最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「うさぎドロップ」 5
最近なにかと話題の絶えないノイタミナ枠(関西ではあにめわ〜く枠)の新作がこちら。一言でいうなら、久し振りにノイタミナらしい、なんちゃって「一般向け」作品といえる。実写で劇場版をほぼ同時期に作っているあたり、ある意味「のだめ」に並ぶキラーコンテンツになっているということだろうか。実を言うと、これの原作がちょっと前に私の回りでも随分話題になっていて、原作漫画が飛び交っていた時期があったのだが、既にその時点でアニメ化が決定しており、「アニメ観るんだから原作は読めない」という理由でシャットアウトしていた。原作は、アニメ観て気に入ったら買う派。そして極力アニメ見終わるまで買わない派です。 で、1話目を見ての感想だが、一番どうでもいいところから埋めていくと、「ホントにノイタミナはニートに優しくないよな」という印象が1つ。過去にもさ、大学5年生だのさ、2万人のニートだのさ、引きこもりだのさ……お仕事ものも多いから、無職で日々を怠惰に生きている人間には、本当にこの手のテーマは痛いんだぞ。今作で一番痛かったのは冒頭で主人公がおかんに「あんた30にもなってそんなこと言って……」とかたしなめられるシチュエーション。うるせぇよ、人間年齢重ねたら成長できるってわけじゃねぇんだよ。……勘弁して…… いや、そんな些事はさておくとしても、「中年になりかけくらいの年齢の若者が、祖父の葬儀を契機に久し振りに親族の集まりに参加する」というシチュエーションがまず辛い。お仕事してる人はいいんですが、これ、根無し草だと周囲の「普通の大人」に弁解するのが大変なんですよ。行きたくないんですよ、マジで。ただでさえ親戚付き合いがしんどいと思っている引きこもりにとって、無条件で大人数が蠢いている場所に顔を出し、世間的な交流をしなきゃいけない場所っていうだけで地獄なんです。この春私は似たような経験をしたばかりなので、あの空気を思い出して胃がキリキリしました。「え? 俺って香典包まないと駄目な歳になってた?!」みたいなね……幸い主人公はその程度のことはきちんと出来る普通の大人だったようだけど、やっぱりあの独特の雰囲気はあまり気持ちの良いものではなさそうでした。 ここまで長々と自分の話を書いてきたけど、何がいいたいかというと、このアニメはそういう「身近に起こった非現実的なイベント」の空気が何とも言えない生々しさで出ているということ。「80間近で死んだじいちゃんに年端もいかない隠し子がいました」なんて出来事は本当に嘘くさくて現実味がないんだけど、葬式の空気、人との距離感が何だか生々しいせいで、その嘘くさいイベントまでが、ひょっとしたらあるんじゃないか、っていうレベルにまで引き下げられ、いつの間にかドラマの1パーツとして溶け込んでしまう。ひどくゆっくりと流れる奇妙な日本家屋の風景が、1つ1つ「ありそうな様相」を形作っていくにつれて、少しずつりんという少女が現実に形作られていく。そういう、足下から沈んでいくような奇妙な現実感が、この作品には出ている。最近はノイタミナにこういう作品がなかったので、かえって新鮮に映っているのかもしれない。 この「特別感がない非日常」の雰囲気を作り上げるために、スタッフは徹底してドラマをドラマティックに描かない。背景美術や1つ1つのカットの色彩などは本当に素朴な漫画を描きだしてきたような味わいを持ちながら、実はCGでの加工が施されているので紙一重でリアリティが出ているし、何気ない動きしかないはずの動画面においても、とにかくりんがそこにいることを示すために気を払っている。一番感心したのは、りんが棺に収めるためにリンドウの花をつんで、裸足のまま縁側によじ登ってくるワンカット。ほんの些細なアクションなのだが、りんの小ささとか、必死さとか、不器用さが良く出ているモーションだった。このカットを描いただけでも、1話は意味があったような気がする。 全体的に観ると、最終的にはりんの愛らしさに依拠することになる作品だと思うのだが、1話目ではそんなりんが存在感を得るための下準備が、これ以上ない執拗さで描かれていたのではなかろうか。この作劇は、なかなか出来るもんではないです。余計な心の傷さえ抉られなきゃ、もう少し点数は上げてたと思うんだけどね。どうもね、嫌な思い出がね。 最後は中の人の話なんだけど……あんまりすることがないな。りんの中の人はリアル幼女であるようだ。どうやら実写劇場版のキャストと同じ子というわけではないらしいが、調べてみると、こちらの子も可愛らしい。そして、まだ台詞が少ないとは言え、実は結構上手い。ついに私の「声優プロフィール一覧」に、21世紀生まれの名前が刻まれる時がくるのだろうか(現在は松元環季ちゃんの1999年が最年少)。一方、主人公の大吉役は土田大。最近どっかで見たことがある名前だなーと思っていたら、「シュタゲ」のジョン・タイターだった。なるほど。 PR |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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