最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「デリコズ・ナーサリー」 6→6 最終回シーズンにはちと早いが、一足お先に最終回。ほぼ2クールの尺をたっぷり使って1クール13話分を放送するという、やたらゆとりのある放送枠であった。 色々とゴツい作品でしたね。間に休憩期間を挟んでしまったせいで私の悪い癖が出て最後まで集中力を維持しきれず、ちょっと視聴がなおざりになった部分があったのだが、トータルで決して悪い作品ではなかった。むしろ頑張ってる。いろんなところに刺激があり、この先の展開を気にさせてくれるだけの内容にはなっていたんじゃなかろうか。 先にマイナス印象だった部分から書いていくと、全体的な世界観については結局最後までついていけない部分があった。「ついていけない」というよりは「全容が飲み込めない」といった方が正しいのかな。代表的なところではイニシアチブの設定あたりが「そんなん、もうなんでもありやんけ」と思ってしまってディティールに理解が及ばなかったし、最後まで言及されてるのかされてないのか微妙な扱いだったトランプの存在にしても、ふわふわしたまま話が進むので敵味方双方のモチベーションが最後まで確定せず、「およそ空気を読んでそういうことだと思えってことなんだろう」とあたりをつける必要があった。全体的な物語像というか、今回扱われた事件像についても消化しきれない部分はいくらかあり、最終的にはトランプという妄執に囚われたジュラスさんが一番残念なとこ引いちゃったもんで大ごとになったよね、という話になり、最後にいい話風にまとめられてはいたが、ペンデュラム側の結末としてこれでよかったのか悪かったのか、その辺りも飲み込みづらい要素はちょこちょこあった気がする。放送が伸びてしまって先送りされた分、そうした印象が強くなったという要素もあるだろう。 ただ、そうして目をつぶってしまった部分はあるが、多分全ての原因はこのアニメが壮大な大河ドラマの一部分を切り取ったものにすぎないという、作品の出自そのものにあるのだろう。今回の話だけで全てが丸く収まるわけじゃなし、設定にしても他のシリーズ作品と繋ぎ合わせて意味を持たせる必要があるので、今回アニメとして現れたピースだけに全てを付与するわけにもいかなかった。その辺は、「世界観が気になったら他の作品にも触れてみてね!」という多少意地悪な販促戦略だったとするなら効果は抜群である。 また、余計なところまで想像を膨らませたせいで消化不良気味になったとはいえ、一応1クールのアニメとしての起承転結は成立している。この「一応の決着」を良しとするかどうかは意見の分かれるところだが、「不完全じゃないか」という不満はお門違いだというのも理解はしているつもりだ。 そうして諸々の事情を飲み込んだ上でよかった点を拾っていくと、まず「ナーサリー」というテーマ設定そのものが非常に面白い。ドラマを作る上で「幼児」の扱いって難しいんですよ。この話は以前もどっかで触れた気がするんだけど、個人的にはわたしゃ「幼児」が出てくるお話はあまり得意じゃない。別に子供が嫌いというわけではなく、幼児って生き物はまだ「理屈か通じない動物」の側面を持ちながらも間違いなく「人」でもあるので、理知的なドラマ構造に組み込むのが大変なのだ。あまりに動物らしくしてしまうと人格が剥奪されて単なる舞台装置に堕してしまうし、だからとてしっかりとした人間として描いたら「そんなガキおらんやろ。作り手側の意識が子供に宿りすぎや」と冷めた目で見てしまう。どっちにしろ、「真に迫った幼児像」を作るのは大変なのだ。いわんや「大量の幼児」をや、である。 しかし、今作はあえてそこにメスを入れて「ナーサリー」という設定に踏み込んだ。幼児どうしが絡み、その人間模様も吸血鬼絵巻に取り込んだ。幼児の量が増えたおかげで「動物的な側面」と「理知的な側面」が個に付与されず群に埋もれることになり角が立ちにくくなったというのが個人的な印象で、例えば一番理知的な要素は幼児の中でもテオドールあたりに付与されていたと思うのだが、彼も彼で最年長のポジションに苦しみ、ひたすら理屈で環境をコントロールしようと試みたが、結局は幼児なのでダメなものはダメ。理不尽な大人の世界に打ち負かされもするし、子供らしい駄々をこねて解決する問題もある。他の幼児たちも「1人1人の理屈」は抱えつつ、それが前に出過ぎずに「ナーサリー」という大きなフィールドに投げ込まれ、うまい具合に「幼児性」にまとめられ、匂い立たないように処理されている。この辺りの描き方は面白いと思った。 こうして「人格が確立しない」幼児期に迫るという描き方はそもそものドラマとして前例も少ないし、それが吸血鬼バトルものと絡むとなればなおのこと無軌道なものになりそうなものだが、「血」の物語という一本の筋を引くことでトンチキなファンタジー設定が普遍的な家族のドラマにまで引き込まれる構造はちゃんとゴールを見据えて狙っていないと生み出せなかったものだろう。正直、このクオリティの脚本で線が引けるなら、同プロジェクトの他作品も面白いんじゃないかという気がしている。どうでしょうね。 あとはまぁ、アニメとしての画面の統制。今作の徹底したガジェットの描き込みはCG技術もふんだんに使われているのだろうが、こういうのって「いっぺん画面のデザイン作ればあとはCGをいじるだけなので意外と楽」なのか、それとも「全部のシーンでとにかく画面構造を成立させるために調整しまくるからめっちゃ手間」なのか、どっちなんでしょうね。後者だとしたら本当にお疲れ様。効果は充分に出ており、毎回毎回目が痛くなりそうな細やかな描画は楽しませてもらいました。多分アニメ化にあたって、この雰囲気作りだけは絶対に曲げられない要素として守ってくれてたんだろうな。だからこんな不思議なスケジュールになったのかどうかはわかりません。 最後に中の人の話。今作は色々と贅沢なキャスト起用が多かったので取り上げたい要素も多いのだが、あえて1点だけ上げるならやっぱテオドールですね。最初は「ショタ役にちかぺなんやなぁ」と思ってぼんやり見てたんだけど、「ショタ役」ってだけで終わるはずもなかった。毎回出てくるいろんなちかぺ、楽しかったです。 PR ![]() ![]() |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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