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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 熱いアツい氷の対決、第10話。説明不要な王道バトル回。Aパートのしんみりシーンと後半の怒涛のバトルシーンでわざわざコンテ・演出を別立てにしているあたり、やたらと気合が入っているのを感じるよ。

 というわけでまずはAパート、在りし日のペペシャさんのマーマ・レーニャさんの悲劇の物語。まぁ、何もかも結局貧乏が悪いんや……っていうどうしようもない結論にしかならんのだけど、貧しても鈍しない強い心を持てればいい。そして、それは普通の人間にはとても難しいわけで……残念ながらレーニャさんは挫けてしまった。可愛い娘がいたところで、世間の荒波に立ち向かうには、どうやらこの世界は女手1つで太刀打ちできないくらいにはクソだったらしい。ご丁寧に一回持ち上げて希望の火を灯してからそれを踏みにじられるというあまりに救いのない展開になっており、そりゃまぁ、どれだけ心優しかった人物でも闇堕ちしちゃうかもなぁ、という残念な説得力がある。常に薄暗い氷土ロシアの地は、やはり人が生きるには厳しいのかもしれませんね。そして、そんな疲れ果てた心の闇に、スティグマが忍び寄ったということなのだろう。

 スピリッツは実の母の変わり果てた姿に打ちのめされ、完全に心砕けてしまった。戦隊・プリキュアと変身ヒーローにはお馴染みの「心折れたら変身解除される」という展開、今作における転心輪は特に「心の表れ」として変身をサポートしているらしいので、如実に心の動きが外見に出てしまうというのはハード。しかし、ここまでされて挫けるなというのも無理な話で、さしものペペシャさんもいつもの明るさはなりをひそめ、ただ打ちひしがれるのみ。もしスティグマが狙ってこの母娘関係をぶっ壊しに来たのだとしたら、本当にドンピシャで最適な戦略を組み立てていたことになる。

 しかしそこはやはり「ヒーローもの」である。どんなピンチでも、胸に灯る炎を引っ提げて、懸命ヒーロー・シャイがまかり通る。彼女が「火」に目覚めたのもまさにこの時のため。不器用でコミュ障なダメダメヒーローだって、親友のピンチに、そして可哀想な母娘のピンチに、奮い立たずにはいられない。そこにはあの時の小石川さんの涙も重なって見えるのである。

 かつてないほどに炎を巻き上げ、シャイは反撃に出る。バトルシーンの描写もシンプルながら見応えのあるものになっており、ナイスだったのは渾身のシャイパンチの3段ブーストのカット割り。安藤作品では定番の「コマ割り」演出をよりダイナミックな構図に転換し、ガツンと見せてくれるナイス演出。作画もバリバリに気合が入っており、勇ましく戦うシャイの勇姿も、それに真っ向から受けて立つツィベタの悲壮な様子も際立っている。そして迎えるクライマックスはペペシャさんの復帰。その手は砕くためか、握るためか。彼女の手袋を中心に復元されていく変身スーツの純白。普通の変身ヒロインでは衣装が本当に「衣類」のような役割を果たすので今作のように自由自在に概念武装を変形させるのは難しい。今作の変身はあくまでも「心のありよう」だからこそ、こうして特に見栄えのある「再変身」シーンが演出できる。

 ヒーロー・スピリッツはふわふわ系の煙ヒーローだそうな。雪と氷の凍える白に、真っ向からぶつかる白煙は「火」が再び立ち上げてくれた反撃の狼煙。始めましょう、本気の親子喧嘩。

 

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