「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」 6→6
まずもって、「面白かったです」。ただ、このinterestingにはいろんな要素が絡んでまして……この中に「ガンダムおじさんたちを巻き込んでのあれこれ」も含まれているのでご注意を。
しょっぱなから「よく分かんねぇ」というスタンスを取ることを決めた私。面倒なので書いてなかったが、今更白状すると「シャリアブルって誰?」っていうとこから始めなきゃいけないくらいに知識はついていかず、やはり幼い頃のSDガンダムの知識だけではどうしようもないことは明白。作中で活かされた知識なんて「あ、ブラウブロだ! ……いや違うんかい」くらいなもんである。
そこで開き直って「よし、このガンダムについては完全に外様を決め込んで対岸から眺めていよう」と決めたおかげで一気に状況は楽に。余計なことを考えずに「むちゃくちゃやっとる」とケラケラ笑いながら見られる愉快なパーティー作品になった。こんな暴挙、そりゃカラーじゃなきゃ無理だわ。
壮大な同人誌を公式(?)が発信し始めたとなれば、もうアキバレンジャーみたいなもんじゃないですか。作品周りのメタ現象まで眺めてればさらに愉快な現象は広がっていき、ガンダムおじさんたちの悲喜こもごもがいろんなところで観測できる。積極的に情報を取りにいくことは戒めていたためにそこまでがっつり観測していたわけでもないのだが、Twitterのトレンドを見てるだけでも「あっ(察し)」なことは多く、真面目に取り組まなきゃいけないガンダムおじさんたちはさぞかし大変だったことだろう。
改めて、これはカラーだからこそ任された壮大な同人だ。勝手な想像の中では責任者たちが「既存のガンダム像をぶっ壊す作品を作っちゃってくださいよww(定型句)」「おかのした(完全理解)」みたいなコミュニケーションがあったんじゃねぇかとすら思ってる。今まで誰もが恐れ多くてさわれなかったところに平気で踏み込めるこの姿勢、なるほど「シン・ガンダム」はここにあったわけだ。思いついたならやってみりゃいい。しかもそれが天下の榎戸テイストを多分に含んだカラー謹製の高品質バトルアニメとして産み落とされるなら、私のスタンスからは特に不満はない。強いて言うなら「結局マチュってなんやってん」くらいなもんだが、全体像を見た後ではマチュだのニャアンだのシュウちゃんだのといった外付け要因って、単に「ガンダムぶっ壊し作業」に必要なツールだっただけであんまりその存在に重きを置かれてるわけじゃないもんな。なんなら視聴者と同じ視座になってヤジを飛ばす単なるガヤだった可能性すらある。
こうして私は「変なアニメだったなー」で満足してしまったが、1つ今作を見ながら考えたことがあるとするなら、「なんでガンダムおじさんたちはその熱量をその他の作品に向けてくれないんだろう」ということだろうか。いうて40年以上前に作られたコンテンツに対して、未だ異常な執着を見せる層がおり、これは決してリアタイ世代だけでなく、その後の若い世代にもなぜか伝播している。これだけブランドについてのこだわりが(良くも悪くも)強いコンテンツって、もはやアニメ媒体ではガンダムくらいしか残ってないんじゃなかろうか。個人的にはライダー・戦隊あたりの東映作品がギリ近いこだわりを発揮できるコンテンツである可能性はあると思うが、あれは毎年常に更新が行われるから、あんまり固着化せずに流れがはっきり読み取れる文化になっているのに対し、ガンダムって、局所的に発生してなんかを爆発させて去っていく台風みたいなコンテンツなのよね。同じくらいの熱量を新規タイトルにも向けてくれる層がもう少し増えてくれれば、日本のオリジナルアニメも新しい時代を作りやすくなると思うのだが……なんとももったいない話である。みんな、もっとアニメ観て(他人事)。
追伸:こないだ「100人名鑑」で「あんま似てない」と書いたんですが、久しぶりに新規音源で聴くことができた潘恵子の絶叫、今にして思えば割と娘さんに繋がるテイストがある気がしました。羊宮ララァの座を奪いにいく有馬かなの同人誌を楽しみに待っています。
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