナリオラインになっていない。ちゃんと1つ1つの展開を必要だと分かった上で選択できている筋運びだ。スパダリものなので多少のご都合主義は伴うが、それを補ってあまりある「ご都合が悪い」展開も用意されているのでバランスは取れている。ちゃんと「なろうでよく使われてるギミックが意味を持つとしたらこんなお話かな」という説得力があるのだ。その上で気になる展開を残して終わったもんだから……ねぇ、2期は欲しいよね。

 なんとなく、このクオリティだったら2期も作ってくれそうな気はしてますよ。そしたらこれが声優・内田秀の代表作になってくれる期待もありますし。個人的には敵陣営のフェイリス役に真野あゆみ、そして狂った女神クレイトスに後藤(弱)さんというキャスティングがお気に入り。いい病み具合だ。

 
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「来世は他人がいい」 5→8

 おそらく今期一番楽しみに見ていたのはこの作品だった。それなら今期一番の点数をつけなければいけないだろう。まぁ、最終話を見て「どこが最終回やねん」という気持ちもありつつ、さらに「なんちゅう最終回やねん」という驚嘆もある。……確認したら今作は原作が未完な上に長いこと休載しちゃってるんですってね……原作コミック買って読むにしても救いがなさそうやなぁ。どしたもんかなぁ。

 さて、毎週感想を書いていたので本作のヤバさについてはなんとなく書いちゃった気はするが、先に断っておくとアニメーションとしては大したことはしてないんだよ。制作のディーンは最近はありがたいことに安定感のあるスタジオとして評価をかなり回復はしているのだが、本作については「誰もが唸る美麗な作画で!!」みたいな作品でもなく、おそらく原作のクセのあるデザイン性をそのまま画面に落とし込むことが最大命題だったと思われる。中盤以降に引き込まれたイっちゃってる時の霧島や吉乃の表情がアニメでも際立っていたので、その部分は充分に映像制作の責任は果たしていたと言える。椿さんはいつでもお美しかったですわ。

 じゃぁどこで大きな加点があるかといえば、そりゃまぁお話そのものですわね。少女漫画的な「おもしれー女」と王子様のラブストーリーのはずなのだが、そのどちらもが率先してネジを外しにいき、どの場面を切り取ってもイカレたやりとりを楽しむことができる。「ヤクザもの」とかいうレッテルを貼ること自体は簡単だが、最後に霧島が「俺はヤクザにはなれない」と言っていたことからも分かる通り、作品の本質は多分「ヤクザ」という商売にはないんだよ。ほんとに「霧島という男」と「吉乃という女」っていう1組の男女が紡ぎあげるクレイジーラブロマンス。その前代未聞のプロットにすっかりメロメロにされてしまった。「ヤクザもんなんて倫理的にハードルがあるから絶対に受け入れられないゼ」という価値観をわずか1クールでぐるりと塗り替えられてしまったことになり、この「価値観の矯正」を味わわせてくれる作品に出会えただけでも幸せなことである。

 ちなみに、過去にも一応「綺麗だと思ってしまったヤクザもの」作品は1つだけあって、「BLACK LAGOON」は知性も品性もどっかにおき忘れたような連中のドラマだが非常に美しかった。あれも、「倫理も論理も軸は1つじゃないのだな」という価値観の転換を強要してきた作品だったし、暴力というものには、どこか根源的に人間を揺るがすだけのパワーがあるってことなんだろうな。まぁ、今作における霧島を「暴力」というただ1つの要素に落とし込むのは全くもって説明不足ではあるのだけれど。

 そうして描かれたクレイジーの饗宴。短いながらも文句なしで最高のショーでした。不安はあるけど、多分原作は押さえに行くと思います。そして何度でも繰り返すが、本作最大の英断にして勝因は霧島役に石田彰を起用してしまったことだと思っている。石田ワールド、石田地獄、その底は未だ見えず。俺たちはな、ほんとのほんとに石田彰が大好きなんだよ。まぁあとヒロイン役のツイン上田も最高でしたけどね。上田瞳はもう、この路線でバンバン仕事やってほしい。

 
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「マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド」 4→4

 ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、まぁまぁまぁまぁ。やらんとしたことは分かる。分かるが……とりあえず有益な情報を1つ落としておくと、いくらか改題されているとはいえ、今作を視聴した後ではマダミスパッケージの「マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド」はプレイできなくなるから要注意だ。基本構造に大きな変化はないからな。

 というわけで、プレイ済みの人間は犯人がおよそ分かった上で視聴していたわけだが、そこをアニメ的に色々いじっている部分にややプラスもあり、結構なマイナスもあり。やはり常々言っている通りに「ミステリのアニメ化って難しい」のですよね。それに加えて、さらなるハードルとして「マダミスのアニメ化も難しい」を追加しておいて欲しい。これは「ミステリのアニメ化」と要素がイコールではなくて、マダミスはマダミスで単なる推理小説とは異なった楽しみがあるはずなのだが、アニメ化してただ眺めているだけの状態だと、かなりオミットされる部分が多い印象だった。まだどっかの配信者とかがプレイしてるのを見てる方がマダミスの楽しみ方には近い気がする。

 これは何故かというと、マダミスというのは基本的に「誰かの視点になって」プレイすることを前提に作られているため。そのためにマダミス作者は1人1人のキャラにそれぞれ盛り上がりが作れたり、葛藤が作れるように工夫してくれているし、「どの視点で見てもそれぞれの物語がある」というマダミスの独自性を大切にしている。本作においても原作はもちろんそうした要素がちゃんと活きた作品だったので、どの視点でもエンディングでクライマックスを迎える時にはドキドキがあるのだ。

 今作にも「ミコト視点」という前提はあるものの、そこにはすでに規定の「ミステリとして解くため」のレールが敷かれており、道中で展開される他のキャラとの話し合いもまーお利口さん。みんなして話してほしいことを話すし、情報収集は情報収集でしかないので捜査に「個人の視点であるが故の」紛れが起こらない。こうなってしまうと、言い方はとても悪いがマダミスってのは「単純な導線のミステリ」になってしまう。いや、本作の場合はほんとに限定できてたのかどうかもよく分からないのだが……投票シーンで2:3になった意味もよく分からんのだよな。

 もちろん脚本家の人もそんなことは百も承知でこのアニメシナリオに挑んでおり、あの手この手で原作の要素を改変して刺激を増やそうとしてくれているし、ラストの展開にちょいとどんでん返しを混ぜ込もうとは頑張っているのだが、いかんせんちっちゃい山しか作れないので全体的な平坦な印象を覆すほどではない。最後の逆転にしても、「いや、そこじゃないわ」みたいな感想だけだったしなぁ。

 ほんで再三言ってる通りにあまりにやっつけなアニメ映像は視聴のモチベが大きく削がれ、「この世界のゾンビ、絶対怖くないだろ」みたいなヘナヘナ動画で緊迫感も加わらず。これなら多分、自分からマダミスの卓に飛び込んで少なからず「当事者」になってる緊張感を味わった方が何倍も刺激があるとは思います。

 結論:みんな、マダミスは体感してこそなんぼやで!(マダミス推進の会の者です)

 
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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