「Let’s Play クエストだらけのマイライフ」 4→4
マルチカルチュラリズムを代表するかのような闇鍋作品だったが、終わってみれば「まぁ、こういう話だったんやな……」くらいであんまりインパクトは無かった。筋立てだけみれば別に悪い作品でもないのだろうが、その怪しげな骨子が「小さな違和感」で終わってしまって何か特異な収穫があったかと言われればノーである。
観てない人のために確認しておくと(その工程いるか?)、今作は「北米の漫画原作を日本でアニメ化したもの」だが、どこかに中華系の匂いも感じさせる不思議な風合い。冷静に見ると別に中国要素は一切無かったはずなのだが、それを感じ取ったのは「何かしらの海外風味を出しながらも画面がしょぼい」という状態を「中韓どっちかのアニメ」として処理するしかなかったためだろう(アメリカ原産でこういうショボさのアニメは見たことがないので)。おかげで途中はガチで「中国のアニメはなー」とか思いながら観てる瞬間もあって、その度に「違う、これ国産や」と訳の分からない確認をする必要があった。私はなんでそんなアニメ視聴体制を敷いているのか意味が分からない。
で、そうして頭がだいぶぐちゃぐちゃになった状態で見ていても、「なんか安っぽいアメリカン風味のラブロマンス」でしかなかったもんで評価は上げられなかった。映像部分のしょぼさは我が国のスタジオ(今作はOLMの主導)にあるので原作者には申し訳ないところだが、まぁ、いうて超絶作画でアニメ化するようなタイプでもなし。筋立てに関しては、最近はとにかく「ゲーム制作」というテーマがあまりに被りすぎており、今期だけでも「いもウザ」に「破産富豪」と同じクールでも被ってしまい、「なんでみんなしてゲーム作りたがるんだろう」と食傷気味。主人公・サムの作るゲームはテイストが違うという部分での差別化は狙えるかもしれないが、残念ながら彼女の作ったゲームの特異性は画面からも伝わってこず、上っ面だけでなぞる展開がサムとマーシャルの関係を刺激的なものにはしてくれなかった。どっちかというと、一部描かれていた「ゲーム配信者だってこれだけ日々の苦労の積み重ねがあってようやく実現している職業なんだ」っていう配信者苦労話の方が見てて面白かった気もする。
どうにも「ならでは」の良さを拾いきれなかったのもったいなさは感じるが、この基盤だとこれが限界かなぁ、という感覚もある。ま、いろんなところから原作持ってくること自体は悪くないよね。
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