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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「Phantom Requiem for the Phantom」 6→6

 非常に親切かつ分かりやすい、真下作品とは思えないぐらい素直なシナリオのラブストーリー……だったはずなのだが……どうしたらいい? 私は何をどう判断したらいい? まさかのラスト数分。世界は思い切りぶん投げられてしまった。

 個人的には「.hack/Roots」以来となった真下作品。相変わらずの真下演出も健在だったが、今回は原作ゲームありきのシナリオを丁寧に守ってくれたためか、きちんとメリハリの付いたストーリーラインで真下さんの持ち味である余韻と音響による世界観を充分に堪能することが出来た。エレン、キャルといったヒロイン勢も魅力的だったし、何より「撃つこと」の意味がきちんと最後まで与えられ、単なる雰囲気ガンアクションに終わらないのが良かった。「NOIR」にしろ「MADRAX」にしろ、毎週確実に人が死んでいくのでちょっと気を抜くと「人が殺されること」がどんどん記号的に意味をそがれていってしまうのだが、3人の殺し屋の精神性を描いていく物語の中で、きちんと「殺すこと」「殺されること」の意味が強調され、さらに回を重ねるごとに変質していくために、捻りの少ないベタなストーリーラインでも毎週楽しむことが出来た。特にラストのサイスマスターの語りは象徴的で、同じ冷徹な「殺すこと」でも、アインの中ではきちんとその意味が変質して、自分のために人を撃つことが出来るようになったことが明確に示されている。このあたりをきちんと時間を割いて描いてくれたのはあまり真下監督っぽくはないのだが、サイスマスターの複雑怪奇な人となりを説明するのにはベターな選択だったと言えるだろう。

 この手の作品では女性キャラの存在感に押されて空気になりがちな怜二も、最後まできちんと人間として、そしてファントムとして機能することが出来たのも見るべき点。人からファントムへ、ファントムからかりそめの人へ。そして最終話では再びのファントムへ。殺すことに悩み、殺されることすら望んだ男の真心の物語も、充分説得力のあるラインに仕上がっていたのではなかろうか。このあたりの地味ながらも含蓄に富んだ画面作りは、やはり真下監督ならではといった貫禄がある。

 で、最終話だ。……どうしよう。「そうしたかった意味」は分からないではない。「ファントムであったこと」の結末として、あのエンディングを持ってきたいという制作陣の気持ちも分からないではない。エレン1人を残し、エレンにだけ「気付かせず」に終わし、その後に残された本物の「惨劇」をイメージの中だけにとどめることで、さらに悲壮さを強調するという演出意図もあるだろう。だが、やはり2クールに渡って2人の来し方を見守ってきた視聴者にとって、あのエンディングは苦しい。最後の最後で、真下耕一は視聴者にこれまで通りの「課題」を突きつけた。「あとはお前らが考えなければいけない」と。うーむ。本当にこの人の作品作りは疲れる。

 でもまぁ、それでも好きなものは好きです。次回作にも期待しています。

 最後は当然キャストの話。今作は皆勤賞の久川綾が割と早めに退場し、メインヒロインである高垣彩陽と沢城の共演が実に素晴らしい。エレンの内に秘めた難解な人間性がきちんと表示されていたのは、ミュージックレインきっての実力はである彩陽の面目躍如であるし、「この数年で何が起こってしまったんだ」でお馴染みのキャルを演じた沢城は言わずもがな。キャルを代表するツールである時計を見ると(聴くと)、どうしても「NOIR」を思い出すのは致し方ないところだ。やっぱり真下さんは音の使い方がうまいんだよな。

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