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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 姫子さん、結婚しよう。第4話。ホントに馬鹿だな、このアニメ。でも、この馬鹿さ加減はあまり知らない方向性だ。

 前回魔法のように馬鹿げた手段でもってあっという間に唯の悩みを解決してしまった太一が、今回はなんと伊織と姫子の2人をまとめて片付けてしまうというミラクルを見せる。この作品がどういう進行でどういう風に風呂敷をたたむのかは全く分からないが、この展開は想像していなかったものだ。まだ4話目なのに。これからどうなるってんだ。

 正直、Aパートの伊織シナリオについては大したことはしていない。というか、多分解決はしてない。伊織のトラウマとやらが他の面々と比べてもちょっと重さが違い過ぎて現実感が無いというのもあるし、そもそも彼女のバックグラウンドが明示されてこなかったので、彼女が本当に自己分析の通りの状態になっているか分からないからだ。確かに家庭環境は壮絶だ。そして、そんな辛い現実の中で形成された「他人に喜ばれる自分」という伊織の造形が、今まで見てきた天真爛漫な永瀬伊織の正体だったのか、と思うとそれはそれで驚きである。

 ただ、本人がどのように捉えていようが、彼女が「明るくて気さくな女の子」に見えていたことは事実であろうし、彼女がそのように振る舞っている間は、彼女は「それを演じている」という意識を持っていたとしても、「楽しさ」は本当なんじゃないか、という気がしてしまうのだ。「自分がどこにいるか、自分がなんなのか分からない」なんて悩みは思春期のまっただ中でアイデンティティを模索する段階ならばよくある話だし、本当に悩んでいたのだとしても、家庭環境が整ったというのなら、これから先の長い人生でゆっくりと培っていけば良いだけの話。少なくとも直接身体的な被害を受けた唯の過去よりは、対処は容易だと思われる。まぁ、だからこそ太一もあんな適当な台詞で丸め込めたのかもしれないけど。

 一番背景が重そうだと思っていた伊織のお話はそれでおしまい。そしてBパートは、いよいよ我等が姫子さんの悩みに突入するわけだ。彼女の悩みの置き所がなかなか面白くて、「最終攻略」の対象として姫子が残っていたことに関しては、素直に面白いプロットだと感心してしまった。何せ、これまでの2人が非常に分かりやすいトラウマを抱えていたにも関わらず、姫子はそれが無い。姫子自身も分析を済ませていたが、「決定的な病巣が無いだけに、対処のしようが無い問題」として提示されている。また、非現実的なトラウマと違って、姫子の抱える悩みは非常にシンプルで、身近なだけに、真に迫るものもある。普通に考えて、「人格入れ替わりもこれだけ続くと慣れてきたよね」という方がよっぽど異常な話で、姫子のように疑心暗鬼を募らせて参ってしまう方が普通の反応だろう。事ここに及んで「人格入れ替わりが辛い」と言ってくれたことは、「ようやく来たか」という気持ちである。

 彼女の場合、「自分がどうしようもないくらいに人間不信である」という負い目が悩みの中心となっていたわけだが、そんな当たり前のことで参ってしまう姫子さんが実は案外可愛いという。どう考えても、あれだけトラウマを抱えながらもなあなあで入れ替わりを享受していた他の4人がおかしいのであって、姫子さんの反応が一番普通。そのことに気付かずに自分を追い込んでしまうあたりが実に真面目だ。また、そんな状況にも関わらず回りの調整役としての仕事はすすんでこなしており、太一の恋愛関係を揺さぶってみたり、唯のトラウマをつついて膿出しを図ってみたり、他の4人の関係性をあれこれいじって反応を見ているかのようなところも一筋縄ではいかない感情である。果たしてこれは、回りを揺さぶることで他人にも自分と同じ不信感を共有させたいと思ったのか、それとも他の4人のつながりをより強固なものにしてしまおうという願望があったのか。普段が素直じゃないだけに、なかなか彼女の心情面を考えるのは楽しい。

 そして、そんな姫子に繰り出された、今回の太一のファインプレイ。もう、これだけでどんどん薄い本が作れる素敵な解決策。いや、確実に間違った療法のはずなんだけど、あまりにも間違い過ぎていて、身構えていた姫子さんも明後日の方向に弾けてしまった。すごいシチュエーションだよね。おかず報告を聞いて涙を流す女子高生って。もう色々とたまりません。ラストシーンの姫子の破壊力とかね。もうね。ほんと、アホな作品でよかった。このシナリオ作ってる原作者の発想は、天才のそれに近いな。

 というわけで、今回は姫子さんが全て持って行ったので万事OK。相変わらず中の人についての話ばかりになるが、やはり沢城先輩の構築力が半端無い。途中でどんどん自信が無くなってトーンが落ちるところの話し方が実に見事で、恐ろしく「歯切れが悪い」「口ごもる」しゃべり方になっているのに、何を言っているのかは明瞭に伝わるという、これぞ声優芸の真骨頂。また、太一の告白の後の「感情をどう処理していいか分からない感」も楽しくて、大声で罵っているはずなのに、決してそこに嫌悪感をのせずに叫んでいるのが良い。みゆきちが本気で罵倒すると、心に来る兵器になることは既に周知のことですので、姫子さんにそんなことやられたらそれこそ一生もんのトラウマになる(性癖になる、ともいう)。良いものを見せてもらいました。

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