3月16日 ドラフト模様(DKA ISD×2)
ピック順 【Thraxi】→【Mei】→【Metallica】→【Sangriter】→【Alessi】→【Serra】→
少しずつ暖かくなって参りました今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。特にネタがないときは時候の挨拶で逃げるといいってばっちゃが言ってた。そんなに毎回毎回ここに書くような与太話があると思うなコンチクショー。最近ほんとにドラフト以外でMagicに触る機会がないんだヨー。
AL SE TH SA ME MT
AL ー × × × ◎ ◎ 2ー3 4
SE ○ ー × × ○ ◎ 3ー2 3
TH ◎ ◎ ー ◎ × ○ 4ー1 1
SA ◎ ◎ × ー ○ ○ 4ー1 2
ME × × ◎ × ー ◎ 2ー3 5
MT × × × × × ー 0ー5 6
1位 【Thraxi】 黒赤 <
大天使の霊堂 リリアナ・ヴェス 裏切りの血>
強いて今回最大の話題をあげるなら、多分私が組んだこのデッキなんじゃないかと思います。割と評判だったし、自分としてもオリジナリティのあるデッキで結果が残せてかなり浮かれているので、ちょっと長文気味で解説していきましょう。
1引きは「大天使の霊堂」。このカードを1引きするのは2度目なんだけど、前回は結局使えなかったので、出来れば今回はきっちり白黒に寄せたいなぁ、と思う。ただ、上家が白黒デッキの権威というのは向かい風。2引き、ここが今回の最大の見どころ。白か黒のカードを探すなら「罪の重責」と「遠沼の骨投げ」の2択だったはずのパック。好きなゾンビデッキへの渡りをつけるなら「骨投げ」かなぁ、と決めかけたのだが、このデッキ、フォイルのせいで「黒猫」が2体いたんですね。そして「黒猫」もゾンビなんですよ。さらに、「大天使の霊堂」は起動で5マナかかる大技であり、クリーチャーの頭数も必要。「骨投げ」だと仕事が被るんじゃね? という考えで、まさかの「黒猫」2引き。今振り返ってみてもこのときの心理はよく分からなくて、どう考えても「黒猫」じゃないと思うのだが、多分あまりに愛らしいルックスに騙されたのだろう。
3引きは「スカースダグの剥ぎ取り」と「名門のグール」、「罪の重責」の3択から「剥ぎ取り」。白黒にするなら人間が集まるはずなので「剥ぎ取り」が強いはず。さらに、白黒決め撃ちが危険なのは重々承知なので、最終的にどちらかの色がタッチになるのはいかにもありそう。その場合にはダブルシンボルの「名門のグール」はリスクが高いのだ。その後、気づいたら「黒猫」2枚パックが戻ってくるまでに「黒猫」を3枚引いており、一周してきたところで見事に4体目をゲット。内心爆笑しつつ「いらない! こんなに猫いらない!」と叫ぶ。謎の1パック目を終えて黒が確定だが、白がかなり不安。流れも厳しそうだし、「罪の重責」を2枚流している時点で下が白くなっている可能性が高く、お返しが期待出来ない。一応「狂気の残骸」をとった赤も気を向けることに。
そして2パック目、「リリアナ・ヴェス」との運命の出会い。ここでデッキの向かう先が決まったのだ。リリアナの仕事は除去と手札破壊。そして、「黒猫」の仕事も手札破壊。じゃぁ、大量の「黒猫」を並べ、極力サクれるようにしたらデッキとして面白いし、嫌らしいのではないかと。過去に他人のコントロールする「黒猫」と対戦して、あのディスカードの嫌らしさは知っているし、極力除去したくないクリーチャーだという印象があったので、これを能動的にサクりリソースに出来るデッキは案外面白いのではないかと。そこからは、とにかく「サクるカード」を優先。「祭壇の刈り取り」ならチャンプブロックしながらアドバンテージ1枚の軽量手札回しアクション。当然、「裏切りの血」は完璧なパーツであり、自動的に黒赤2色になる。「スカースダグの信者」が2体引けるなんてマーベラスも起こり、世にも珍しい「サクりハンデス」デッキの完成である。白? いらねぇ、そんなもん。あんな土地使ったってたかがしれてらぁ。以下、デッキレシピ。
<土地 17枚> 沼×9 山×8
<クリーチャー 14枚>
黒猫×4 スカースダグの剥ぎ取り グリセルブランドの信奉者 村の食人者 片目のカカシ スカースダグの信者×2 盲いたグール 電位式巨大戦車 肉切り屋のグール 燃え投げの小悪魔
<その他 9枚>
祭壇の刈り取り×3 裏切りの血×2 リリアナ・ヴェス 狂気の残骸 悪魔の長帷子 死の愛撫
回してみると分かるが、ほとんどのパーツがシナジーに絡むのでデッキの動きが軽妙。気づくと相手の手札がなくなっているというミラクル。正直、使っていてかなり楽しかった。ただ、ピックの結果を見るとかなり運に左右されたものなので、再現は難しそうな気がする。普通は緑絡めて陰鬱デッキにするだろうしなぁ。
2位 【Sangriter】 赤黒 <流城の隊長 燃え投げの小悪魔 硫黄の流弾>
手前味噌で自分のデッキばかり長々と解説してしまったが、実は僅差で2位だったこのデッキもなかなかのもんである。今回は全く毛色の違う赤黒デッキでワンツーだったのだねぇ。こちらは誰が見ても明らかな「吸血鬼」デッキ。1引きがロードのところに3引きでもう1枚追加ってんだから、そりゃ迷いはない。もちろん、吸血鬼デッキの難点は個々のパーツ不足。基本的に「弱い」種族なので、運次第ではメタメタになる連中である。今回も肝心要の「吸血鬼の侵入者」がとれなかったし、ナイスアシストで有名な「自堕落な後継者」もいない。デッキに入っているパーツを見れば「夜の歓楽者」が2体ぶっ込まれていたり、なかなか不安な陣容だ。しかし、やはり2体のロードに守られるとデッキの厚みが変わる。強いデッキに必須と言われている「ブン回り」が生まれるのだ。ロード1体が立っているだけで「マルコフの上流階級」が最終兵器になり、ちょっと弱そうな「夜の歓楽者」も5/5先制速攻なら充分必殺クラス。ロードは立っている場合が多く殴りに行きにくいので「マルコフに選ばれし者」のサポートにも回しやすいだろう。「噛み傷への興奮」でテンションの上がった「ファルケンラスの拷問者」や「交差路の吸血鬼」を止める術などほとんどない。そして、2/2と脆いロードを守る為の「骸骨の渋面」の渋さといったら。ここまでのデッキなら「吸血鬼の怒り」も怖い怖いだ。やっぱりね、世の中上手いこと棲み分けてデッキの粋を集められるかどうかによるんですよね。開けたパックから上家に「ガヴォニーの居住区」、下家に「霊誉の僧兵」と賄賂をばらまいているのが笑えるな。
3位 【Serra】 白緑 <
マルコフの刃の達人 嵐霊 旅の準備>
1引き「マルコフの刃の達人」なら、以前赤単気味に寄せたデッキを組んだ経験もあるので万全。さぁ、在りし日のボロスデッキ! ……とはまったくいかない。赤いカードがないのだ。その代わりに白のカードが漏れ出し、「レジェンドでイカしたおねーちゃん」という大事なファクターを満たしたナイスクリーチャー、サリアさんまで登場。「こりゃ上は白やってないわ」と思うのは当然のことなので、そこからは綺麗に白緑の流れ。実際は上家とまるかぶりなのだが、これは流れを見たら仕方ない部分だろう。上家がタッチで赤いカードを引いている間に、意外に緑白が集められているのが皮肉なもんである。「旅の準備」も1枚キープしているし、軽めの白で叩き、でかい緑人狼でとどめというパターンは安定。特に秀でた点があったというわけではないのだが、緑白は適当に集めてもこれくらいは戦えるってこと。ものすごい早さで引いてメインで入れてる「ソンバーワルドのドライアド」がミラーマッチいじめしているのが憎らしくて良い。
4位 【Alessi】 緑白赤 <茨群れの頭目 旅の準備 収穫の火>
「茨群れの頭目」2連引きというのはかなり美しいスタート地点。これだけでもデッキの内容がイメージしやすいし、肉とトリックという2つの重要なポイントを一気に埋めてくれるので、その後の立ち回りがしやすい……はずだったのだが、なんか勝ちきれなかった模様。今回は上家とはそこまで被らなかったわけで、コンバットトリックの豊富なナヤビートは悪くない組成だったはずなのだが……でも、全体的にもっさりなのかな。2引きで「絞首台の守部」とかは最近あんまり流行らないピックだし、緑赤系で必須の狼クリーチャーも「暗茂みの狼」ではなく「残忍な峰狼」なので動きが鈍い。攻めるにしろ守るにしろ、一貫した方向性が見いだしにくい連中が集まってしまったのは痛し痒しである。ミラーマッチで負けたのはそのあたりの関係じゃないかと思うのだが、どうなんでしょうね。
5位 【Mei】 青黒 <
ヘイヴングルのルーン縛り 吸血鬼の侵入者 禁忌の錬金術>
前回使用者が0人、そして今回は1人きりと、最近の青の不人気っぷりには驚くばかり。一体何が変わったというのだろう。このデッキは1引きが「ヘイヴングルのルーン縛り」ということで方向性はかなり明確。ただ、青黒ゾンビもパーツの質に左右される部分は少なくない。「甲冑のスカーブ」は3枚引けたが「金切り声のスカーブ」がいないことで序盤の攻め手がなく、きっちり守りきってのコントロールが求められる状況。中盤の雄である「その場しのぎのやっかい者」「縫い合わせのドレイク」コンビが1枚どまりで、他のパーツは5マナ以上に集まっているので手札の処理がかなり難しい。「静かな旅立ち」や「夜の犠牲」が1枚も出なくて、青黒なのに相手のボードに一切触れないというのも悩ましい。なるほど、青からお客が離れるのも致し方ないところか。ただ、これだけ「重めでいくらマナがあっても足りないようなコントロール」で、「墓地にクリーチャーをためる必要性だらけ」のデッキなのに「しまった、『カラスの群れ』を出したんだからルーター用に土地を手札に取っておくべきだった」とか見当違いのことを言っている時点で推して知るべし、という気もする。
6位 【Metallica】 緑白 <息吹のニブリス
裂け木の恐怖 暗茂みの狼>
本日3人目の緑白。これだけ並ぶと流石にしんどそうだし、例によって1引きは青いカードからのシフトなのでつらそうに見えるが、実は他の2人の緑白プレイヤーと比較しても遜色ないレベルのカードは引けている。はっきり言って、ピックを見る限りではこの色をやるならこれ以上のデッキにはなかなかならないと思われる。それでも負け込んでしまうのは、やはりプレイングに波があるため。周りで見ている人間がやいのやいの言うのもどうかと思うのだが、場や手札の情報量が多すぎて処理出来なくなるというオーバーヒートの閾値が異様に低いのである。結局Magicはある情報からない情報を推理し、最も正しいと思われる答えを探すゲームなので(大体のゲームはそうだと思うけど)、最初の「情報処理」の時点で止まってしまうとその先はつらそうだ。特に緑白の場合は相手ボードに触らずにデリケートなコンバットだけで盤面を動かしていく必要があるため、処理の負担も大きくなる。まぁ、クリーチャー戦闘こそがMagicの花形なのだから、ここさえクリア出来れば確実に1レベルあがるはずなのだが……次回は、周りのオーディエンスは少し黙って見守ることを提案する。私も同じようなチキンなので分かるが、「周りの人間に見られてあれこれ言われる」というプレッシャーは、正常な判断力を摩耗させる大きな一因である。仮に言われなくとも、「ひょっとしたら後ろで見ているあの人は自分のプレイングを見てあざ笑っているのかもしれない」という妄想だけで、もう駄目になるのだ。破れそうなシルクのハートというのはそういうものだ。ということで、次回はフィーチャーマッチならぬ「ノーフィーチャーマッチ」制度を導入したいと思う。心ゆくまで悩んで、決断するデッキを所望する。
【Thraxi】(黒赤)→【Mei】(青黒)→【Metallica】(緑白)
↑ ↓
【Serra】(白緑)←【Alessi】(緑白赤)←【Sangriter】(赤黒)
PR