声優名鑑2011→2012 差分チェック

　去年もやってましたこの企画、今年も一応やっておきたいと思います。「声グラ」の毎年恒例の付録である「声優名鑑」の差分チェックです（昨年度版はリンク参照）。発売日からずいぶん時間が経ってしまったんですが、単に存在を忘れていただけです。近所の書店がつぶれてしまってからというもの、雑誌のチェックはかなりおろそかになってしまったもので。


　さて、今年も無事に発行された声優名鑑だが、’10年、11年と人数が増えずにページ数を維持していたのだが、昨今の声優飽和状態を反映してか、編集も観念して一気にページ数を増やすという作戦に出た。冊子も平綴じになっており、念願の背表紙までついたのである。ただ、当然そうすることでコストアップは避けられず（？）、新人声優５名のインタビュー記事を冒頭に載せることで、（多分）事務所からそれなりのスポンサー料はもらっていると思われる。今回冒頭インタビューを飾ったのは、今年度版から掲載される新人声優の代表５名。内田真礼、小倉唯、荒川美穂、五十嵐裕美、合田彩となっている。ファンの人は要チェックや。

　掲載人数も、ページ数増加に伴い昨年度の536人から548人に微増。少しは枠に余裕が出来たかと思われたが、なんだかんだで去年掲載されていて今年姿を消した人間も43名おり、実は去年よりも多かったりするのである。時間がかかるので面倒くさい状況分析ははしょるが、ざっとどのような変化があったのかを見ていくことにしよう。ちなみに、昨年は宣材写真の差分もチェックしたんだけど、今年はさすがにしんどいのでやっていない。興味がある人はじっくりと写真を眺めながら、「伊藤静の写真が怖くなってる」とか、「緒方恵美はどこへ行きたいんだ」とか、「ナバはいい加減宣材変えないと詐欺で訴えられるぞ……」とか諸々の思いを馳せよう。

 
IN（５５名）
荒川美穂　五十嵐裕美　石原夏織　上坂すみれ　牛田裕子　
内田真礼　内山夕実　太田敦子　大坪由佳　大原桃子
小倉唯　　門脇薫　川庄美雪　北原沙弥香　橘田いずみ
倉口桃　　合田彩　斎藤恵理　佐倉綾音　佐々木未来
清水理沙　州崎綾　鈴木美咲　須藤祐実　高瀬朝季
近村望実　寺崎裕香　富樫美鈴　徳井青空　中上育美
長嶋はるか　南里侑香　野々目良子　林りんこ　原嶋あかり
潘めぐみ　日高里奈　平野夏那子　藤井ゆきよ　藤東知夏
藤屋裕子　古谷静佳　堀江美都子　本多真梨子　増山江威子
松井恵理子　松嵜麗　三森すずこ　三宅麻理恵　安野希世乃
山口立花子　山本希望　劉セイラ　レニー・ハート　渡部優衣
 

　ずらりと並んだ５５名。ほとんどは若手新人声優である。カテゴリ別に見ていくと、まずはミルキィ声優４名が仲良く今年度から掲載されている。これで１人だけ漏れてるとかだったら面白かったのだが、そんなこともなかった。いず様なんかはキャリアを考えたらもう少し前からいてもおかしくなかったと思うのだが、意外といえば意外。趣味の欄が「餃子研究、餃子作り」とアピールしているのはさすがだが、その脇に「お墓参り」って書いてオチをつけているのも気が利いている。

　その他、ゆいかおりの２人も今年からだし、「ゆるゆり」組、「ピンドラ」組、「パパ聞き」組など、今年を飾ったアニメのメインキャストが続々と名を連ねている。寺崎裕香、山本希望といった注目株の名前も見て取れる。そういや、日高里奈ちゃんも今年が初なんだね。本多真梨子も今年ようやく掲載されることになったし、藤東知夏も今年が初。まぁ、藤東の場合はわちゃん以外でどこで名前を見られるのか定かじゃないけど。

　「どないやねん」部門としては、増山江威子さんが今年ひさしぶりに復帰。去年いなかったのが不思議だと思って遡ってみたら、最後に掲載されていたのは2006年度版だった。どういうことなんだろう。峰不二子の降板とともに復帰っていうのは、なんか契約条件でも解除されたってことなんだろうか。同様の現象は堀江美都子にもいえる。彼女の場合は最終掲載年は2005年である。なんなんだろね。他にも、南里侑香がふらっと帰ってきているのも不思議ではある。そしてインパクト抜群なのが、初掲載となるレニー・ハート。だいぶ前から事務所所属になってたはずだけど、突然の登場です。宣材写真がドラゴンボールのコスプレしてるようにみえるのは俺だけ？

 
OUT（４３名）
安芸けい子　安藤麻吹　石川由依　梅田未央　大久保藍子
小川真奈　亀井芳子　川上とも子　北方奈月　小暮英麻
小桜エツ子　小松美智子　小山裕香　坂田有希　坂本梓馬
桜川めぐ　沢井美優　島涼香　荘司美代子　住友優子
清和祐子　大黒優美子　橘凜　立石めぐみ　立野香菜子
土谷麻貴　時田光　豊嶋真千子　中川里江　中山依里子
中山恵里奈　西原さおり　信澤三恵子　日比愛子　平間樹里
広瀬未来　牧島有希　満中由紀子　宮本佳那子　安井絵里
柳井久代　山田きのこ　わくさかりか
 
　掲載枠が増えたことにより、退場組は加入組より１２名少ない４３名。そのほとんどは、鳴かず飛ばずで終わってしまった新人や、地味な中堅どころ、そろそろ掲載しなくてもいいや、っていうレベルのベテラン勢。そんな中でやはり見ておかなければいけないのは、川上とも子の名前の喪失だろう。分かっていることとはいえ、改めて事実を確認するとつらいものがある。

　他には、小桜エツ子の名前が無くなっていることは初めて知った。いつの間にか事務所を離れて独立していたらしいので、多分それが理由なんだろう。事務所の移籍を理由にして掲載されなくなった人も少なくないですね。他に見知った名前では、たとえば島涼香や小暮英麻、牧島有希なんかがひっそりと退場。豊嶋真千子については、去年ふらっと帰ってきたと思ったらまたいなくなってしまった。別に活動をやめてるわけではないと思うのだが、何の兼ね合いなんだろう。

　短期リタイア組として、昨年初掲載だったにも関わらず姿を見せなくなった名前というのもある。具体的には「安芸けい子」「北方奈月」「坂田有希」「桜川めぐ」「宮本佳那子」の５名。これらの人々に何があったのか、想像するとこの業界の厳しさが分かるというものだ。まぁ、１年だけでもこの名鑑に名前が載るのは結構すごいことだと思うけど。

　個人的に気になる名前をピックアップしていくと、まずは亀井芳子さん。別に引退してるわけじゃないと思うんだけど、名前が載っているのを見るだけでほっとする部分があったので、どんな活動をされているのか、気になるゲマ。あとはデビュー時に「なかなか良さそうな新人だ！」と思った坂本梓馬がいなくなっているのは心配。結構よさそうな人材に見えたんだけど、後から出てきた田村陸心に完全に食われた形なんだろうか。そういや、フツーに仕事してるはずなのに時田光の名前も消えた。ひょっとして女性声優の中でも「男声部門」ってものすごく狭き門なんだろうか。みんな頑張れ。