10月5日 ドラフト模様(RTR×3)
ピック順 【Alessi】→【Thraxi】→【Serra】→【Mei】→【Sangriter】→
今年もやって参りました。年に1度のお楽しみであるセット更新である。まぁ、最近はラージエキスパンションが増えてしまったせいであんまりお得感はなくなってしまったかもしれないが、突然全てのパックから出てくるカードの価値が分からなくなるカオスぶりはなかなかのもの。そして、今ひとつコンセプトが分からず微妙な評価だったアヴァシン環境に比べて、今回は個々のギルドがはっきりと個性を示すあのラヴニカ世界だ。きっと面白いリミテッド環境が待っているのだろう。待っているに違いない。事前のリストチェックで「やたらクリーチャーが地味」とか思った気もするけど、多色環境なら何とかなる。なんとかしてくれ。ちなみに今回は諸事情により1人少ない気がするが、多分来週からは6人に戻っているって、おっちゃんは信じてる。
AL SE TH SA MT
AL ー ◎ ○ ○ ○ 4ー0 1
SE × ー ○ × ◎ 2ー2 3
TH × × ー × ○ 1ー3 4
SA × ◎ ○ ー ○ 3ー1 2
MT × × × × ー 0ー4 5
1位 【Alessi】 赤黒青 <幽霊の将軍 跳ね散らす凶漢
超音速のドラゴン>
試合開始前の、我々の基本的な興味のポイントは大きく1つだけ。「なんだかもっさり感もあるし、環境遅いんじゃね? ある1ギルドを除いては」というもの。そう、素人目に見ても、今回のラクドスのスピードはちょっと危ないんじゃないか、という気はしていたので、基本構図は「ラクドスビートとその他諸々」という、速攻、中速、コントロールの対決模様になると思われた。つまり、世界を左右するのはラクドスの解鎖クリーチャー。どう見ても強そうなあそこに人気が集中するのは自明の理。ならば、そこは敢えて避けて勝負しよう。……と考えた人間が、5人卓に2人もいたらそりゃぁエラいことに。結果、今回のラクドスビートはここに1人。しかも各パックから「跳ね散らす凶漢」を1枚ずつ、他に並ぶのは「ラクドスの哄笑者」「不気味な人足」「流血の家の鎖歩き」「死の歓楽者」「ヘルホールのフレイル使い」……無理。これは止まらない。常に1サイズ大きい陣営相手に、他のギルドは無力だ。あげくトリには何故か「超音速のドラゴン」までいるし。いやぁ、強かったね。ただ、今後のこのギルドは当然警戒の対象にはなるから、ここまでのことにはならない……はず。どうかなぁ、へそ曲がりが多いからなぁ。
2位 【Sangriter】 白緑青 <隔離する成長
兵士の育成 アゾリウスの拘引者>
「今回はラクドス避けて決め打ちしよう」と考えた奴その1。こちらは事前に「とにかく居住1本」と心を決めていたらしく、なんと1引きで居住つき帰化、「隔離する成長」である。多分、間違っている。間違っているが、やはり1回目のドラフトはそこまでの覚悟を持ってやった方が楽ということなのだろう。その後の2引きも「ドルイドの講話」と徹底しており、何はなくともセレズニアで殉職する気満々である。そんな覚悟へのご褒美か、2パック目では「兵士の育成」が登場、更に3パック目までで「戒厳令」や「アゾリウスの大司法官」など、留置関係とも手を組み、バント3色の2大キーワードデッキが構成された。結論からいうと、この世界は「居住カードはそこそこあるかトークンが出ない」というバランスになっているらしい。おかげでなかなか出足が良くないのであるが、こちらはそんな状況を予期してか、「歌鳥の売り手」を2枚集めてなるべくスピードにも耐えられるようにしてある。確かに、考えてみりゃコモンでは3マナでトークンが出るこのカードが最軽量なのだ。意外とセレズニアの立役者になるのかもしれない。その他「セレズニアの魔除け」もあるし、とにかく持ちこたえられれば、あとは3枚引いた「トロスターニの裁き」で何とか巻き返しは狙える。決め技は当然「力の合唱」だ。なるほど、これが居住のサンプルデッキになるのか。
3位 【Serra】 緑黒 <
突然の衰微 石載りのクロコダイル 刺し傷>
今回唯一2色で抑えたデッキ。みての通りのゴルガリカラーで、「突然の衰微」「ロッテスのトロール」という話題に強レアも2枚揃った。ただ、やはりゴルガリの宿命だったのか、上記2つのギルドは割と派手に暴れ回ったのだが、こちらはすこぶる地味。クリーチャーも「貧民街の刈り取るもの」あたりは当然強いが、それ以外のところは黒の解鎖と緑の活用が混じった感じで、そこまで統一されたコンセプトは感じられなかった。ただ、それは試合中の印象であって、終わってみて考えると、やっぱりアドバンテージ機構である活用ってのは馬鹿にならないのか、という気もしてくる。私との試合を決めたのも「下水のシャンブラー」の活用能力だったし、平凡だと思っていたクリーチャーが理不尽にでかくなるのは単純に脅威だ。あと、地味に普通コモンの「石載りのクロコダイル」が大事、あれのライフ差は結構でかい。「ゴルガリのおとり」と「野生の獣使い」のシナジーなんてでかい部分に目が行きがちだが、ゴルガリの地味デッキこそ、使っていて一番やりがいがある部分なのかもしれない。
4位 【Thraxi】 緑白黒赤 <ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士 門を這う蔦 穴開け三昧>
「今回はラクドスを避けて(略)」の2人目。決め打ちまではしていないのだが、狙っているデッキタイプはいくつかあり、その中にラクドスビートは無かった。まぁ、単に1引きに殉じようと思っていただけだが、それがセレズニアのギルドメイジだった。今回狙った部分を敢えて取り上げるなら「門」だろうか。「オーガの脱獄者」は結構キてるクリーチャーだと思っていたので、そこに門を4枚かき集めて安定感を出し、今回唯一4色デッキになっている。結果的に居住は物足りないレベルのデッキで、決め技が「狩猟者の協定」というのは流石にどうかと思う。完全にピックは失敗であった。まぁ、初回ですし。別に悔しくねーですし。あ、多分「火炎収斂」は無理だと思う。多色カードって、集めようと思って集まるもんじゃないよ。集めようとか思うと、無駄にデッキに「構脚のトロール」が増えるだけだよ。まぁ、アイツも思ったより大事なクリーチャーだったんだけどさ。
5位 【Mei】 青赤白 <電謀 空印のロック リーヴの空騎士>
優勝デッキがラクドスの化身、2位のデッキはセレズニアとアゾリウスのハイブリッド、3位のデッキがゴルガリフォロー。さて、残るギルドは1つ。そう、パックを回している間全員が「この青赤のスペル群はどう扱えばいいんだろう……」と持て余したイゼットである。正直、現時点においてもこのドラフト環境でイゼットをどのように扱っていいのかよく分かっていない。分かっていないのだが、そこに敢えて飛び込んだ人間がいたのは事実。まず、その勇気と意地は評価したい。デッキとしては「ニヴメイガスの精霊」というレアを中心においてしまったのでサンプルにはなりにくいが、カウンターで拘束しながら「電謀」「劇的な救出」といったインスタントトリックが時間稼ぎ、最終的に「リーヴの空騎士」や「空印のロック」、そして充分サイズの「ニヴメイガスの精霊」で決めるというデザインは、「まぁ、クリーチャーも少ないし、そうするしかないのなか」という感じ。使ったスペルは「電謀」が一番であとは「イゼットの魔除け」「取り消し」あたりになり、結局「薬術師の計略」や「慢性的な水害」あたりはどう使えばいいのか分からない状態だ。さて、次なるイゼットはどのような姿で現れることになるのか……。
【Alessi】(赤黒)→【Thraxi】(緑白黒赤)→【Serra】(緑黒)
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【Sangriter】(白緑青) ← 【Mei】(青赤白)
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