「野原ひろし 昼メシの流儀」 4→4
なんか一部界隈で不思議と話題になっていたらしい作品。ただ、残念ながら私にはその理由がよく分からない。
DLE制作に任せた時点でハナから通常のアニメとは戦う土俵が異なり、作画が云々みたいな話はあまり意味がなくなる。そういう意味ではうまいこと逃げた部分もあるし、そこまでコストをかけたくないアニメ制作の一手法としてはうまいことやったとは思っている。古く勃興の時代には完全に1枚絵を動かす紙芝居形式だったDLEも現代はCGモデリングを使うことで(どこか気味悪く)動くようにもなっているし、この作品をアニメ化する上で必要な要素は案外これだけでも足りている。新番チェック時点で言及済みだが、「飯アニメ」の矜持を保つために食品だけは実写を取り込んじゃうっていう割り切り方も上手い判断だっただろう。ただ、いうてそれだけである。
個人的には「お話を味わうだけならこれで充分」というDLE作品であるならちょっと前に放送された「ヒューマンバグ大学」の方が絶対に面白かったと思うのだが、そっちが話題にならずにこちらだけが話題に上がるというのはやはりスタート時点の知名度の差ということになるのだろうか。おそらく「ヒューマンバグ大学」はそもそも触れてすらいない人も多いだろうし、こんな形でも奇妙な「原作力」の差は表れるものである。ただ、別にこの原作だってわざわざアニメにしてみたいものかと言われたら余裕でノーであり、食漫画としても、ギャグ漫画としても決してレベルは高くない。
これで原作の原作である「クレヨンしんちゃん」の面白さに依拠している部分があるとするなら、そちらにノータッチの私には分からない部分に面白さが潜んでいた可能性はあるのだが、雰囲気から察するにそうした要素はかなり少なそう。となると、残るのは大したことない「孤独のグルメ」の焼き直しの焼き直しみたいなグルメ漫画と、ネタ回しがずいぶん昭和くさいギャグ漫画である。作中では変な女の子をメインにしたアンジャッシュコントみたいなパートが目を引いたりもしたが、そういうネタ回しのやり方がさっぱりこなれておらず、残念ながら笑いに繋がる部分はほぼゼロといった状態である。まぁ、だからこそこの画でやり過ごすくらいの扱いなのだろうが……。
まぁ、こちらの方向性も今後のアニメ業界が生き残るための1つのルートではあるのかもしれない。でも、世のオタクが全て低予算アニメで満足するようにはならないだろうからなぁ。
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