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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 「絶望」と「極限」がしのぎを削る第12話。ウーア、ファクトリーといった過去の遺物を1つずつ踏み台にし、最後にアルファルドが目指すのはやはり自分の名前を奪った者、カナン。シャムが、アルファルドが、そしてマリアが、カナンという1人の少女の内実を解体していく。

 前回までの展開で最後にどうもってくるのかと不安だったが、この作品のタイトルは「CANAAN」。同じ名を持つ2人の人物が、最後に「カナン(希望の地)」を巡ってお互いの想いをぶつけ合うクライマックスが待ち構えていた。これまで主人公としてはいまいち存在感を発揮できていなかったカナンだったが、今回のエピソードを通じて、あらゆる角度からその全貌を丸裸にされている。

 アルファルドによって明かされる「絶望」という名前の意味。シャムによって理想の兵士を目指したアルファルドの前に「戦場であってはならないもの」と言われる「絶望」が現れた。シャムの畏敬と、アルファルドの挫折。カナンがもたらしたのは、決意の果てのシャムの死。そして、そこから因果は巡り巡って、ウーアの感染者、ユンユンの村、数々のボナー、そしてサンタナ、ハッコー、みな「カナンが現れたが故に」命を落とした。アルファルドが用意した最後の舞台、「忌殺列車」で過去の亡霊はカナンを責め立てる。シャムが殺されたあの日の情景に「絶望」たるカナンの目は曇り、真実を映さない。その隙を突いて、アルファルドは再びの光であるマリアを、「絶望」のために死地へと送り込む。

 アルファルドが望むのは、歪んだ形の征服欲と、怒りのみに動機づけられた純粋な復讐。怒りを貯め、コントロールして、それを笑うと彼女は語る。対するカナンは、ただそこにある光をただ純粋に求めるだけ。純粋であるが故に、マリアを悩ませ、アルファルドを燃やし続けてきた。「あなたのせい」の一言に、カナンは思い悩む。カナンの想いに答えは出ない。それでも、アルファルドの突きつけた「結末」に抗うために、彼女は戦うしかない。全てを理解したマリアの最後の選択は、それでもなお「カナン」に生きることを選ばせた。全てを理解し、愛する者の存在が、カナンには必要なのだ。

 

 あまりに多面的で、これまでのエピソードで積み重ねてきた様々な感情、想い、意志が重なり合う最終決戦。アルファルドの目的意識は純然たる復讐であり、悪意である。対するカナンの目的は、「護ること」。しかし、この「護る」ものが光であるマリアなのか、それとも不安定な自分自身なのか。まだそこのところに結論が出ていないように思える。「光」の本当の大切さを知ったときに、「絶望」たる彼女は「極限」を乗り越えることが出来るのか。文句なしの大盛り上がりで持ってきた次回。最終回が楽しみで仕方ない。

 今回も相変わらず素晴らしい演出で全く退屈させない仕上がり。満を持してのアルファルドとの直接対決は型にはまらずにエキサイティングなアクションシーンに仕上がっているし、今回はそれに加えて1人コミカルに動き回るユンユンの動きも見栄えがする。過去の亡霊がフィードバックするカナン視点の使い方や押し引きを重視しためまぐるしいカメラワークのおかげで、本来なら狭苦しいはずの列車の中の風景が、これまでのどのシーンよりも広々と、大きな動きを盛り上げている。前回に負けず劣らず、見事な一本でした。さぁ、このまま次週まで駆け抜けろ。 

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