半年ぶりのお久し! 特典27話。放送自粛でアニメがなくて飢餓状態のタイミングで訪れた製品特典。ほんとにほんとに助かりましたぜ。
久し振りだろうが、最終回後だろうが、一切の変化がないことがこの作品のありがたさ。今回は担当が武本さんということで「けいおん」としては大人しめの作品作りになっているが、そのあまりに平坦さは、戻ってきたことの喜びというよりも、ずっとそこにいたことを感じさせる近しさがありがたい。終始HTTの5人の絡みのみで構成された夏休みの何気ない1日は、「わざわざこんなことをエピソードにせんでもええやん」っていうくらいに何も無い。
海外から戻ってきたムギのお土産を見て海外へ行きたいという唯に触発され、卒業旅行に海外を目指す面々。「海外に行きました!」で1話放送されるなら分かるが、特に非日常にも突入せずに、「行こうか!」ってんでパスポートを取るだけのお話。落ち着く。ただ、高校生のくせに平気で海外旅行の計画をぶち上げて、それを実行できるだけの行動力があるのは羨ましいし、何よりも平気で海外に行く計画を進められる経済力が羨ましい……ムギはいいけど、他の連中も親御さんは許可してくれるのかね。あたしが高校生の時は海外どころか県外に出るのも大冒険なくらいだったのになぁ……(引きこもり体質だからな)。そんなやっかみを除けば、いつも通りの内容といえばそれまでなので、このお話の間の各人の活躍ぶりを個々に見てみましょう。
まずは梓。不覚にも「まちゅぴつ」でちょっと可愛いと思ってしまったぞ。1人だけ2年生で「卒業旅行」の計画に付き合わされるあたり、本当に部活第一で生活してる感が伺える。来年も旅行に行こう、とか誘われてたけど、普通に考えたら純や憂と行くのが自然だよなぁ。行きたい国はアメリカ。音楽の本場ってことで憧れがあるみたいで、本当に音楽一家なんだなぁ、というのが見えてちょっと面白いです。
続いて、相変わらず裏方に徹している感じのムギ。唯一海外旅行が日常にある人間なので、「初めての海外!」っていう浮かれっぷりが無いだけにますます目立たない。ハイライトは護身術の訓練で梓に抱きついてたところですかね。ほんと、スキンシップが絡むとなんでも楽しそうな娘やで。
休み中なせいか、いつもよりもアホに磨きがかかっていた気もする唯。単なる「お菓子のことしか考えてないように見える問題児」だな。悪気もなく、証明写真を撮影してる人間にうちわを差し出すとか、天然とかいう言葉はぬるすぎる気がするぞ。憂も心配するわなぁ。「NO RICE NO LIFE」は名言……?
被害者体質、澪。証明写真を3回撮り直したことになるんだけど、証明写真って結構高いんだよね……多分1000円以上のロスですぜ。高校生には痛い出費だったと思う。それでも何となく許してしまうのは、多分相手が律だからだよ。事前に写真を撮るのも、自然に律の家で2人して撮ってたし。それなりに勉強できるはずなのに、何で受験勉強のプレッシャーで一番参ってるんだろうな。
そして、全ての中心は当然この人、軽音部部長、田井中律。今回は旅行の立案に始まって、いつ何時もメンバーの中心はやっぱり部長さんだ。もちろん、いつだってどこか抜けてるのも部長さんだ。忘れ物を平気で弟さんに届けてもらえるってのは、おそらく普段からお姉ちゃんとして愛されている証拠だね! でもな、基本的に弟は姉に逆らうっていう選択肢が無いから、あんまり酷使しないでおくれよ! 「なんかすごく疲れたなぁー」「誰のせいだ?」「さぁー!?」のところがすごく溌剌としてて可愛かったです。
地味にいい話が地味に後に引きそうな話。やっぱり下馬評のように、劇場版はメンバーによる卒業旅行の様子になるんですかね。アメリカ・イギリス、どこに行くのかは分かりませんが、海外を舞台にしたドラマティックな劇場作品がなかなか楽しみです。
久し振りにつける今回のハイライト。今回も愛らしい部長の姿。やっぱり良い律ちゃんは見逃せないかな。「逃げてなーい! 逃げてないよ!」。受験だろうがなんだろうが、敵前逃亡などするはずなかろう!
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