最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
ゆらりふらりと第10話。このタイミングでこういう話を持ってくるあたり、この作品の構成は憎たらしいなぁ、と思いますね。緩急つけて見せられるおかげで、視聴モチベーションが下がらないのはありがたい。
今回のエピソードは、2つのポイントから「うまいなぁ」と思わせる佳作。複合的なものなので明確な分化は難しいが、一応脚本面と構成・映像面から見ていこう。 脚本としては「緒花がいない日」というのが1つのテーマになっている。それまで甲斐甲斐しく働いていた緒花が倒れ、喜翠荘は数ヶ月前までの「緒花がいない旅館」になるはずだった。しかし、従業員のみんなは、入れ替わり立ち替わり緒花の寝室を訪れ、忙しい中でもあれこれと世話を焼いてくれる。民子や菜子が見舞うのは自然な流れだろうが、次郎丸や徹、そして女将までが見舞いに顔を出したことで、喜翠荘が数ヶ月前とは全く違う世界になっているということがよく分かる。 ここまでのエピソードにおいて、明確にインタラクトしていく主体となったのは、当然のことながら主人公の緒花だった。無茶をしたり、努力したり、失敗したり、色々と波風を立てる中で、彼女の成長と交流を描いてきたのが、この作品だった。しかし、今回のエピソードでは、そうした「緒花からのインタラクト」がぴたりと止まり、明確に描写されたのはコウモリ退治や早朝清掃など、必死に喜翠荘の一員になろうと努めていた緒花の影の姿。そして、そんな彼女に対し、今度は他の従業員から積極的にインタラクトしてくる様子を描いたのが、今回の焦点であるといえる。中でも徹のアクションは一番意外で、まるで彼女に気があるかのように甲斐甲斐しく食事を振る舞っていた。これが、今まで緒花が築き上げてきた喜翠荘でのポジションを如実に表したものなのだ。他にも、自らの病床に見舞いに訪れたこともある緒花を見に来た女将や、同じようにまだ新参者の次郎丸は「動けない緒花」を面白おかしく見守っていたし、菜子はいつも通りの細やかな気遣いで彼女をサポートしてくれる。奇しくも最後に訪れることになった民子も、偶然見付けてしまった彼女の悩み、心の弱さを察し、頬を赤らめながらも最大のデレを見せてくれた。これら全てが、今まで精一杯頑張ってきた緒花へのご褒美なのである。10話という区切りで、ひとまず「喜翠荘の一員たれ」という緒花の第一ミッションがめでたく結果を残したことが、ハプニングをきっかけに明示されたのである。何とも心暖まる話ではないか。 そして、そんなシナリオを描く何とも不思議なコンテ構成が、今回2つめの見どころ。「病床から見るぼんやりした世界」という得も言われぬ対象の描き方が、非常に面白い。例えば時系列を多少いじった演出であるとか、この作品では珍しい、夢の中の非現実的な景色であるとか、多少阿漕ではあるものの、弱った緒花が見せた珍しい泣き言を、あまり後ろ向きな面を出さずに、さらりと一夜の夢のごとく描出している。この作品ならではの、精緻かつ自由な外界描写があってこそ可能になった演出といえるだろう。また、菜子がやたら気にしていたテレビの音声だとか、少しずつ変わっていく外の景色、回りのお客や従業員の声など、あの「風邪で休んで寝ているときの何とも言えない異世界な感じ」が絶妙な情景として浮かび上がるのも面白い。何となくベッドから降りて、見るともなくテレビの前に座ってしまう描写とか、普段自分が活動している時間に床に臥せっていることに対する不安感、優越感みたいなものが、緒花の真面目な性格と絡んで不可思議な共感を醸し出してくれる。長いような短いような、布団の中から見える景色というのは、何度経験しても慣れないものだが、それがちゃんと「違和感」として浮き上がってきたのは面白かった。 余談だが、「違和感・異世界観」の描写というのはアニメならではの遊びが色々と模索できる面白いモチーフで、個人的には印象の強いエピソードが過去の作品にも多い。いくつかあげておくと、夢のような不可思議な世界を旅する情景がどこか懐かしく、寂しげに見える「フタコイオルタナティブ」3話「エメラルドマウンテン・ハイ」。今作同様に風邪で学校を休んだときの不安感がエキセントリックな夢として表れた「ひだまりスケッチ」5話「こころとからだ」。夢とうつつを彷徨い、最後の最後まで謎が漂い続ける「地獄少女三鼎」17話「藁の中」。寝不足の制作進行が夢との狭間でひたすら猟奇事件に舞い込まれる「妄想代理人」10話「マロミまどろみ」など。アニメ独自の演出が傑作を作り上げる例がたくさんあり、今作も、その例に漏れずになかなか印象的なエピソードになったのではなかろうか。 ただ、2つ気になることがありました。1つ、若かりし頃の女将と思しき写真が飾ってある喜翠荘。その写真自体はよいのだが、隣には従業員が全員集合したような写真が確認出来る。……なんか多くね? 昔の喜翠荘はもっと流行っていたのだろうか。 2つ、今回夢の中に現れて緒花を東京に連れて行こうとした存在、孝ちゃん。もちろん緒花が勝手に見た夢なのでフィクションには違いないが、アニメ的な演出から考えると、彼は「緒花が仕事に挫けて東京に戻ることの体現者」になっているのか? ……だとしたら、孝ちゃんは作品的には「悪役」になってしまう気がするのだが……畜生、いちご唇にドキドキしてる徹とかとくっついたらただじゃおかねぇ。あー、でも風邪引いた緒花はどこか艶っぽかったのは事実だなぁ。デコとデコで検温とか、確信犯だろコラァ。 PR |
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