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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  光秀オンステージ、第9話。いやぁ、流石にあそこで突然の熱唱は不覚にも笑ってしまった。よく聞くフレーズだけど何の曲なのかは知らなかったのでググったら、曲名「昭和ブルース」かよ。突っ込みどころが多すぎるわ。

 一つの時代の終わりを告げるには、あまりにも静かなエピソード。膨れあがった信長の権力はついに公家を飲み込むまでに至り、名品を自らの権力でかき集めることにより、織田家は「箔」を手に入れた。朝廷の後ろ盾を最大の武器とし、毛利を落とした後は九州を平定、そのまま明・大陸へと軍を進める信長の構想は、本当にそれをなしえてしまうだけのバックボーンが作り上げられていた。

 彼にとって唯一の博打であり、唯一の失点は、配下の扱いについて、あまりに先を見過ぎたせいでついていけるものが居なくなったことである。「箔」を守るために権力を織田に結集させ、日本国内を息子の信忠に任せ、更に彼のサポートには長益やその他の兄弟を配置する。国をおさえ、更にその先へ手を伸ばすためには、そうした「大きな基盤」が必要だった。勿論、あれだけ先見の明のあった信長のこと、配下の者達の扱いをぞんざいにしてはならないことくらい、承知していたことだろう。光秀、秀吉を始めとし、滝川一益などの功労者には、それに見合った報奨と地位を与えるという選択も考えたはずだ。しかし、国内平定のみを目指すのならばそれでも足りたのだろうが、その一歩上にのし上がるためには、こんなところで力を分散させるわけにはいかなかった。内紛、謀反のリスクを抱えながらも、自分の思い描いた壮大な絵図を大命題とし、部下がついてきてくれることを期待するしかなかったのだ。

 結果だけを見れば、その思惑は失敗したことになる。実際に動いたのは仁義を重んじる光秀であったわけで、表面上は信長がリスクの取り方をしくじったという風になる。だが、今回のラストでは、衝撃の人物が馳せ参じ、実際に手を下すという荒技に打って出た。そう、信長の失敗は、リスクを抱えて部下に不平不満を抱かせたことではなかった。豊臣秀吉という、自分と同じような野心を抱く人間の本質を探りきれなかったことだ。光秀の謀反も、利休の画策も、全て秀吉がいなければなしえなかったこと。その根回しが奏功したと考えるならば、信長は秀吉たった1人に敗れたと見ることが出来るはずだ。わざわざ自らが動く必要のなかった秀吉が最後の最後で一太刀浴びせたことは、「織田が豊臣の前に膝を屈した」ことを表す端的な表現である。

 そして、そんな織田と豊臣の確執の間で、最後の最後まで悲運を貫き通してしまったのが、明智光秀という男なのだ。句会で、密会で、そして道中で。光秀は最後の最後まで「義の人」を演じ続けた上で、歴史の上では道化となった。冒頭で触れた場違いな「昭和ブルース」も、そうした光秀の悲しい運命と、滑稽とも言える立ち位置の妙を表した何ともふざけた演出である。「生まれた時が悪いのか」と歌う光秀の重低音は、雨音に消えて、力尽きた老人の最後の一声に聞こえる。

 そして、この期に及んで数寄に狂い続ける我らが左介さん。兵糧を削り、秀吉からおこぼれをもらい、必死で家運をかけた進軍をしてきたにも関わらず、どさくさに紛れて本能寺に名品を拝みに行きたいと駄々をこねる君主。そして、義兄からは「武士と数寄者のどちらで生きるか腹をくくれ」と、ついに一番言われたくないことを言われてしまう始末。懊悩している風ではあるが、この人の場合は答えが出ている気がするよ……最後の最後で信長の末期の気配に気づいたのは、数寄者どうしで理屈を越えたなにかが繋がったのか。虫の報せならぬ蛙の報せが、時代の転換点を主人公に伝えてくれたようだ。

 そして、「暗躍」という言葉がこれほど似合う男も珍しい、千利休。今回は雨の中をのそりと本能寺に現れ、大量の火薬を押しつけて逃げるという極悪非道の策謀をけろりとやってのけた。次回、さぞ豪勢に燃えてくれるに違いない。雨に濡れ、暗闇に漆黒の衣装をまとって立ち尽くす細目の巨大爺。これほど怖い存在もなかなか無いな。

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