モブに存在感がありすぎるアニメ、第12話。ホームセンター物色してるモブとか、カフェでスマホいじってるモブとか、造形が「2期からレギュラーになりますが?」みたいなツラしてるんだよな。いや、多分2期とかないけども。
石をテーマにした作品だが、石にも色んな使い道がありますよ、というお話。今回のテーマはその名前くらいは聞いたことがあるが、実態はよく分からない代物、鉱石ラジオである。改めて説明されても、なんでそんなんで電波から音が拾えるのか、私程度の知識ではよく分からないのである。まぁ、多分瑠璃たちもよく分かってなかったとは思うが……「じいちゃんの形見だった」というだけのモチベであの瑠璃ががっつり図書館で調べ物までしてラジオに取り組むっていうのは……ほんとにもう、気質が変わったとしか言いようがないね。これまでの凪さんとの地道な調査研究の下地のおかげで、どんな物事についても「調べて、探す」という行動モデルが身についてきたということ。こういう習慣というか、考え方の基盤ってのはとにかく習うより慣れるしかない部分なので、瑠璃の成長が垣間見える部分である。あとはまぁ、これまで採集・保管してた石を一気に使うチャンスでもあったので、なんかアニメ終盤のお話としてもしっくりくるし。なんなら最終話でもよかったけどね。
しかし、そうして瑠璃が独り立ちできるようになってくると相対的に出番が減るのが保護者側。なんと凪さんは3週続けて「仕事が忙しくてあまり手伝えない」という立場。今作序盤では「凪が導いて瑠璃がついていく」というフォーマットが鉄板だと思っていたので、こうして凪がそっと手を添えるだけみたいな展開でも充分に活動できているのが感無量である。この流れには当然硝子ちゃんの存在が大きく、わざわざ大学まで行かずとも相談したり、一緒に活動したり出来る仲間が増えたことで瑠璃のフットワークがさらに軽くなっているのだね。そして今回はついに「友達その2」である笠丸までもが調査に参加。まぁ、彼女は別に鉱石に興味があるわけじゃないので今回限りの付き合いではあるだろうが、おそらくどちらかといえば初期の瑠璃と同じちゃらんぽらん系のお友達でも、瑠璃のひたむきな様子を見れば引き込まれてしまう部分があったのだろう。おかげで、瑠璃は最終的に3つのおっぱいに包囲される形になってしまったが……神社で登山中の「胸だけ映して5人の差が明確になるカット」があまりにも容赦なくて笑ってしまった。
分からない部分について、古い文献にあたって当時の真実を探るという姿勢は青龍神社の時と同じ。祖父の形見の数少ない情報から神社を導き出し(奇しくも今回も神社である)、瑠璃はおそらく当時の祖父と同じ場所にたどり着けた。これまでも散々「石が時代を語り、時代を繋ぐ」という話は出てきたが、こうして狭い範囲でもその話は通用するものである。流れてくる電波はあくまで現代のものだが、何かを探究し、たどり着くまでの熱意は今も昔も変わりませんよ、というお話でした。電波が入った時にオープニングテーマが耳に飛び込んでくる演出、あまりにオシャレすぎてびっくりしちゃったわ。
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