忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1465] [1464] [1463] [1462] [1461] [1460] [1459] [1458] [1457] [1456] [1455]
 晶馬の馬鹿野郎を早く磨り潰さないと、第15話。いやね、まぁ、前回の引きから、別に何事もないだろうことは分かっちゃいましたよ。結局傷物にはならないだろうってことはさ。でもさ、なにも隣にたまたまいなくてもいいじゃない。もう少し、濡れ場的なものをだね……奪って欲しかったなぁ、苹果の大切なもの。

 とまぁ、前回の引きからのテンションは下がってしまう展開になったわけですが、今回からオープニングも変化し、ますます世界は混迷の渦の中へ。オープニング映像については、前期分とイメージは同じにしながら、やくしまるえつこらしからぬ疾走感のあるメロディに合わせて、クライマックスに近付いた盛り上がりが感じ取れるものになっている。前のに比べると、なんかやたらとクマの数が増えたような気もしますね。基本的なモチーフは一緒なので、この作品がずっと一貫して同じテーマを扱っているのだろう、ということは確認出来ます。

 で、本編の方だが、今回はまるまる1話使って時籠ゆりさんの過去話。前回、桃果との衝撃の関係性が明らかになったゆりだったが、そこには更に、混沌が待ち構えていた。高倉家、荻野目家に続く、3つ目の「家庭環境に問題が有りすぎる子供」。もうこの世界にはまともな家族なんておらん。マッドな上にやたら厭世的という面倒な父親の庇護の下で育てられた幼少期のゆりは「美」について、「家族」について、歪んだ価値観をたたき込まれ、自分でも気づかぬうちにその命を失う危機に陥っていた。子供というのは無垢なもので、どれだけ間違った親に育てられていても、それが親の言うことであれば信じなければならない。まさに、白鳥の雛が自分をアヒルだと思い込んでいたように。そして、そんな歪んだ家庭に一筋の光明を与える役割を果たしたのが、ついに今回初お目見えとなった、荻野目桃果であったのだ。

 苹果と同じ顔立ちにピンクの髪。そして豊崎ボイスという抜群の存在感で登場した桃果。なんか桃果とゆりが会話していると、違う作品に見えてくる気がするね。今回登場したパーツを組み合わせると、豊崎・能登・温泉旅館……もう、どこかにホビロン板前が隠れてるんじゃなかろうか。

 冗談はさておき、登場した時には「思ったよりも普通の子」という印象を与えるくらいの荻野目桃果。ゆりに植え付けられたおかしな価値観にNOを突きつけた初めての人物であるが、やっていることは単なる社交的な小学生だ。その程度の障害なら、時籠父は更なる刷り込み効果で排除してしまい、愛娘を理想像に育て上げることも出来たであろう。しかし、桃果は違った。「乗り換え」と称する謎の秘術を秘めた、ピングドラムを持っていたのである。すっごく分かりやすく言うと、世界線が乗り換えられるというのが桃果のいうピングドラムの効果。それを使って、彼女は「親友」のゆりを救い出すという。そのための代償は「指に巻いた絆創膏」だと彼女は言うが、それだけだって、大して親しくもない友人のために被るリスクとしては嫌なものだ。そして、実際に「乗り換え」を試みた桃果は、その身体が燃え上がるほどの「代償」を支払ったという。街中から巨大建造物と1人の芸術家を消し去るためのリスクは、なかなか大きなものだったということである。

 桃果の言っていることが本当なのかどうかもよく分からないが、とにかくゆりの中では、桃果は真の意味でピングドラムを使いこなした人物であり、自らの全てを捧げてでも取り戻すべき恩人となった。苹果にちょっかいを出したりもしたが、そこにあるのは愛情を通り越した完全なる恩義であろう。16年前のあの事件で「消えた」桃果を助けたいと願う心は、多蕗の愛情よりもはるかに強く、苹果が持っていた歪んだ置換願望よりも熱烈であった。ピングドラムを巡る争奪戦は、ここにあらゆる方向からの強い意志を集めているのである。

 とりあえず、ゆりの人となりが分かっただけでも収穫の今回。間には陽鞠のちょっといい話やら謎の温泉卓球バトルなども交えながらではあるが、少しは方向性もまとまっただろうか。こんだけ訳の分からん話が新たに提供されたというのに、少し見晴らしが良くなったように思えるのは謎である。ようやく桃果が登場してくれたおかげでイメージしやすくなったおかげかしらね。

 今回気になった点は大きく2つ(1号と3号の謎コントとかはおいとくとして)。1つは、桃果が「代償」と言っていた指の絆創膏である。その後の世界線改変では人体発火にまで繋がっていたので、指の怪我程度は大した問題じゃないとも言えるが、この世界には、指に怪我をしている人間がもう一人いるのである。そう、多蕗だ。彼の幼少期の想い出を振り返ると、多蕗はなんと5本の指すべてに、まるで切断されたかのような傷跡が刻まれていた。あれは一体何だったのか。彼はピングドラムについて、何か知っているのか。渦中の人である桃果やゆりとこれだけ深い関係にあって、何も知らないとは思えないのであるが(そして石田彰が何も裏がないとは思えないのであるが)。

 さらに、もう1つの注意点としては、今回ゆりの回想を通じて描かれた「家族」というテーマがある。今回だけでも、実に端的に2つの「家族観」が描かれていたことは、注意すべきポイントだろう。1つ目は、ゆりの父親が語る「家族だけの絶対性」という思考。家族以外は決して愛せない、という彼の信念は、裏返せば「家族ならば絶対に愛せる」ということでもある。家族と言うだけで盲目的に父を信じたゆりの人生はそのものずばりであるし、「家族であること」が特別な意味を付与されるのは、むしろ一般的な考え方である。

 しかし、陽鞠と冠葉の仲を見守る渡瀬は、「家族の繋がり」を呪いであると形容した。家族であるというそれだけで、子供の人生は縛られてしまうのだと。親は子供を愛する権利と選択肢を擁するが、子供にはその自由が無い。生まれた時には親がおり、そこに「親子」という関係を結ぶことは義務的である。この強制力はまさに「呪い」であり、実際に、冠葉たち兄弟はこの「呪い」に苛まれた状態と言ってもいい。そんなものは必要無いんじゃないかと、渡瀬は冠葉に仄めかすのだ。

 個人的な希望だが、この作品は、最終的には高倉家の食卓に帰ってくるべきだと思っている。冠葉、晶馬、そして陽鞠がいて、3人揃ったところがこの作品のスタートであり、ゴールであるべきだ。そうなるなら、やはり「家族」という絆は欠かせないものである。しかし、ただ単に「家族だから」という理由だけでそこをゴールにすることは、ひょっとしたら怠慢であるのかもしれない。「家族愛」が度を過ぎてしまえば現在の冠葉のような危うい状態にもなるだろうし、荻野目家を見れば、家族の繋がりなど本当に儚いものだとも言える。あらゆる状態を描出し、並べることで、初めてその中から理想の「家族」というゴールが見えるのかもしれない。そうしたことをする上で、今回の「呪い」の話は必要なものである。高倉家も荻野目家も、まだまだこれから「描かれる側」であるから、そのための下準備として、今回は「時籠家」というサンプルケースが提示されただけなのだ。

 繰り返しになるが、ゆりさんの百合シーンが無かったのは残念至極。しかし、そんなアホな感想は他所に、お話は着実に進んでいく。そして、これだけ進んだというのに、「ピングドラムって何?」という疑問は、未だに解決をみないままだ。……ゴール、してもいいんだよ? どうなることやらな!

拍手

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
2
22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[10/21 seachicken]
[10/11 Serra]
[10/07 とみしの]
[10/05 NONAME]
[09/29 NONAME]
バーコード