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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ひゅんっってなる、どことは言わないけどひゅんっってなる第3話。そらぁあんた、あかんで。愚地流にでも入門して何とかして回避する手段を身につけないと。

 2話目までの展開もなかなかスピーディーではあったが、3話目も内容はがっつり気味。「人格入れ替わり」というありがちなネタ回しだったのでそこからどういう風に膨らませてくるのかと思っていたが、なかなか興味深い方向性だと思う。

 人格入れ替わりを面白く描くために本来欠かせないはずの手順として、個々のキャラクターの掘り下げがある。誰が誰に入れ替わっているかも分からなければ何も面白くないわけだし、入れ替わったところで、ギャップが生まれないことにはそこに妙味は生まれない。本作の場合、そうした部分をかなりさっ引いた段階から入れ替わりが起こっていたが、そこは脚本・演出面である程度フォロー出来ており、「よく分からないけど気になる」という一定のレベルをキープしていた。そして、今回ようやく、本格的に「個人を規定する要素」が描かれ始め、1人1人が人間としての背景を与えられたように見える。まぁ、本来ならそれだけでも1話かけていいくらいの中身なのだが、テンポ重視のおかげで唯については悩みまで解決するスピード展開になっているわけだが。

 今回ほとんど登場しなかった伊織は置いとくとして、残りの4人は様々な方向から「個性」が描かれた。1番楽観的に見えている義文。彼の場合は未だフォロー役としての側面が強いが、ある意味刹那主義であり、入れ替わり自体についてもそこまで重きを置かずに楽しんでいる様子は大きな個性といえるかもしれない。また、グループ中では唯一「特定他者を想うこと」が明示的なキャラクターでもあり、「惚れた女のことだから」なんて台詞が臆面もなく出てくるのも特徴。彼のおかげで本来ならもう少しドロドロしてもいいはずの関係性が、かろうじて笑えるくらいのレベルに留まっているのは大きな効果だろう。

 前回爆弾発言でかき回してくれたのが姫子。ただ、実は今回の事件で重荷を背負っているという意味では、彼女もなかなか業が深い。現時点では何か大きな悩みがあるようには見えないが、一番の常識人であり、一番大局を見ることが出来る人間なだけに、今回の事件のマイナスの側面ばかりが見えて一人で背負い込んでしまっている様子だ。「自分が何とかしなければ」という意識が先行してしまい、あくまで自分自身も他の4人と変わらない高校生でしかないことに考えが至らない。それを背負い込めるだけの強さもあるのかもしれないが、太一と2人で会話している様子を見る限り、彼女自身も充分に揺れ動くだけの隙間は空いてしまっている。ひょっとしたら一番面倒な存在かもしれない。

 そんな姫子に心配されているのが、今回メインとなった唯だが、彼女の場合は、過去のトラウマという非常に分かりやすい傷を抱えており、5人の関係性においては、それを隠し通して見せてこなかったという、表面上の強さが最大の背徳感にも繋がっていた。信頼出来ると思われていた仲間がそうではなく、最も強いと思っていた自分が小さな存在である。2つも抱えていた微妙な距離感が、入れ替わり事件のせいで強制的に暴かれてしまう。端から見れば奇妙なジレンマではあるのだが、確かにこの歳の女の子にとっては色々と根深い問題だったのかもしれない。これまでのお話でも、彼女だけはどこか距離が空いていたように見えていたのは、今思えば非常に明示的で丁寧な心証描写だったといえるだろう。

 「唯の悩み」という1つ目の大問題が浮かび上がった文研部内で、彼女の悩みを想定外の方向から解決してしまったのが、「最低の自己犠牲野郎」こと太一ということになる。彼の場合、視点人物であるという都合もあるかもしれないが、どうやら大きな秘密や隠された中身はなさそう。非常に分かりやすい彼の特性は、冒頭で姫子が洗いざらい説明してくれた。馬鹿がつくくらいに鈍くて、目的が分からないほどに利他的な自己犠牲の化身。彼がどうしてそんな風になったのかは分からないわけだが、とにかく彼はそういう存在だ。そして、禁断の「自己犠牲」キックにより、彼は唯の抱える2つの「距離」を一気に解消することに成功する。ものすげぇアイディアだとは思うが、長期間にわたってランダムの入れ替わりを繰り返した結果として、自然に出てきたのだとしたら恐ろしいことだ。もう、この5人の中では肉体的な境界性が曖昧になり始めているのかもしれない。「男と女が入れ替わったら……」なんてもしもストーリーでは必ず持ち上がる「男性のオリジナリティ」であるが、まさかこんな形で活用する馬鹿野郎がいるとは。いや、面白い。「入れ替わりストーリーで出せるオリジナリティ」としては、アリの方向性だったんじゃなかろうか。

 まぁ、痛かったですけどね……。それにしても、ああいうアクションが直接行えるほどの関係性ってのは、実はものすごくインモラルなんじゃないか、って気もする。だって、あの瞬間に唯は確実に「ソレ」の存在を意識したわけでしょう。文字通り痛感したわけでしょう? 経験上予想がつくけど、多分とっさに握ってますよ、あれ。少なくとも押さえ込んではいますよ。男性恐怖症を謳ってる人間にそんなことさせていいんでしょうか。そして太一君、今後大丈夫なんでしょうか。事ここに及んでも、まだエロいことっていくらでも考えられる。それが「入れ替わり」ネタの恐ろしいところです。

 次週、姫子さんに何かが起こる? 相変わらず声の存在感のおかげで絶対的な強さを感じさせる姫子だが、ラストで倒れたところの映像なんかを見ればやっぱり女の子。なんだろ、最後のシーンはやたら色っぽく見えたな。

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