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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  今期はこれが最後になるんだろうか、劇場作品視聴でございます。封切りからちょっとたった今の時期で、春休み前の平日昼間ならそれほど混むことも無いだろうと思い、急いで視聴。案の定、そこまで混み合うこともなく、のんびりゆったり見ることが出来ました。

 

(以下、そりゃまぁ当然ネタバレ含みの内容になるだろうから、一応未視聴の方は注意)



  さて、既に前作の「イツワリノウタヒメ」から1年以上が経過し、もうあらすじなんて覚えてねーよ、という状態で見に行かなければいけないのは正直不安だったのだが、この作品のコンセプトは、個人的には「二人の超時空アイドルの金のかかったPV映像」であると思っているので、シナリオ面などについては特に頓着することなく、「とにかく歌って飛んで暴れてくれりゃそれでいいじゃん」という程度の姿勢である。そして、製作側だって長いブランクで視聴者の中から前作の記憶が薄れることなど折り込み済み。もう、シナリオラインなどは2の次でもいいや、というくらいのPVっぷりである。

 いや、もちろん監督を始め制作スタッフはシナリオにも気を払って作っているとは思うんだけど、このアニメの場合、地上波放送版ですら「なんか投げっぱなしで終わっちゃった! でもいいや!」くらいの受け入れられ方だったわけで、他の部分の重要度の方が、「どうまとめるか」という(本来なら)大切な部分よりも、より重きを置かれているのである。そして、その「ストーリーの二の次っぷり」(変な日本語だが)は、なんと公式パンフレットにも現れており、37ページで構成されたパンフレットの中で、シナリオに触れているのはわずか2ページこっきりだったりする。普通、映画のパンフって最低でも10ページくらいは本筋を追うために使われているような気がするのだが……すげぇ判断だ。あ、ちなみにパンフ自体はインタビュー多めで別に手抜きってわけじゃないから、安心してお買い求め頂けますよ。

 というわけで、個人的には視聴後に「にょろ〜ん(´・ω・`)」となってしまったメインシナリオについて。今作の最大の注目点は「はたして、トライアングラーの結末やいかに?!」という部分だったと思うのだが、アルト・シェリル・ランカの三角関係については、ゴールなような、そうでもないような、やや煮え切らない答えになっている。いや、アルト自身がきちんと「どちらを選ぶか」を明言しているので答えは出ているはずなのだが、流石にそれだと「選ばれなかった方」のファンから文句が出ると判断されたのか、そちらの方にも希望があるエンディングになっている。しかし、あれで(ネタバレ隠しの必要が無いから伏せるのも面倒なのでそのまま書くが)ランカ派は「幸せになれたな」と思えるもんだろうか。勿論、シェリル派の私も、「いやぁ、アルトと一緒になれてよかったなぁ」とは思えないのである。だってなぁ、地上波版では奇跡パワーで一瞬にして復活していたシェリルの病が、結局治らないままにエンディングを迎えてしまうとなると……彼女に未来が無いってことだものな。

 そして、そのあたりの「アルトに選ばれたけど眠りについたシェリル」「アルトに選ばれなかったけど今を生きるランカ」という、一応「形の整った」エンディングすら、スタッフロール後の突然のライブ音源でなんだか微妙になったのも気になるところ。最後の音源の意味だけはよく分からんな、あれは「シェリルが目覚める」ことを意味していたのか、単にエンディングテーマとして流しただけなのか。そのあたりの情報が処理しきれなかったために、視聴直後はにょろ〜ん(´・ω・`)だったのである。うーむ、「三角関係なんて1つの角が無くなっちまえば解決しますよ!」と割り切ってしまえばいい気もするのだが……そうすると、ランカとシェリルの百合展開しか選択肢が残されてないぞ。あ、割と俺得。

 とまぁ、最後の最後はやや気になる結末になってしまったわけだが、地上波版は「俺たちの翼」エンドにも関わらず、最終回の盛り上がり方は半端じゃなかった。今作もそれは同じだと考えればいい。特に今回は1作目で気になった「詰め込み過ぎ」の感じがほとんど無く、どんでん返しの連発で常に巨悪を前に戦い続けるSMSのメンバーの戦いが、小気味よく繋がれているのは非常に良い点だった。敵対勢力がグレイス→三島→もっかいグレイス(たち)→ブレラとの一騎打ち→ラスボスとコロコロ入れ替わるために、常に緊張感が持続して似たような戦闘シーンでも何となく誤魔化されてしまう。もちろん、戦闘の合間合間で詰め込まれたライブシーンが山場となり、それぞれを繋いでくれたのも上手いところだ。意外にもオズマ・ミシェル・クランにルカと、メンバー各々の活躍シーンもちゃんと織り込まれているのは嬉しいポイント。

 小ネタを拾っていくと、地上波版のストーリーを意識して敢えてそれを覆している部分のギミックが面白くて、例えば途中で三島が出てきたところで「お、今回はグレイスたちではなくて三島がラスボスに格上げされたのか? やったね杉田!」とか思ってたらあっさり瞬殺されてしまったり、クランの危機的状況に、地上波版では一人逝ってしまったミシェルが「一人で死なせはしない!」と叫んで無事に救出したり。中でも今回のグレイスの扱いは実に美味しいものになっており、初めてインプラントの呪縛を逃れ、最期には「シェリルの母」としての顔を見せて退場してくれた。妖艶な裸体を晒すサービスを忘れないのもありがたい。

 そして、メインとなる(?)ライブパートについて。前作同様、今回もライブパートは全身全霊を込めた文句のない出来で、冒頭、ナースコスのシェリルが新曲を披露してくれたところでいきなりボルテージマックス。割と新曲多めだったので「いつものノリで!」と全部が全部盛り上がるわけにも行かないが、クライマックスを飾った「サヨナラノツバサ」を始め、充分に「あ、アルバム買わなきゃ」と思わせるだけの楽曲が揃っている。菅野よう子とMay’n、そして中島愛の魅力充填率は文句無し。

 見事だなぁ、と思ったのは既存楽曲の使い方である。前作で看板となる楽曲のほとんどを使い、「ライオン」まで流してしまっていたので「後半は何をメインに繋ぐんだろう?」と心配したものだが、「アイモ」「ライオン」「星間飛行」「ノーザンクロス」など、メジャー楽曲が重要なシーンでかかるおかげでいちいち感極まる。特に素晴らしかったのは「星間飛行」と「ノーザンクロス」だろう。「星間飛行」は「アルカトラズライブバージョン」というスタイルで流され、なんとあの「キラッ☆」が無いという予想外のアレンジになり、バンド演奏と合わせてアイドル歌謡っぽさが抑えめになった。楽曲に合わせたシェリル強奪作戦とのリンクが面白く(「矢を放つ」の歌詞で実際に吹き矢を飛ばす、など)、元々が安っぽいアイドルソング風だったものを、見事にシナリオギミックの一部として昇華させた。地上波版を意識してか、この曲がかかっている時だけはゼントラーディが母語でやりとりするシーンが描かれるのも面白いし、演奏に来ていたミシェルが熱気バサラのコスプレ、なんてのもネタ要素として目を引くサービス。そして何より、ちょいとキーをあげめにしてシェリルまでもが歌い出すというのが一番のサプライズ。シェリル版星間飛行、もっとじっくり聞いてみたい。

 更に重要な「シェリル復活シーン」の曲として選ばれたのが「ノーザンクロス」。今回の映画のポスターは、戦場に立ち尽くすジャンヌダルクのようなシェリルの姿が印象的だが、彼女の「歌い続けるという戦い」が凝縮されたのが、この「ノーザンクロス」だった。激しい感情を表に出した原曲をアレンジして、雄々しく大地に立ち上がるシェリルの勇姿に重ね合わせた一連のシーンは、今作最大の見せ場と言っても過言ではないだろう。

 結局、私の視点からすると、1にシェリルで2にシェリルだ。メインヒロインとしてのシェリルもそうだし、囚人服姿で輝きを全て失ってしまったシェリルも新鮮。そんな彼女がランカを思って立ち上がる姿は、トライアングラーだのなんだのという話を抜きにして、「歌」という一つの絆を得た友情物語としても見事である。いつの日か、新たな「フロンティア」を手に入れた人類の下に、銀河の歌姫が帰ってくることを願ってやまない。

 そして、元々あまり好きではなかったランカだが、こちらも随分魅力的なヒロインに成長した。おそらく中の人、中島愛の実力が歌唱力・演技力ともに底上げされ、ようやく「超時空シンデレラ」という器におさまり始めたことが一因だろう。魔法使いのイメージで飛んだり跳ねたり、シンプルな「アイドル」像を極めた彼女もまた、立派なメインヒロインだったと思う。

 繰り返しになるが、この作品は「金のかかった2人のバーチャルアイドルのプロモーションビデオ」である。だとすれば、何の不満のあろうものか。ヤック・デカルチャーである。

 蛇足・一番大事なことを思い出した。ナナセが! ナナセがちゃんといたよ!

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