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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 あのすき焼き屋の中ってあんな風になってるのかー、第5話。店の前を通ると、割と目立つところにどさっと肉のディスプレイがあるのでやたら目立つ店である。当然、入ったことなどあるはずがないけども。すき焼きってほとんど食べたこと無いし、あんまり食べたいとも思わないのだが、今回はちょっと食べたくなった。出来れば弁天さんと一緒にね。

 前回は京都の夜空を舞台にした船合戦の大活劇。それに対して、今回はおっさん共がだらだらと酒を飲みながら鍋をつつく飲み会の様子を描くだけという、現代アニメに対しての挑戦じゃなかろうかと思えるほどにそそられないシチュエーション。「日常もの」アニメは数あれど、萌えキャラもなくここまでの「どうでもいい」光景が描かれるというのはなかなか無いことだろう。しかし、それこそがこのアニメの真骨頂といえる部分なのかもしれない。「森見節」とでも言うべき飄々とした会話劇は、特に奇抜な部分があるわけでもないのにどこかクセになる気持ちの良さがある。ひたすら「引っかかる」言い回しのみを多用して視聴者を煙に巻く西尾維新あたりとは全く趣の違う味わいである。シナリオ上も、ごく普通の会話を続けながら、「はたしてこの次のシーンでは何がどうなっているのか?」と気になってしまう誘致要因があるのだ。こればかりは理由を掴みかねるが、おそらく「小説」ってのはそういうものなんだろう。そして、「アニメ」というのもこういうものがあるわけだ。

 「金曜倶楽部」なる謎の集いの面々は、なかなか筋の通ったしょうもなさである。話している内容は単なるおっさんの無駄話だし、それなりに富裕層の集まりのくせに、すき焼きの肉を奪い合うようなみっともない姿も平気で見せる。「あの下鴨総一郎を食ってしまった憎き仇敵」という集まりのはずなのに、まったくそんな大役は似つかわしくない庶民的な顔ぶれである。気付けばその中に母君の恩人が混じっていたり、単に「父の敵が憎い」という分かりやすい筋立てにはなってくれない。そもそも、総一郎自身が「狸と生まれたならば、鍋として食われることもあろう」と受け入れてしまったらしいし、阿呆息子の矢三郎にしても、このモットーは受け継いでしまっている。更に相手があの弁天と来れば、もう仇も何もあったもんじゃない。あくまで「弁天を飾り立てる装飾品の一部」といった程度の扱いだろう。狸を食う弁天、天狗を手玉に取る弁天、そして人間界でも奔放に振る舞い、地元名士を翻弄する弁天。結局、この作品はどこまで行っても彼女に帰結する。だらだらと続いていた飲み会にも飽きが来た彼女がふいと抜け出してアーケードの上に降り立ってからが、今回の見せ場である。「月を持ってこい」とどこかで聞いたようなリクエストをする弁天に、へらりと返す矢三郎。2人で酌み交わしたカクテルグラスは、それまでのすき焼き屋のビールグラスとは全く違った距離感になっている。「食べちゃいたいほど好きだもの」という今回のキーワードを矢三郎に漏らす弁天の本心は相変わらず見えてこず、常に命の危機に直面し続ける矢三郎は、緊張感の中にも、弁天の心情を探る突端を見つけたような気がする。布袋こと淀川氏が「愛です、愛」と語っていたわけだが、この「愛です、愛」というフレーズは、「四畳半神話大系」で小津が毎回繰り返していた殺し文句でもある。相変わらず、この人が描く情愛というのは計り憎くて面白い。

 前回に引き続いて夜の京都がクライマックスになったわけだが、らんちき騒ぎだった前回とがらりと変わって、目立つものは大きな月だけ、という寺町アーケード上の秘密の会合。難の飾り気もない雑多な「舞台裏」で、裸足のままぺたぺた歩く弁天というギャップがまたそそられれる。どこまでも気丈に、完璧に見える弁天だが、茶目っ気がにじみ出る上に、子供じみたところが多く、気取ってマティーニを干しながらもなんだかだだっ子のように手のかかる面もある。そりゃまぁ、この人に食べられるなら、それもまた面白いかも、と思わせてしまう女性である。3話では現実感の乏しい時計塔でのバカ騒ぎが目立ったが、今回はまごうことなく実在するはずなのに、誰の目にも触れない文字通りの「天上」での一幕。こういうシーンがさらっと描けて、そこに不可思議な幻想性が出せる作品作りこそが、最大の見どころなのかもしれない。間違っても聖地巡礼とかしちゃ駄目だぞ。

 そういえば、今回久しぶりに夷川のご息女である海星が再登場したが、相変わらず姿は見えていない。丸まってあの箪笥の中に入ってしゃべっている彼女(狸)の姿を想像すると、なんだか可愛らしい。「出られない」って言ってたけど、あの後大丈夫だったんだろうか……。

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