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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 まるでバンドアニメみたいだな、第10話。これまで何度も見届けてきた、バンドリアニメの真骨頂であるライブシーン。しかしその意味すらも、この作品は捻じ曲げてくる。仮面はまだ、剥がれない。

 オープニングもエンディングもカットし、CMが入るのが冒頭5分時点と、とにかく特殊編成でこれでもかとライブシーンに全力を注ぐ。これまで散々「どこがライブアニメだ」とか「ライブシーンが全然ないじゃないか」とか言われていた今作だが、満を辞して繰り出された新曲2曲と、それに付随する渾身のライブシーン。見事な演出とサンジゲンの真骨頂であるダイナミックな見せ方。本来であれば、「ラストに持ってくるライブシーン」は禊ぎの存在であるはずだ。過去のバンドストーリーは、必ず最後の演奏シーンが救いとなっていた。RoseliaSong I amRASBeautiful BirthdayMyGOの詩超絆、そしてCRYCHICの春日影。事を成し、バンドを繋ぐのがライブシーンであるべきで、そこに相応しい言葉は「大団円」以外にない。そりゃそうだ。「みんな同じステージの上で音を合わせる」なんて、こんなわかりやすくて安直な「関係性」の描写はないのだし、バンドリプロジェクト自体、そうしたものを描くための「バンドメディア」なのである。ライブの新曲は、最大限の「ハレ」の表現であるはずだ。

 しかし今作は違った。話数にしてまだ10話目。そして木っ端微塵に砕かれたAve Mujicaというバンドの再生が、たかだか1話2話でできるはずもない。あくまでも「道半ば」でのライブシーン。「何も繋がっていない」ライブシーンだったのだ。

 とはいえ、もちろん今回の「再生」のために全力で頑張った人間はいる。今回も問答無用でMVPを持っていく最大の功労者は祐天寺若麦。誰もが後ろ向きな動機でMujicaという存在に縋り付く中、唯一正面を向き、前に進むためのMujicaを選択することができたのがにゃむである。まだ自分が一番輝ける場所かどうかは分からないが、追い詰められた彼女にとって、もはや「勝つための」場所はここしかない。おまけに「怪物」若葉睦の体たらくまで見せられて、失望のままに終わるわけにもいかない。幼稚で半端なモーティスなんかじゃなく、なんとかして「若葉睦」を引きずり出し、向き合わなきゃ行けない。見届けなきゃいけない。見せつけてやらなきゃいけない。そのために彼女は、Mujicaの再始動を決意する。やっていることは八幡と同じはずなのだが、2人の明確な差は社会経験と、人の心を理解する真っ直ぐな性根。RiNGでの顛末を見届けた結果、にゃむは最短でステージを再建するルートを突き進むことになる。

 熱意は人一倍だったが空回りを続けた女、八幡海鈴。こいつについてはまだ何一つ問題が解決していない。モーティスという駄々っ子問題児もMujicaの抱えた難題ではあるが、ぶっちゃけ精神的な幼さでいえば海鈴も似たり寄ったり。モノマネ機械のモーティス同様、彼女だって少ない手札だけで精一杯虚勢を張っていただけなのだ。彼女が最優先していたのは誰でもない、椎名立希という「信頼できる」友人(知り合いか)の言葉。ただ一言「信用」という言葉がひっかかっていた海鈴は彼女なりのやり方でMujicaメンバーの信用を勝ち取ろうと必死になっていたが、その行動は祥子にもにゃむにもほとんど響いちゃいない。とんちんかんな空回りを修正してくれたのは、ここでもやはり立希。「信頼を取り戻すためには」という道徳の授業を、1から始める他ないのである。釈然としていなかった海鈴が最終的にはいうことを聞いちゃうくらいには、立希は信頼されている。

 おかげでモーティスのお守りをなんとかこなしていた海鈴(そよママに全部任せたいところだが)。彼女の思惑とは全然関係ないところであれよあれよと進んだMujica再生計画にウッキウキのご様子だったが、彼女はおそらく「お前の努力が身を結んだわけじゃない」ことや「ここにあるのはまだお前の望む居場所としてのMujicaではない」ことにも全然気づいていない。八幡海鈴が本当に「信用」を知るまでには、もう一山、大きな荒療治が必要となるだろう。

 とはいえ、形の上では達成されたMujicaの再生。上述の通りににゃむの功績が大きいが、にゃむがとった手段は「情に訴えるのではなく理で詰める」という彼女らしい方法だった。端的に言えば「お前が始めた物語だろうが」であり、こんだけとんでもない状況に巻き込んじゃったメンバー5人に対しての責任を取れ、と祥子に要求しただけ。そして、この路線で詰められると祥子には思い当たる節があるあるある、ありまくる。よりによってあの日のそよさんまでフラッシュバックした日には、自分がやらかしてきた大きすぎる前科に押し潰されかねないくらいだ。祥子は不器用な子で、そして責任感も人一倍大きい。「責任取れ」と言われたら、そりゃ形だけでも返礼は考えねばならぬ。168億の負債を抱えた親父と同じにならないためにも、貸し借り無しで対等に世間と渡りあわねばならないのだから。

 幸いにして、モーティスと祥子の間での利害関係は今のところは一致。前回触れた通りに「互いに幸せになれるMujica」ならこの2人が共存する可能性は存在している。海鈴の調教の副産物であるエアギターは祥子が望むものではないが、再生Mujicaは祥子の箱庭ではなく、ただのハリボテである。そこに放り込むモーティスがエアだろうがなんだろうが別に構わないのだ。そう言われてしまえば、モーティスだって頑張れる範疇の提案。睦を「殺した」罪悪感もあって、駄々っ子モーちんも首を縦に振るしかなかったのだ。ちなみに祥子は今回睦に対して1度たりとも「モーティス」とは呼びかけず、ずっと「睦」と呼んでいる。彼女の中で、一緒にステージに立つ人間は若葉睦をおいて他にないのだから。

 こうして再生したAve Mujica 2nd(仮)。浮かれているのは「元鞘です!」と表面だけ見ている海鈴だけ。そして再チャレンジの機会を得たにゃむも、一応スタートラインには立てた。正直に自分と向き合った彼女はついに「アモーリス(愛)」の自認が。彼女は「怪物」に目を奪われ、魂をも奪われた。しかしそれは決してネガティブなことばかりではない。毎週書いていることだが、「圧倒的才能への羨望」はバンドリ世界線では最大級の動機である。紆余曲折を経て、アモーリスはようやく白鷺千聖の、青葉モカの、氷川紗夜のステージまで上がってきた。及ばぬ自分を認め、眩しい他者を受け入れる。そこから始まる戦いだ。「愛を恐れない」、アモーリスはここに確かに立っている。

 ドラムは自分なりに上を目指す。ベースは浮かれ気味で確かなラインを刻む。キーボードは義務感に駆られて粛々と音を綴る。未だチグハグなバンドの中で、ギターが歌を生み出し始める。まぁ、そう簡単に睦が消えるなんて誰も思っちゃいませんて。結局は「睦が悲しまないMujica」はそこまで見つけるのは難しくなかったってことだ。フェーダーを上げる1カットで「キャラクターの復活」を示す演出、ここでしか出来ない心憎い見せ方である。ギターが歌を歌い始めれば、若葉睦にもいつか救いの手は差し伸べられるだろう。

 しかし。

 仮面はまだ剥がれていない。八幡海鈴以上に都合のいい表面だけを享受し続ける女。三角初華。さぁ、ようやく彼女が断頭台へと登るのか。冷静に考えて、初華に対する祥子の態度はあまりにも冷たすぎる。そりゃ祥子の立場も苦しいところは多々あったが、当時あれだけ世話になっていた初華に対して、あまりにも対応が塩すぎていた。今回だって「流石にそれはないんじゃ」と思えるような態度だったわけだが……どうやら、祥子は何かに気づいていたようである。ライブ中も一度たりとも目を合わせなかった、三角初華という存在に。豊川邸への来訪時にも何やら含みのある入り方をした初華に。

 初華、お前の罪を数えろ。

 
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