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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「神様のメモ帳」 5→3

 個人的には、今期最も「はずした」作品。「はずす」ってのは、単につまらないとか合わないっていうんじゃなくて、1話目で受けた印象からの逸脱があって、期待した方向に作品が進まなかった、という意味。結局いつもこの言葉を使ってしまうが、やっぱりラノベか。

 1話視聴時点では、様々な点で期待を込めることが出来た。動きの良い岸田メルのキャラクターデザインは分かりやすいセールスポイントだったろうし、1時間スペシャル枠を利用して放送した1エピソードは、目新しさこそ無かったものの、どこかで現実と非現実のバランスが考えられており、終わった後にちょっとした寂しさと考えさせるだけの余韻を残していた。この時点で既にどこぞの作家との炎上劇なんかもあったみたいだが、そんなピントのずれた議論は興味もなかったし、率直に受け入れられると思えたその第一印象は今でも変わらないと思う。そもそも、ラノベ原作の自称「探偵もの」なんて信じちゃ駄目だってことは、過去の作品から嫌というほど教え込まれているわけで、いわゆるミステリ的な要素なんて気にする方が間抜けであろう。

 だが、残念ながら、2話以降を視聴するにつけ、ミステリ的な要素以外でも、1話目がたまたまだったんだろうなぁ、と思えるような脚本しかお目にかかることが出来なかった。理屈が無いし、描写も無い。だからこそ道理も無いし共感もない。当初「自分で動いて考えられる主人公だ」と思った鳴海は、すぐに「訳の分からない思い込みで愚にもつかないことをやり始める埒外」に見えるようになり、「どこか余韻が残る」と思われた作中の事件については「余韻っていうか、結末が無いだけだね」ということが分かる。展開が安易なのは許せるが、展開が意味不明なのは流石にフォロー出来ない部分だ。ネタ部分での「え? 何でそうなるの?」が発生するのと同時に、作中キャラのやりとりでも「え? 何でそう思うの?」「何が君をそんな行動に走らせているの?」が乱舞し出すと、もう筋を追うのも困難になる。脚本をあげる時点で、誰かおかしいと思わなかったんだろうか。

 メインシナリオが追えない、もしくは追うに値しないと感じられると、残った要素も自然と辛くなってくる。「花咲くいろは」では可愛らしさとコミカルさのキーとなっているキャラクターデザインも、地に足がつかないキャラの空虚なイメージに繋がってしまうし、胡散臭いキャラ造形は、どんどんあさっての方向に行ってしまうように見える。実際には他のアニメだって大した差はないのかもしれないが、作られたキャラが、実シナリオと遊離してしまっているために、「現実感のなさ」がプラスに働くことが無いのである。ラノベ媒体なんだから開き直り方には様々な方向性があり、例えば西尾維新作品のように、絶対にあり得ないレベルにまで造形を突き抜けさせてしまえば、それはそれで文句のないものだ。もしくはそれこそ「花咲くいろは」のように、ベタでも阿漕でも古くさくてもいいから、とにかく分かりやすさに重点をおいて書くことも出来る。ニートを書くなら「あの花」みたいに多少心の傷を抉るくらいの無茶な生々しさを伴わせてもいいだろう。しかし、この作品はそういったどの方向にも尖ることはなく、ただ最初に設けたスタート地点にコマを置き、一切動かそうとはしなかった。「あとはシナリオがかってにキャラを動かして、運んでくれるから」とでもいうように、1話で生み出したそのままに、設定を放り投げた。そのまま、全員を乗せた状態で迷走を始めるというのに、である。

 どうにも、お話自体もアニメとしても、何をキーとして売り出していきたい作品なのか、ということが分からず、見ていても熱意が受け取れなかったのは残念なことである。どこかで、原作の脚本をアニメにする時点で大きくいじっており、アニメスタッフの罪が重い、という風な意見も目にしたのだが、何の理由もなしにこれだけ空虚な脚本には落ち着かないとは思う。原作は読んだことがないし、これからも読むことは無いと思うが、全部が全部アニメスタッフだけの責任、ってことはないだろう。ま、犯人探しをする意味も無いけどね……と、桜美かつし監督を応援したい身としては適当なフォローを入れておきます。

 最後に中の人の話。今作はなんといっても、小倉唯のヒロインデビュー作、というのが最大の注目ポイント。ただ、個人的にはアリスよりもひなたの方が好きだな……小倉唯はあの徹底的に甘ったるいアニメ声が武器になるのだから、まだ抑えめで声を作るよりは突き抜けさせた方が面白いものになる。もちろん若いうちにガンガン色んな方向にチャレンジするのは良いことだと思うけどね。あとは……鈴村が割と面白かったかな。あんな訳の分からないキャラでなければ、もう少し格好良い見せ場が作れたんじゃないかな、とは思うんだけど。

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