○「東京レイヴンズ」 5
感想を書く上で差別化が難しい作品。ある時期の流れのせいでこういう作品を見ると「おっ、ガンガンコミックか? それともブレイドか?」と思うのだが、どうやらラノベであるらしい。でも今みたら多分こういう直感の原因になっていると思われる「少年陰陽師」もラノベだった。なんやもう、いい加減な記憶しかない。
前半パートははっきり言って退屈な進行。主人公の男に悪友1人、それに仲の良い女友達1人の3人状態でお話が進み、主人公は女の子とそれなりの相思相愛という、実に良いバランスの青春なのだが、バランスがとれているだけに崩す要素も少なく、「もげればいいのに」と思うしかない内容。画も並レベルだしいくらか古くさくもあり、何をとっかかりに見ればいいのかよく分からない。陰陽師云々という話も既に手垢の付いた題材であり、花澤キャラが出てきても、あんまり冒頭の3人の関係を引っかき回す役には立ってくれそうもない。一体どんな作品なんだろうと首をかしげてしまう。夏祭りのシーンでもこれが続き、単に2人していちゃいちゃしているところを眺めることになる。女の子が可愛いのが不幸中の幸いだが、それでもやっぱりもげろ感は高まる一方だし、途中で考えることといったらヘアバンドのにーちゃんが嫉妬に狂って女を奪って逃げたりしねーかなー、という妄想くらい。なんやねんこの平和な世界。
そして、ラスト5分でようやく転機。金髪ドリルのあやねるが登場し、ようやく陰陽師設定が主人公のところへやってくる。スタンド発動後のバトル(というか一方的な蹂躙劇)は何が起こっているのかさっぱり分からないが、ガシャンガシャンと細かいギミックが稼働するスタンドの形状は、およそ「陰陽師バトル」とはほど遠い。術者を体内に取り込んでの技発動シークエンスなんかは分からないなりに面白く描かれており、制作を確認してみるとエイトビットの手によるものであるらしい。あー、なるほど。このあたりの怪しげなバトルの展開が見どころとして補強されれば、ここからのシナリオにも多少メリハリは出るかもしれない。
基本的に、登場人物が少なくて世界の広がりなんかはまったく感じられないお話なので、勝負はメインキャラクターの個性の強さということになるだろう。男キャラはまったくピンと来ない段階だが、幼なじみっぽい子は素直に可愛らしいと思えるし、金髪ドリルのキャラはなかなかくどくて良い。まぁ、2キャラとも中の人に助けられてる面はあるかもしれないけども。やっぱりひーちゃんボイスが無双しているなぁ。そしてあやねるである。「祭りの屋台で『マスター、カード使える?』」って、完全に「佐倉さんひくわー」じゃないですか。もしくは「おっとなー! フゥー!」。あやねるにビッチ役をやらせるときの空虚な感じがたまらんですね。ちんこもげ、ちんこ。
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