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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  ボンボるおしまくりの第12話。なんでこの町の住人はオリジナル日本語の制作と普及に余念がないのだろう。普通、自分が考えた「新しい日本語!」なんて恥ずかしくて使えないと思うのだが……あかん、ホビロンが危ない。

 さて、前回からの続き、「東京編」。今回も緒花大暴走は留まることを知らず、2つの人間関係に対して決定的な変質をもたらすことになった。視聴者としてはどちらも無視することが出来ないものだが、まず最初に、どちらとも関係無い、徹との関係について片付けてしまおう。実を言うと、徹・緒花間の間柄は、単なる憎まれ口を叩くだけの同僚レベルだと思っていた。確かに緒花は徹を信頼して必死に彼の姿を探し求め、最終的にバイクでタンデムするまでになったわけだが、あれはあくまで緒花の仕事に対して猪突猛進な姿勢が現れただけのこと。いわゆる男女の仲に進展するようなものではなかったはず。唯一おかしかったのは緒花が熱を出した際の徹の検温アクションのくだりだけだが、あれも今回緒花が言った「女性の扱い方が下手」の一部として処理してしまえるレベルだと思っていた。しかし、どうも今回の様子を見ていると、どこまで自覚的なのかは定かでないが、徹の方は視線に熱が籠もっているらしい(民子がそう分析しているのだから間違い無いだろう)。さて、徹はどのあたりから緒花に対する態度を変え始めたやら……最初から見直したら兆候が確認出来るのかな? そのあたりがどうも唐突な気がして、ちょっと気がかりなのです。

 それ以外の2つの人間関係は、やはり歪ではあるものの、描写が重いためにそれぞれの意味はじっくり考えさせられる。まず、こじれにこじれた孝一との関係性。外野から乱入してきた新たな恋人候補五十嵐との対話を経て、緒花は自分の孝一に対する思いを再確認するとともに、同じ思いを抱いていたはずなのに報われなかった孝一に思いを馳せる。ここで緒花は、ようやく大きな成長を果たすことになる。「孝一のドラマなら、自分は悪役ではないか」と。

 通話が終わった後にたまたま緒花はそのことを「ぼんぼり」に例えていたが、これまで全ての悲劇、活劇の主人公であり、ヒロインであるように動き続けてきた緒花にとって、「自分は脇役、しかも悪役であるかもしれない」という気づきは実に大きなものだ。他者の視点を経ての自己認識というのは、幼児の成長過程においても重要なプロセスであり、それを頭ではなく身体で理解し、1つの真理としてたどり着いた緒花は、ようやく1段「大人」へと進んだ。

 しかし、その気づきが孝一とのベストエンドを迎えられないのが苦しいところ。自らの「悪行」を悟った緒花だったが、孝一への好意はあくまで「生物として?」である。未だ恋愛感情というものにはたどり着いていない。その状態では、残念ながら「自分への好意」という孝一の感情を理解することが出来ない。本当の「好き」に出会っていれば、道の選びようもあろうものだが、それが無くなってしまった今、「悪役」たる緒花は舞台から去る以外の選択肢を持たなかった。孝一がどんな状態で電話を受けていたのかも、考える余裕はなかったのだ。

 そして、孝一と五十嵐に教えられた「他者の存在」が、緒花と皐月の関係性にも変化をもたらした。これまであってはならなかった「他者が主役の視点」を手に入れた緒花。駄目人間とは言っても母親の人生にもドラマはある。そして、その主人公はあくまで皐月でしかない。そこに娘である自分が入る余地は無いのである。残念ではあるが、皐月誘拐計画は一度鞘に収めるつもりだった。しかし何の因果か、結果的に皐月は喜翠荘へと向かうことになった。車内での会話から、更に松前皐月という人物の深層が彫り込まれていく。

 結局、この作品は「緒花と喜翠荘」の物語であり、換言すれば「緒花と四十万の物語」、「松前と四十万の物語」であり、血縁関係の物語だ。そして、喜翠荘にいただけでは、そこには女将と緒花しかおらず、その間を埋める存在が不足している。四十万スイ→松前皐月という関係があってはじめて、そこから皐月→緒花が構築され、その総和が女将→緒花なのである。皐月が自らの人生を費やして手に入れた人生訓が緒花を育てたのであり、それが緒花と喜翠荘の関係を生み出した。ついに、そのコネクタたる皐月が、渦中に飛び込む。

 「母親が間違っていることがどれだけありがたいと思うか」。皐月の発言は一見すると実に適当で、無責任なものであるが、これがなかなか含蓄に富んでいる。この一言だけで、数十年前の喜翠荘がどんな場所であったのか、想像出来るというものだろう。

 この作品も、いかにも岡田麿里、といった風情で「あまり正面から見たくないもの」を遠慮なく見せてくれるエグさがある。今回の東京編は、そんな側面がぐいぐいと前面に出たハードな展開であった。舞台は再び喜翠荘へと戻る。さて、一体次週から何が起こるやら……

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