次回予告がレンジムラタの1枚絵だったので「マジで次回は村田さんが原画描いたり、あわよくば作監したりしねぇの?」とかあり得ないことを考えてしまった第23話。気付けば次回は最終回のようです。何か微妙な時期に終わるもんだな。
前回からの引きで一気に盛り上がる! と思ったのだが、思わせぶりな反逆を起こした国仁は開始5分であっさり改心してしまうというあり得ない展開。結局おかぁちゃんはどうなったのよ。何で國子に啖呵切られてあっさり参ってるのよ。本当にまこっつの声あててるキャラクターはヘタレしかいねぇな。今「まこっつ」か「マコッツ」かどっちの表記が一般的か確認するためにググったらwikiのプロフィールに「ラッパー」って書いてあったわ。爆笑しちまったじゃないか。
さておき、美邦様を引き連れてアトラス最深部へ向かう涼子。途中の取り巻き野郎ズの反乱のおかげで、奇跡の復活を遂げた小夜子からは美邦に従う気など全く無いことをあっさり看過されるも、全く意に介した様子もなく、その超人的なパワーで全ての難敵を叩き臥せていく。兄を裏切って味方に付いてくれるとまでいったドMの福山(中の人名)にも躊躇なく発砲。小夜子に対しては、唯一の甘い思い出だった大学時代の教授を奪い取ったこと、彼女の娘を見殺しにしたことなどの非道を嘲笑とともに明かし、さらに2週続けて奈落にたたき落とすというあり得ない体験までさせている。どう見ても美邦は涼子に従う道理などなくなったのだが、最後の最後は脅迫で力押しの展開に。おそらくこれまでの裏工作は、自分にとって最も都合のいいトリプルAである美邦をここまで連れてくるためのプランだったのだろう。万一このままアトラス支配が完了すれば、あとは後継者たる美邦を始末すれば、涼子にとっての完全なる「シャングリ・ラ」が生み出せることになる。
涼子の計画のもう1つの大事な軸が、メデューサを利用しての国連の核制圧。こちらには凪子たち年寄りコンビまで巻き込んで健闘していた香凛に対して、3年越しの衝撃の真実を告げている。香凛の両親は既に死んでおり、その情報を隠匿したのが、既に開発中だったメデューサに目を付けた涼子だった。香凛はこれまで、「パパとママに会えるから」という理由だけをよりどころにメデューサを駆使した金儲けに走っていたわけで、そんな幼い彼女のアイデンティティを根本から突き崩し、メデューサを完全に掌中に収めることに成功している。突然イメージ映像の上に2体の熊が現れたシーンは一瞬感動の再会かと思われたのだが、熊の語る真実は夢幻のような現実感に乏しい「事実」ばかり。じわじわと香凛の思い出を浸食していくプロセスは、これまでずっと石田香凛という少女の成長を見てきただけに、痛々しいのを通り越して戦慄すら覚える。どこまでも悪役に徹した鳴瀬涼子というキャラクターも、この作品で生み出された最大の見どころかもしれない。
そしてようやく、本当にようやく、主人公の登場だ。実は今回もちょっと器用なブーメランキックを見せたくらいであとは延々5分以上もたった一本の宝剣を頼りに自由落下しているという状態。「いや、無理だろ」という突っ込みはいいとして、一度は涼子にボッコボコにされた身で、果たしてどういう自信があるやら。最後くらいきちんと締めてほしいもんだが……あと一週で香凛が立ち直れるかなー。
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