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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 潘ちゃん。この子は潘ちゃんという他はない。「その呼び方だと母親の方と紛らわしいだろォ!」とかは……誰も思うまい。流石に潘恵子の方をちゃん付けで呼ぼうとは思わないわけでね。というわけで、今回のお話は「二世声優」です。

 

 




・馴れ初め

 当然のようにここに名前がエントリーされた潘めぐみだが、実は彼女については少々複雑な思いがあった。まずもって出会いは当然「HUNTER×HUNTER」に違いない。いきなり超人気作のキャストに大抜擢された無名(?)の新人声優。その正体があの潘恵子の娘さんだってんでちょいと話題になり、なんとアニメ第1話ではゴンの事実上の母親役のミトさんを実母が務め、大々的にこの「二世」のデビューを飾ったのである。なんとも珍しいデビューであるが……。

 さて、このデビューについて、いい印象を抱いた人はどれくらいいただろうか? ぶっちゃけ演技については「まー普通」くらいだったと思うが、よりによってゴンというキャラクター自体もリメイク作品なもんだから事実上の「二世」。何もかもが「後釜」づくしのこのデビュー、正直に白状すると、私はあまりいい印象を持っていなかった。なんでそんな話題の作り方をするのかと。一番端的な表現では「親の七光り」じゃないかと。そんな感情を抱いてしまったのである。ただ、少なからず私と似たような感覚を持ってしまった人はいたんじゃないかと信じている。人間ってのは、余計な知識があるとかえってバイアスがかかってしまうものだ。

 「七光」というこの言葉、本人からしたらたまったものじゃないだろう。親の人生は親の人生、自分の人生とは全く関係ないのに、周りは勝手に自分の背後に親の幻影を見る。親が大人物であればあるほどにその影は大きくなり、時代を彩った声優・潘恵子の影はそこそこに重たかったはず。かくいう私もそこまで世代じゃないとはいえ、聖闘士星矢の大ファンということで少なからず潘恵子の影響はあった。そのお子さんが「娘」という肩書きを背負った状態で登場し、いきなりの主役ってのはどうしたって色眼鏡で見てしまう。

 そして厄介なのは、この色眼鏡が本人の努力だけではなかなか外れなかったところ。私も最低限の自制はあったのでブログ上ではあんまり書いてないけど、「コネとかあるんじゃないのぉ?」みたいな気持ちがゼロだったと言えば嘘になる気がしている。まだ若い潘ちゃんにそうした余計な風評をひっくり返すパワーを求めるのは無理な要求だし、オタクを見返す手段なんてないわけですよ。そうして「謂れのない」二世の看板を背負わされた潘ちゃんは……

 別にめげなかった。そうなんですよ。親は親、うちはうち。当たり前のことに何を気遣う必要があろうか。ただ自分の人生の中、与えられた仕事をこなしていけばいい。そうして仕事が重なれば、自ずと芸は磨かれ、ひねくれたオーディエンスを見返す機会も増えてくる。私がはっきり「この子、ちゃんと上手い役者なんだ」と認識できたのはデビューから5年後、「ニンニンジャー」で立派にラスボスを務め上げたタイミング。それ以降はもう、彼女のオリジナルの仕事ぶりを忌憚なく評価できるようになった。でもまぁ、この4〜5年の感情は、自分がまだまだ正面からものを見られない人間なのだという反省を促す期間でもあったわけで。二世の皆さんは、他にはない苦労がたくさんあるとは思います。是非ともそれを乗り越えて、立派な「自分の光」を発揮してほしいものです。井上喜久子二世、子安二世などなど、今後も声優業界は二世が盛り上げていきますよ。(野島家なんて三世代目に突入してるらしいしな)

 

 

・良きところ

 相変わらず自分語りの反省文になってしまったが、せっかくなのでこの項でも「二世」に関わる話を出してみるが……二世声優ってさ、意外と親と声は似てないよね。いや、意外じゃないのか? 兄弟とか姉妹は声が似ることが多くて、実際、私は実兄がいるんだけど幼い頃は電話口なんかでよく間違えられた。声優業界だとあんまりサンプルがないけど、最近だと花井美春・鈴木愛奈姉妹とか、あと寺川姉妹(愛美/千春)とかが分かりやすいですかね(双子は流石に別枠ね)。男性だと……野島兄弟はあんまり似てないんだよな。

 親子となるとそれこそサンプルは限られるが、個人的には一番近くて大塚周夫/明夫親子とかかなぁ。でもこれも明夫の方が積極的に父親に似せに行った時にトレースできてるって感覚だから、通常時はやっぱり違うし、上述の喜久子おねーちゃんとほの花ちゃんとか、子安Jrとか、あんまり似てる気はしない。そして、それはこの潘母娘でも同様で、独特の幽玄さを持つ潘恵子のあの声を期待してると、娘さんのボイスは全然別のところから「ぬん!」と飛んでくるからびっくりしちゃうわけですよ。もしかしたら初期のひねた評価って「お母さんのあの綺麗な声とは全然違うな!」みたいなところからも出てきてるのかもしれませんね。

 しかし、違うことは悪ではなく、この業界ではむしろ個性は最大の武器。思えばプリキュアでヒメをやったあたりから、潘ちゃんの強みってちょっとヌケどころがあるようなぽやっとした味わいにあった気がする。冗談をちゃんと冗談にできるというか、日頃からどこか人の良さが滲み出るというか。それってあまり母親には求められてなかった要素だったので、新しい道を切り拓いた時のリターンもデカかったわけで。

 強いて母娘揃っての共通項を挙げるなら、ベースの部分でそこまで高音に突き抜けないところ。母親はその「淀み」みたいな要素をどこか捉えどころのない怪しさへと発展させていたが、娘さんの方はこれをちょっとやんちゃな少年的雰囲気に転化する。ゴン役で起用されたのはそのあたりの要素が大きいのだろうし、ショタ役が多く回ってきた時に「格好いい少年」じゃなくて「あどけなさの残る憎めない少年」になるのもその辺の要素だろう。すごく当たり前の、日常的な感覚に根差した実在感みたいなものを発揮できるのは、まるで母親の鏡写しのようでもある。

 こうして時代を跨いだ現象が観察できるというのも、息の長い声優オタクの特権なわけですよね。世代を超えてまでキモいとか言わないように。

 

 

 

・お勧めキャラ3選(今回は絞れそうですね)

 

・「ムシブギョー」より「蟲奉行」

 上述の通り、初期の潘ちゃんのお仕事ぶりについては色眼鏡状態であんまり評価できてなかったんですが、そんな中で「あれ?」って思ったのが確かこの役だったんですよ。作中では一応メインヒロインといえなくもない(?)立ち位置のこのキャラ、だいぶクセが強くて面白いと思った印象が。ただブログ内ではその痕跡は見つからなかったので後から作った捏造記憶かもしれない。

 

・「手裏剣戦隊ニンニンジャー」より「十六夜九衛門」

 そんな色眼鏡を外すきっかけとなったのがこちらの九衛門。特撮だからかえって気兼ねなく見られたってのはあるかもしれないんだけど、デフォとなるショタっぽい発声から、終盤に向けてちょっとずつ見えてくる彼の真実をいい具合に潘ちゃんが怪演してみせた。やっぱ印象に残る役を1つズドンと見せてくれるだけで役者の見え方って変わるよね。

 

・「かみさまみならい ヒミツのここたま」より「ラキたま」

 マスコット的な可愛らしさ、アニメへの適応力がはっきり見えたのがこちらから。あの鼻にかかった独特の発声が味わいになった。こうしてみるとプリキュアだの戦隊だの、ほんとに子供向け作品のニーズが多かったんだな。

 

・「ブブキ・ブランキ」より「万流礼央子」

 なんと、早くもラスボス2作品目。いや、厳密にはこの人はラスボスではないんだけど。どうでもいいデータだが、この礼央子はアニメ二期ではオープニング歌唱も担当しており、芸達者な部分を見せてくれている。そして多分、史上最もタイトルが長いアニメオープニングとしてギネスに登録されている(されていない)。正式タイトルは「瓏たる純潔は『紅炎』の傀儡を疾らせ、暁天に燦めく証を刻む。」

 

・「リトルウィッチアカデミア」より「アツコ・カガリ」

 結局この辺りが真っ当に潘ちゃんのベースラインを規定する「お気楽元気系キャラ」ってことになるんでしょうかね。プリキュアのヒメからの純正進化系みたいな感じ。なんだろ、余計な嫌味さがないけど小憎らしさだけ出せるバランス感。

 

・「賭ケグルイ」より「等々喰定楽乃」

 逆にお堅い役にすると今度は冗談みたいな四角四面の性格になってがっつりハマるんだよなぁ。これは礼央子の流れかな。改めて、百喰分家筋のキャストの重さがとんでもない。

 

・「フルーツバスケット」より「草摩紅葉」

 フルバ二代目キャストシリーズ。こっちも「二世」といえば二世。先代が斎藤彩夏という時点でかなりの無茶振りだが、軽々と乗り越える自在のもみっち。

 

・「BNA ビー・エヌ・エー」より「ジャッキー」

 多分潘めぐみ史上でも一番の壊れキャラ。知らない人のために端的に説明するなら「キルラキルのおけるマコのポジション」というと分かりやすいんじゃなかろうか。

 

・「SHOW BY ROCK」シリーズより「ダル太夫」

 これもロッカーとしては外せない役どころ。太夫がリーダーを務める霧幻庵は他のメンバーが早見沙織/松井恵理子というとんでもないアイドル指数を弾き出す構成なのだが、この中で抜け抜けとリーダーを務め上げ、曲によってはボーカルまでやっちゃう。お師匠、ほんとお師匠。

 

・「【推しの子】」より「有馬かな」

 世間的にはやはり潘ちゃんといえばこの子が欠かせない存在だろう。なみいる最強ヒロイン勢の中でも決して埋もれぬその天才性と人間性。「3秒で泣ける」は案外中の人のことを言ってるのかもしれませんよ。

 

・「この恋で鼻血を止めて」より「モカ」

 直近の作品から。もはや潘ちゃん1人の手腕で成り立っていると言っても過言ではない作品。傍若無人なわがままOL・モカがなんでちゃんと可愛くなるんだろうね。現実で隣にいたら絶対迷惑なだけなのにね。

 

・「しかのこのこのここしたんたん」より「鹿乃子のこ」

 というわけで、現時点での潘めぐみヒストリーの一里塚は一旦鹿にしておきましょう。この不条理を容易く受け止められるのが潘ワールドなのですよ。人類でもっとも「ぬん」と言っている声優。そして人類でもっとも「ぬん」が似合う声優。今後もカオス増し増し。

 

 

 目指せ運命のMy deer.

 

 

・関連リンク集

新番チェック・HUNTER×HUNTER

○「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」

番組感想・手裏剣戦隊ニンニンジャー

番組感想・BNA

【推しの子】 第五話 「恋愛リアリティショー」

新番チェック・この恋で鼻血を止めて

 
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コメント
無題
ここでは取り上げられていませんが昨年のコナン映画で共演された山口勝平・山口茜もいますね。
【2025/06/04 11:59】 NAME[とみしの] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
そういやありましたね。これで父娘パターンのサンプルもあるとなると、残るは父娘パターンか。……叔父姪のパターンとかはあるけど。
【2025/06/04 22:13】


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