最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
黒い黒い黒い黒い。第26話。ここまでしばらくは織部のドタバタ空回り失墜劇ばかりが描かれ、コミカルな面が強調されてきた本作だったが、今回は一転、ドロドロと渦巻く様々な負の感情が飛び交い、画面もひたすら黒い方へと転がり落ちていく。こいつぁ久し振りにいい刺激だぜ。
画面が黒くなるということは、その中心に立つのは当然、黒衣の巨僧、千利休である。大茶湯での褒賞を何とか丿貫に受け取ってもらうべく足を運んだ利休だったが、丿貫は相変わらずの侘び好き。地位も金も一切必要無い。そればかりか、長かった自分の人生の終わりを感じ、この当時であれば決して安くないであろう、貴重な書物なども平気で火にくべていく。「その身とともに終わるべし」を信条として、既に身辺整理に入っているのだ。 「あまり感心しませぬ」と口を挟んだ利休であったが、そんな彼を見て、丿貫は少し残念そうな顔をする。過去の利休は、国家の在り方にまで口を出すような人間ではなかったと。己が業を統制しているつもりかもしれないが、その実、業の炎に身を焼かれてしまっていると、丿貫は利休に苦言を呈する。唯一自分と同じ高みから侘びを語ることが出来る丿貫にそう言われても、利休は易々と自らの変質を認めるわけにはいかない。自分の行いが、日の本における侘びの浸透に貢献しているのだと、そう思うことで、突き進むしかない。それが、これまで様々なものや命を犠牲にしてつかみ取ってきた、利休の人生なのだ。 しかし、思い立って立ち寄った帰路の茶席でも、利休は自分の望まぬ方向での「似非侘び茶人」の存在を突きつけられてしまう。丿貫の言うことは本当だったのか。自分がこれまで邁進してきた道は、はたして正しいものだったのか。これまで微動だにしなかった老僧に、初めて揺らぎが生まれる。 そんな侘び茶の世界と同様、戦国乱世もまた不穏な風が吹き始める。天下統一が果たされたとはいえ、未だ豊臣の治世は盤石とは言い難い。北条が密かに反旗を翻さんとしているという噂は国中を走り、大阪とて気安くはない。三成、家康などの諸将が警戒に当たる中、秀吉はついに帝の迎え入れという念願を達成させた。あの信長公をもってしてもなしえなかった「国家の掌握」。それがついに、最も具体的な形で実ったのである。普段ならば手放しで喜ぶべき祝い事であり、実際に秀長は素直に嬉しそうにしていた。 しかし、しゃにむにこの道を突き進んできた秀吉には、たどり着いた頂上にこそ、不安は転がっているのである。「信長にもなしえなかったこと」ではあるが、何故信長が果たせなかったのかといえば、それは間違い無く、あの夜秀吉が信長を討ち取ったためである。自分の天下は、信長の犠牲という巨大な墓標の上になりたっているのだ。一度成してしまったが故に、そこに現れるのは、巨大な信長の影ばかり。 そして、時を同じくして、見事な洒脱さを見せながら、丿貫が帰らぬ人となる。あまりに見事で完成されたその人生の幕引きに、利休は隠せぬ絶望を見せる。語らう相手もおらず、迷いの生じた自らの人生を正してくれる恩師もおらず。あまりに大きな影が頭を覆うのは、利休も秀吉も同じことである。そして、この2人こそが、本能寺を企てた真の黒幕2人。信長という怨霊、丿貫という障害。助けを求めようにも、共謀した2人の天下人は、既に袂を分かった状態。お互いに助けも求められぬまま、ただ内なる悲鳴と戦い続けなければならぬ。数寄の対立などをしてしまったばかりに。 今回は、とにかく「黒い」。冒頭の丿貫邸の絵面からして非常にインパクトのでかいものになっており、正面から光があたる丿貫に対し、常に顔に影をまとう利休の恐ろしさ。窓枠の光の「白」に切り取られ、はっきりと浮かび上がる利休のぬっとしたシルエット。そして燃やした書物の灰が舞うことで幻想的に現れる「黒の魂」の描出まで。徹底的に「黒」にこだわった演出。これが最後に秀吉が見た悪夢のイメージまで繋がり、「呪われし夜」の恐怖を執拗にかき立てる。今回のコンテは「カインド・オブ・ブラック」や「哀しみの天主」と同じモリヲカヒロシ氏という人。癖の強い本作の中でも際立った働きを見せる人だ。 で、そんな真っ黒な世界の中でも、なんとか元気を取り戻そうと走り回る織部の頑張りが一服の清涼剤となります。数寄精神を奮い立たせようと上田と走り回る各所の名品探訪。「鳥獣戯画」は駄目だったけど仁王像なら楽しい。うむ、よく分からない。でも楽しそうだからいいじゃない。家康と仲がよさそうでいいじゃない。今回は家康と三成という関ヶ原コンビが正面からぶつかり合ったり、こそっと重要な場面が多いのだよね。 PR |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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