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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<キャラクター部門・女性キャラ>

 男性キャラに比べると大変なことになりがちなのでなるべく短くまとめたい、女性キャラ部門。こっちも色んな切り口がありますね。

 男性キャラ部門と合わせて順当な主人公からみていくと、上の部門と若干被るリザ(カワイスギクライシス)とか、星野アイ(【推しの子】)あたりは当然候補に入ってくるだろうが、アイはアニソン部門との被りがあるので選出は断念。そういう意味では紅葉山照/シャイSHY -シャイ-)も都合により置いとく枠。あんまり他で取り上げられなかったメインヒロインを列挙していくなら、あまりに無垢すぎて不安になっちゃう五色しおりさん(おとなりに銀河)、まっすぐなパワーに本当に憧れてしまう曲伊咲さん(君は放課後インソムニア)、パワー系ヒロインの新機軸・ラッミスさん(自動販売機に転生した俺は迷宮を彷徨う)、好きこそものの上手なれ・秋里コノハさん(16bit センセーション)、歴史に残る名誉ミミックの餌、フリーレン様(葬送のフリーレン)、同じくエルフ族から意外と人情派・マルシルさん(ダンジョン飯)、くたびれOLの魅力という新しい性癖の扉を開けそうな福澤幸来さん(デキる猫は今日も憂鬱)、屈することにかけては右に出るものがいない(姫様拷問”の時間です)、スタンド使いは惹かれ合う、鳳ここなさん(ワールドダイスター)と、ここまででもエラい騒ぎ。それぞれのヒロインに一言コメントつけてたらとんでもない量になってしまうので省略。

 メインヒロインからちょっとズレる部門、作品が上と被るものも多いがサブヒロインを取り上げていくと、魔性の変身・黒川あかねさんと作中の良心・MEMちょ(【推しの子】)、ホラー好きのお前が一番のホラー・寶月詠子さん(ダークギャザリング)、使われるスタンド側・静香さん(ワールドダイスター)、下世話な神性・ミタマ様(神無き世界のカミサマ活動)、真の萌えキャラは影から刺す・白丸先輩(君は放課後インソムニア)、おバカ可愛さ突出系・カフさん(死神坊ちゃんと黒メイド)、なんでやった長崎そよさん(It’s MyGO!!!!!)、純愛バイオレンス破壊神・銀器姫(ラグナクリムゾン)。作品感想で触れてた面々だとこれくらい?

 続いて敵キャラ部門では、実は友達想い?クフフさん(SHY-シャイ-)、仮面のわがまま・プロスペラさん(水星の魔女)、お前の不幸で飯がうまい・斎森香耶(わたしの幸せな結婚)、敵っていうかボスっていうかなんていうか、フィロメラさん(魔法使いの嫁)、ライバルだったのに最後は最推しヒロイン・カトリナ・グリーベルさん(ワールドダイスター)。エトセトラエトセトラ。素敵なキャラばかりだが列挙形式で本当にごめんなさい。

 さて、こっからはベスト3選出候補に上がった者たち。まずは個別記事で取り上げることが多かった名前から見ていくと、その実力の8割は声によるもの、斎森美世さん(わたしの幸せな結婚)。美世の発する消えかけしゃまボイスの尊さと言ったらもう……生きるASMR。イカすアクションとぶっ壊れた常識が世界をひっくり返す地獄の小学生・寶月夜宵ちゃん(ダークギャザリング)。彼女が愛用してるヘンテコデザインの靴がすごく好きで、あのゴツさがアクションの良さに磨きをかけている。世界を打ち立てる圧倒的暴力・ローズさん(治癒魔法の間違った使い方)。ここまで真っ当な「師匠」ポジションキャラも久しぶりに見たが、ちゃんとデザイン面でも格好いいのよな。ラブコメ主人公はかくあるべし、岩倉美津未さん(スキップとローファー)。彼女の「田舎もんだから素直だけど、決して打算がないわけじゃない」っていう妙な生々しさというか、生きてる感はすごく不思議な味わい。そして刹那的な生き方が性に合ってるくせに何故かたびたび振り回される側、九月さん(フェ〜レンザイ)。彼女のもふもふ具合をじっくり楽しむ機会をください。

 サブキャラ扱いだと、出てくるだけでいちいち作品の毛色が変わる1人だけ迷惑系配信者みたいな存在、ラヴ&ピースさん(HIGH CARD)。ラブピさん単体で評価していいかどうかは議論の余地あり。無体な関西弁と空気を読めない適当な性格が憎めないのは幸田文さん(文豪ストレイドッグス)。あれだけの鉄火場で一番いい加減なやつが世界を救っちゃうのはもはやお約束か。元気系ヒロインで実は骨太なラブコメの中核、霧島宇多さん(柚木さんちの四兄弟。)。初々しく初恋とすら言えない初恋模様。マジで可愛かったよね〜。そして空気を読めない脳筋でも仕事はあるんやで、ゼニアさん(Lv1魔王とワンルーム勇者)。やる気のある無能が一番使えないとは申しますが、最終的に役に立ってるから文句は言えねぇな。

 最終選考まで残るラスボス候補は本当に破壊力が高い奴らが多いぞ。まずは作中最大の地雷にして元凶・時野谷美桜ちゃん(僕らの雨いろプロトコル)。そこまで行ってヨスガらないのはむしろ裏切りでは? 主人公のチートの単なる被害者・ミリセント・ブルーナイトさん(ひきこまり吸血姫の悶々)。最高の高慢ちきキャラだったのに、不思議と応援したくなったのは全部コマリが悪い。実は今回のエントリーの中で最強の可能性すらあるぞ、鳥栖歌仙さん(マイホームヒーロー)。専業主婦ってこんなに大変なんだなぁ……。いやいや最強キャラなら負けてはいない。人の心がない女・日南葵さん(弱キャラ友崎くん)。ゲーム脳を超えたこの概念、いったいなんと名前をつければいいのか。

 というわけでベスト3! に行きたいが最後の最後まで悩んだ「次点キャラ」が4名。まずは主人公だしラスボス、お前の成長は地球の希望、柊うてな/マジアベーゼ(魔法少女にあこがれて)! 君の活躍を、世界のみんなが固唾を飲んでパンツを下ろして見守っているぞ。普通に「主人公の成長」としてみたときにも輝かしいのがなんとも……。圧倒的ヒロイン力を振りかざし、やはりみんなが固唾を飲んで見守るしかなかった女・山田杏奈(僕の心のヤバイやつ)。関係性が固まってからの山田からの怒涛の攻め、普通の男ではひとたまりもないだろう。

 そして毎度お馴染み「弱くて辛い、みっともなさは愛おしさ」ヒロインから、江頭ミカさん(スキップとローファー)。こんなにあけすけに「嫌なやつ」であることを自覚しておきながら、それを自覚できる時点でめっちゃいいやつというアンビバレント。例年のランキングなら確実にベスト3入りだったと思います。そして弱さも強さもない混ぜにして、全てを流しきる冷血のドールマスター・豊川祥子/オブリビオニスIt’s MyGO!!!!!)。何故、神はあんなにもキラキラドキドキに満ちた世界に祥子を産み落としたのだろうか……。全ての闇を抱えて女子高生を切り刻んでいけ。忘却を恐るなかれ。

 ベスト3どうぞ!

 

 

 

第3位

’13 「サムライフラメンコ」より「真野まり」

’14 「デンキ街の本屋さん」より「先生」

’15 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より「ヘスティア」

’16 「響け!ユーフォニアム2」より「吉川優子」

‘17 「ヘボット!」より「ナグリ・ドツーキ女王」

‘18 「SSSS.GRIDMAN」より「新条アカネ」

’19 「バビロン」より「曲世愛」

‘20 「メジャーセカンド2」より「沢弥生」

‘21 「不滅のあなたへ」より「ハヤセ」

’22 「シャインポスト」より「青天国春」

’23「江戸前エルフ」より「エルダ(エルダリエ・イルマ・ファノメネル)」

 1人で作品を引っ張った「主人公」というか「ヒロイン」というか「諸悪の根源」というか……まぁ、「御神体」だな! やっぱ!

 エルダの魅力については毎回の感想で散々触れていたと思うので付け加えることはあんまりないのだが、正直エルフであることはあまり重要ではなかったのかも。いや、でも小糸も憧れちゃうルックスの良さは大事な要素だよなぁ。すらっとして最高のスタイルを持つ金髪美女のエルダ様。そんなズルい存在がいつも猫背で、節目がちで、日陰を選びながら蠢いている高耳神社。そりゃご利益なんてなくったって氏子は文句を言いませんよ。なんだかんだでちゃんと月島の人たちのことは考えてくれているし、決して悪いやつじゃないのは町のみんなも知ってるんだから。まぁ、いい加減なやつではあるかもしれないが……。

 とにかく「見ているだけで何かが満たされる」というエルダの特性。日常系アニメではこれ以上求められるものはないだろう。「ずっと変わらないものがある」ことへの安心感は作中でも語られている通り。僕らがアニメに求める安寧とは、エルダのことをいうのではなかろうか。

 あともちろん「あみっけありがとう」と書いておいてnext

 

 

第2位

’13 「戦姫絶唱シンフォギアG」より「雪音クリス」

’14 「selector spread WIXOSS」より「蒼井晶」

’15 「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」より「アンナ・錦ノ宮」

’16 「クズの本懐」より「皆川茜」

‘17 「メイドインアビス」より「不動卿 動かざるオーゼン」

‘18 「ポチッと発明 ピカちんキット」より「ギバさん(柳葉ヤバ美)」

’19 「グランベルム」より「アンナ・フーゴ」

’20 「アサルトリリィ BOUQUET」より「楓・J・ヌーベル」

21 「明日ちゃんのセーラー服」より「明日小路」

’22 「ぼっち・ざ・ろっく!」より「後藤ひとり」

’23Helck」より「ヴァミリオ」

 こちらも1人で作品を引っ張った、ある意味で「主人公」な長耳キャラである。彼女の場合は種族としてはエルフなのかどうかもよく分からなかったけど……そういう言及はなかったので多分この世界に「エルフ」と呼称される種族はいないんだろうな。まぁ、魔界の住人たちのあのフリーダムすぎる見た目を考えると、そうして「人種」にすら意味を持たせないくらいに自由な世界なんだと思うよ。

 そんな魔界に生まれ育ち、魔王を支えてきた苦労人の四天王ヴァミリオ。世界を揺るがす大混乱にも当然のように全力で振り回され、決意の勇者ヘルクのせいで面倒もストレスもマッハ。全方面にキレてツッコミを入れ続けなければならない修羅の道。これをまかり通れるのはマジでヴァミリオちゃんくらいのものであろう。

 ツッコミの適切さは間違いなくセンスであり才能だが、ギャーギャー喚くだけじゃなくて全てをどっしりと構えて観察し、適切な対応を取れるのは真の実力に裏打ちされているから。四天王の名に恥じないその強さがあればこそ、ヘルクという規格外の存在と対話し、相互理解を得ることができた。魔族とヘルクの関係が切れてしまったらそれこそ世界は終末へと一直線だったわけで、ギャーギャー文句を言いながらも世界を守るために一番重要な橋渡しを行えたのは彼女の器のデカさがあったおかげ。つまり、世界を作ったのがヴァミリオちゃんだったという結論。あとピウイと仲良くやれてるのも地味に偉いよな。あんなうるせえのに寝る時だけくっついてくるもわもわ、邪魔だろ。

 最後は「みかこしありがとう」と書いて次。

 

 

第1位

’13 「魔法少女まどか☆マギカ新編 叛逆の物語」より「暁美ほむら」

’14 「PSYCHO-PASS2」より「霜月美佳」

’15 「ガールズ&パンツァー劇場版」より「ドゥーチェ・アンチョビ(安斎千代美)」

’16 「この素晴らしい世界に祝福を!2」より「ダスティネス・フォード・ララティーナ」

‘17 「魔法使いの嫁」より「羽鳥智世」

‘18 「リズと青い鳥」より「傘木希美」

’19 「まちカドまぞく」より「シャミ子(シャドウミストレス優子)(吉田優子)」

’20 「戦翼のシグルドリーヴァ」より「六車・宮古」

21 「劇場版 少女歌劇レヴュースタァライト」より「大場なな」

’22 「このヒーラー、めんどくさい」より「カーラ」

’23「ラグナクリムゾン」より「翼の血主・アルテマティア」

 説明不要! もう、あたしゃ早く翼の血族になりたくてしょうがないんだよ! ティア様! あぁティア様!

 おもしれー女だよ。あと面倒な女だし怖い女だし狂った女。やっぱり毎年キチ○イを選出しないことには何も始まりませんからね。なんだろうなぁ、そりゃ毎年「ラスボス部門」から出てくるキャラは多いのだが、こんなにも「ラスボス」というポジションからはみ出して魅力を振り撒き続けたぶっ壊れは初めてだよ。強いのに弱い。酷いのに優しい。怖いけどチョロい。なんだこの女。こんな女で1年を締めくくれるの俺だけだっつーのww

 当然のように「うえしゃまありがとう」と書いて幕。

 

 




 

 

<声優部門>

 最後に控えし大仕事、声優部門である。声優ファンの皆さん、今年も幸せな1年でしたか? 私は幸せでした。

 とはいえ、やはり少し前から言及している通り、私も歳のせいで声優ラジオなんかをめっきり聞かなくなってしまったため、評価の基準は本当に「アニメでの活躍」オンリーになりつつある。まぁ、これはこれで真っ当なスタンスではあると思うのだが、なかなか声優個人での掘り下げまで手が回っていない現状にはご容赦願いたい。

 そして、毎年毎年おんなじ名前ばかりあげたくなってしまうマインドにもご容赦願いたい。そりゃな、1年ちょっとで勢力図がガラッと塗り替えられるなんてことはあるはずがないので、去年まで大活躍してた声優は今年だって大活躍しているに決まっている。そんな状況からでもなるべく新しい情報が掬えるように配慮したために、当部門では連続受賞を禁止しているのである。これも毎年書いているが、連続受賞OKだった場合はこの数年間は「種崎敦美」「上田麗奈」「花守ゆみり」ってコピペするだけで終わってしまうので。なお、今年もこれで足りた模様。いや、それにしたって一時期の種﨑ラッシュ・上田地獄・ゆみりサイクロンはマジで天下人の風格だよな。

 というわけで連続受賞は不可なのですが、受賞させていない限りは連続エントリーは可能。履歴を確認して「あれ、まだ受賞させてなかったっけ?」と驚愕する名前はまだまだストックがあり、例えば小原好美はまだここで選出されていない。確かシャミ子イヤーにシャミ子と被るから一旦外したんだっけ。同様の現象は大空直美あたりにも発生しており、そらそらに至っては「もう、毎年ここで名前をあげ続けるんだろうな……」と大変申し訳ない気持ちである。

 多少なりとも若手で新鮮な名前に目をやろうと努力すると、直近で思い切り目(耳)を引いたのはマジアベーゼ役の和泉風花。初主演でこんなどぎつい役ってんだから大変だったろうが、このチャンスにこれ以上ない形で爪痕を残していったのは役者根性の最大の発露。声のクセが最高の形でハマった幸せなお仕事でしたね。声のクセの強さで言えば根本京里もホップステップジャンプの「ステップ」あたりまで来てる感覚がある。元々インパクトのある声なら、1つ2つ記憶に残る仕事ができればあともう一歩だからね。真っ当なヒロイン枠だったらこちらもいい役をもらっているぞ、佳原萌枝。なんというか、「活かしどころがイメージしやすい」声なので今後の伸びが楽しみ。そしてまさしく単発仕事でスコーンと飛距離を出せたのは「インソムニア」の曲役、田村好。焦らずじっくりゆっくり育ててほしいタイプの若手。名前繋がりで引き続き注目しているのは稲垣好。ちなみにどうでもいい情報ですが、何故か私はこの子らの名前を読むときに無意識に「たむらハオ」「いながきハオ」と呼んでしまいます。なんでだよ。

 少しずつキャリアを上げていきましょう。年齢だけで考えたら文句なしの若手なのに不思議とキャリアの蓄積が知られる若年寄り軍団、まずはオブリビオニスで新たな次元の扉を開けた高尾奏音。元々「子供の割に頑張ってるがそこまで印象に残らない子」っていう分類にしてたんだけど……まー、生でキーボードプレイを見ちゃうとなぁ。子役上がりのクセの強さが少しずつこなれて味わいにまで昇華してきた印象があるのは若山詩音。こういう武器があると今後の強みになるのは先人たちの示すところ。ちなみに全く同じ箱には宮本侑芽も入っている。「同じユニバースに入っている」と言った方がいいんでしょうかね。正直、初期から知ってると彼女の立ち位置の見事さは涙が出そうなくらいに感慨深い。ちなみにこの部門のオチとして子役上がり最強賞は白石晴香にお送りします。結果的に、彼女の声の幅の広さは私が一番好きなタイプの役者になりつつある。彼女のクレイジーを堪能したい人は今からでも遅くないから「HIGH CARD」を観よう。えっ、子役上がり部門のくせに何故諸星すみれちゃんがいないのかって? そりゃもう、名誉枠だから。世界は劇団ひまわりを中心に構築されたということがよくわかるラインナップでございました。

 次に放り込む箱は、まず上田瞳から始まる流れ。去年までは「ゴルシの中の人」くらいの認識しかなかったんだけど、今年度は結構いろんなところで声を認識することが多く、方向性もまっすぐで聞きやすいので好印象。デビュー後から期待通りの伸び方を見せてくれているのは松岡美里。いや、まさかこの歳でここまで急に出てくるとは思ってなかったけど。そしてフィロメラ役で新たな扉を開けることに成功したのは河瀬茉希。元から小器用な印象はあったが、やっぱり身が入る役というか、情念が込めやすいタイプのキャラだと聞き応えがグッと変わってくる。そしてもはや単独でお家芸、大地葉。こう、1人傍に置いとくだけで安定感が段違いなのは、周りの役者さんにとってもありがたいだろうな。以上、「ショタもやれるぜナイス低音部門」でした。

 「ずっといるけど、突如として脚光を浴びた中堅以上枠」という特別部門では今年は小清水亜美の活躍が目立った。そりゃあみっけが目立つのは当たり前なのだが、こうして長年応援し続けている対象が「歳に合わせて見事な仕事ぶりを後輩に見せつけている」様子はとても嬉しい。あと、この枠に置くにはちょっと早いかもしれないが潘めぐみがその強みを着実に固めている様子も興味深く見守らせてもらっている。今年の仕事だと有馬かなを挙げる人が多かろうが、個人的には「僕ヤバ」の関根とか、「贄姫」のアミトとか、どこまでもコミカルに徹しながらも心根の部分に強さとか優しさを滲ませる声が好き。当たり前だけど、母親の持つイメージとは全然違うのが面白い。

 カテゴリ分けが難しいけど単にいいお仕事が印象に残ったのは、例えば川井田夏海。これまでの地道な下積みがそろそろ結実して美味しく収穫できる時期。やっぱこのくらいの時期の役者が見ていて一番楽しい。割と近い枠に入っている印象があるのは高田憂希。そりゃ我々からしたら「小糸侑の中の人」ってんで何年も前にボディブローを叩き込まれてはいるのだが、今年度でいえば「もののがたり」「戦国妖狐」あたりの「世界にじわっと根付く主人公」像が強い。「じわっと」というなら本当にじわじわその版図を拡大している印象があるのは下地紫野。個人的には、どんな爆発物でも柔軟に処理してしまえる強かさを持った役者だと勝手に思っとる。あとは放っておいても今後はさらに前に出てくるだろう若手枠に永瀬アンナ山根綺あたりがいる。どっちも「素直な若手」なんだけど、やっぱり不思議と「あれ、今の声いいな」って思える独特の「ひっかかり」みたいなものを持ってる子達なのよね。とか強引にまとめたら、この2人で年齢が10近く違うのかよ。永瀬アンナがまだ18という情報をたった今知りました。末恐ろしい。

 さて、ここからは最終選考組。悩みに悩んで泣く泣く外したが、結果を見れば今年度はラインナップがとんでもないことになってしまったので申し訳ない。どーせ来年度以降に受賞機会があるだろうから一旦飲み込もう。まずは「劇団ひまわり最後の1人」、石川由依。去年あたりにも書いたかもしれないけど、こうしてデビュー直後に「なんやこの下手なの!」って悪口言ってた役者が、いつの間にか一枚看板になってる現象は勝手ながら好きなんですよね。無責任にもほどがあるけどね。いいじゃん、この変化の体感こそが、長いスパンで声優業界を後方腕組み観察してるおじさんの特権よ。しかし、彼女が作り上げた「デキる猫」のあの雰囲気がマジで最高だったわ……。

 対してこちらはデビュー後から結構いい仕事を見せていたが、この2年ほどで完全に「イズム」を確立させた役者、千本木彩花。確か去年も「転生王女」きっかけで選出しようかどうか最後まで悩んだはずだが、今年もマルシルがあり、さらに「天国大魔境」のキルコありで、ほんとに「千本木だから出せる空気」が印象深いキャラがたくさんいた。例年なら確実に受賞対象。

 残る3人は「いや、どう考えても今年選出するだろ」と思われるだろうラインナップで、まずはみんな大好き長谷川育美。キタちゃん旋風の興奮さめやらぬ中、これでもかこれでもかと貪欲に実績を重ねていきますよ。多分、一番図太く業界で力を蓄えてのし上がっていくのはこういうタイプの役者。ニュアンスはちょっと違うが「日笠タイプ」と言えるかもしれん。今期は原点回帰したみみみの声がまた良くてねぇ……。

 一転、図太く残るとかじゃない、ワンパンチが致命傷、長縄まりあ。この手の声が個性的すぎる役者、いわゆる「久野ちゃん路線」(何が「いわゆる」かは知らんが)は他者との差ばかりが際立つので評価軸を定めるのが難しいのだが、今期は間違いなく「長縄流」が確立し、あまねく世に知らしめられた記念すべき1年になった。なったんだけど……とりあえずこの案件はプリキュアが終わるまで持ち帰りってことでいいですか?

 そして当然、誰しもが「今年を代表する声優」と言われたら選ばざるを得ないだろう存在が羊宮妃那であろう。そりゃもう私とてやぶさかじゃないのですが……まだだ、まだ堪えるんだ……この子にはもう1段2段先がある……。なんか、ゴンを見守るヒソカみたいな心境で声優を見てないか?

 というわけで、議論百出のベスト3だ!

 

 

第3位

‘13「種田梨沙」 ’14「大久保瑠美」 ‘15「小澤亜李」 

‘16「水瀬いのり」 ‘17「黒沢ともよ」 ‘18「久野美咲」 

‘19「市ノ瀬加那」 ’20「赤尾ひかる」 21「古賀葵」

’22「加隈亜衣」

’23「和氣あず未」

 「いつ選んでもよかったやんけ!」枠その1。和氣ちゃんはなぁ、本当になぁ。

 スタンスとしては、奇しくも去年ここで選出した加隈亜衣に近い存在かもしれない。気づいたらそこにいるし、別段押し付けの強い声というわけでもないのに、確実にそこに馴染んで、いてくれるととても安心する。癒し系ボイスの枠にあるのも共通した特徴だろう。和氣ちゃんの場合は、より「正統派ヒロイン」に近いというか、ともすると意識の間からするりと抜けてしまいそうな自然さが最大の武器と言えるかもしれない。デビュー後まもない頃からスペシャルウィークやギャル子ちゃんと言った元気系もこなしつつ、ロリ、オタク、トンチキとなんでもござれの和氣ちゃん劇場。ヒロイン度数の高さ故にまさに「いつでも選べる」無限エントリー枠だったわけだが、今年ここに選出するに至ったのは(結婚のご祝儀でないとすれば)私の大好き基準の重要な1点、「クソムカつく悪役」枠をついに獲得したことによる。

 常々(上田麗奈礼賛時に)語ってることだが、どうしても声優が楽しく見えるのは「ぶっ飛んだギャグキャラ」や「とんでもねぇ悪役」と言った現実離れした役が多い。和氣ちゃんの場合「かのかの」の渚など、かっ飛んだギャグキャラはすでに履修済み。ただ、声質の問題もあってなかなか「純粋に悪いやつ」をやる機会に恵まれなかった。そんな状況で、「いい人の声、正ヒロインボイスなのに悪役も兼ねる」という斜め上の配役でまさかの願いが叶ったのが「はめつのおうこく」でのキャスティング。アニメは途中で切れてしまっているので実は私も真相がよく分かってないのだが、真っ直ぐメインヒロインのドロカと、史上最悪最凶の魔女が和氣ちゃんの兼ね役。同じ声なのに物語の陰陽の2極が和氣あず未。こんな地獄のパラダイスを構築できるくらいの業界の信頼を獲得している「和氣ボイス」というブランドに、今年はいよいよ値札をつける時だと思ったわけだ。こうした配役が可能になっているのは、やはり通底する声のブランドが盤石のものになっているおかげ。不動の地位を確立した「静かな怪物」。そんなイメージなわけですよ。こういう生き様を見せる「中堅」が立ちはだかると、後輩たちも大変だろうなぁ……。

 

 

 

第2位

‘13「佐倉綾音」 ’14「M・A・O」 ‘15「安済知佳」 

‘16「小松未可子」 ‘17「上田麗奈」 ‘18「種﨑敦美」 

‘19「富田美憂」 20「藤原夏海」 21「田中美海」

’22「鈴代紗弓」

’23「高橋李依」

 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。林修に「今じゃないでしょ」って怒られそうな選出で本当にごめんなさい。でも、今を逃したらもう、あとは広大な海に流れ着いてしまって二度と取り戻せないような気がしてしまって……。

 というかさ、過去の履歴を確認して自分で「りえりーまだいなかったっけ!?」って二度見したからね。当然何年も前に選出してると思ったら選んでなかったし、選んでないとしたら、今年選ぶのが一番良くない? いや、去年でも一昨年でも全く問題なかったけども。まぁ、星野アイ票だと思えばいいんじゃないでしょうか。

 もちろんそれ以外にも「高橋李依の受賞理由」はいくらでも思いつくだろう。個人的には復刻版のるろ剣で大役である薫をいい具合にこなしているのも高評価だし、「このすば」シリーズからめぐみんが主役のスピンオフが放送されたのだって今年だ。他の要素で色々と物議は醸したが、「スナックバス江」で1人必死に頑張ってくれていたにも記憶に新しいところ。それでも「今じゃないでしょ」と言われてしまいそうなのは、高橋李依という存在が業界内であまりにも当たり前のようにそこにいるからに他ならない。そういう意味では上の和氣ちゃんと近いところもあるのかもしれないが……でも、なんでだろうね。りえりーの方がやっぱり「主役感」というか、「その声だからそこに呼ばれてる感」が強く出る気がするのよね。

 しいて今年選ばれたもう1つの要素をあげるとするなら、そうして今までに蓄えたただでさえ広い芸幅に加え、「異修羅」のニヒロ、「地獄楽」の杠など、「なんかエロい役」が立て続けに出てきたこと。だってあんまり今までりえりーボイスにエロさって求められてなかったじゃん(何ででしょうね?)。また1つ、その辺でステージが変わった感じがあったのよね。

 まほプリ2、楽しみですよね。

 

 

第1位

‘13「内山夕実」 ’14「早見沙織」 ‘15「山本希望」 

‘16「日笠陽子」 ‘17「井澤詩織」 ‘18「本渡楓」 

‘19「鬼頭明里」 ’20「花守ゆみり」 21「ファイールズあい」

’22「石見舞菜香」

’23「楠木ともり」

 みなさんの中で、この子についてはどう思ってますか? 「今でしょ」ですか? 「今じゃないでしょ」ですか? 「今更でしょ?」ですか? 僕は、今でしょ。

 もちろん、何かと注目作も多い役者なのでデビュー後間も無くして話題になった子。私の中でのスタート地点は「ガンゲイルオンライン」だったけど、そういや今年続編の放送も決まっている。またレンちゃんに会えるのが楽しみではある。そこから印象深い仕事としては「デカダンス」の主人公・ナツメ役で見事に作品を支え、同年に虹ヶ咲がスタート。残念ながらこちらのお仕事は今は昔だが、アイドル路線での売り込みにも成功したし、ラブライブ史上最も大胆な二面性ヒロインでその評価を不動のものに。そこから考えると、3〜4年前にはすでにここで選出される権利を持っていたと言えるだろう。

 では何故、それが今年結実と判断したかというと、最大要因は多分「スパイ教室」のアネットだったと思う。上で書いた通り、かっ飛んだ役ってのは評価がしやすくなる傾向にあり、アネットはそりゃもうかっ飛んでた。しかも完全アニメキャラ、完全アニメ声のキャラクターで、現実味の欠片もないキャラクターを、ものの見事に自分の声に「取り込んで」表出させている。アネットの役作りが破綻なく成立した時点で、私の中でともりるのステージが一気に上がった。そしてそこから立て続けに「ゾン100」の閑、「ひきこまり」のコマリ様と繋がり、ラストは「豚レバ」のジェスでフィニッシュ。これだけ見事に上下に揺さぶられたら、そりゃ声優ファンはKOされてしまうだろう。

 たまたま今年そういう役が重なったというのもあるかもしれないが、ともりるボイスの最大の特徴は余計なまでの高音になった時のキンキンした引っ掛かり。多分100%純然たる「綺麗な声」ではない部分があると思っているのだが、この高音時の「きしり」みたいな部分にむしろ特徴がある。勢い任せでしゃべることが多いコマリ様みたいな役だとここは息の量の多さで紛れる、というか聞きやすいボリュームに調整されるのだが、これがジェスみたいな声の細い役になるとやたら耳が向くようになり、私みたいな人間は、そこにオリジナルの、レディメイドじゃない良さを感じ取ってしまう。そしてそんな独特な風合いを一番キャラの特性に落とし込めていたのが、トンチキスパイ娘のアネットだったわけである。

 まー、余計な言葉を使わずとも間違いなく「うまい」子なので、放っておていも今後の躍進は止まることはないだろう。何かしら歴史に残る偉業を成し遂げたその時には、みんなで「メルヘンメドヘン」の一挙上映会でもやろうじゃないか(嫌です)。

 

 

 

 

 

 

目標だった「文字数削減」ですが、昨年がざっくり4万字、今年は4万3000字で微増。まぁ、これくらいなら誤差の範囲内やな(目標とは?)。

 

今年も、良きアニメに巡り会えますように。

 

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