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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ようやくお出ましの三男坊、第5話。実質主人公のはずなのにここまで引っ張られただけあって、なんだか随分情緒溢れるお話になっていましたね。あれ、でも「異世界から来たヒーローが人々を助ける話」と考えると、コトがヒーローで明恵はヒロインなのかな……。

 ここまで確認してきた三人議会の面々は、鞍馬が「変化を求める」ために外との接触を画策しており、母との思い出を守りたい八瀬が「変化を拒んでいる」ために外との接触を否定していることが明らかになった。もちろん、八瀬は「変わること」が「失うこと」に直結していると考えているせいで変化を拒絶するのであって、最愛の母との再会が叶うのであれば、外との接続もやぶさかではないだろう。「両親に会いたい」という願いは、3兄弟に共通のものであるはずだ。

 しかし、そんな中でもなかなか複雑な感情を持っているのが、今回登場した三男の明恵である。一人「人間の」子供である明恵は、今回その悲壮な出自が明らかになり、「両親」という言葉についてもなんだか複雑な事情があるようだ。現状で分かっていることは、彼は当然、古都と稲荷の本当の子供ではない(まぁ、絵から出てきた兎に子を成せるとは思えないし)。何らかの災害(人災?)に巻き込まれ、自宅の火災で両親を失ってしまった悲壮な少年を、稲荷が拾ってきたという。あの現場で割腹しようとしていたことを考えると、単なる事故などではなく悲劇的な背景事情があったのではないかと思われる。そして、そんな凄絶な現場からひょいと捨て犬でも拾ってくるかのように人間一人回収してきた稲荷が怖い。薬師丸に「兄」と「姉」が出来たのがこれより後であることは既に語られていたが、心に傷を負った彼がどのようにして「両親」との交流を行ったのかは定かではない。どれだけ優しい両親だったとしても、あんな事件の後では、ある程度時間を要する出来事だったのではなかろうか。

 しかし、最終的には稲荷は息子に「明恵」の名を譲り、数珠と共にその力も譲り渡しているようである。外に出てしまった稲荷は「必ず帰ってくる」と約束し、その間、鏡都での「明恵」としての仕事をただ1人、人間である息子に任せたのだろう。受け取った息子の方は一体どのような気持ちだったのだろうか。その当時は少し寂しい程度のものだったかもしれないし、父親に委ねられたことを誇りにも思ったかもしれない。しかし、今となっては「帰らぬ父」に苛立ちと郷愁を覚えているのは間違いない。一度失い、奇妙な形で取り戻したはずの「両親」が、また失われているのではないかという不安は、彼を忠犬のごとき空しい日課へと駆り立てている。明恵としての責任を任されながら、何も出来ずにただ待つばかりの自分。コトに向かって「遊んでばかりいるな!」と怒鳴りながらも、気付けば自分も何もせずに日々遊んでいるばかりであることに気付いてしまう。「待つ」ことは自己満足であり、与えられた仕事ではないのだ。

 悩ましい明恵。それを見て「悲しんでいるのは自分だけじゃない」と鼻で笑う兄と姉。そして、そんな明恵を気にしているのか、そうでもないのか、強引に外へと連れ出すコト。前回行われた「駅開き」のイベントは今週も続いていたが、どうやら「電車に乗る」というのが、何らかの「離脱」を意味するようである。捨てられた物品は電車に乗って一体どこへ行くのか。それは、兄弟たちが望む「外」であるのか。まぁ、阿吽の2人は「禁足地」とやらに行ってしまったみたいだけども。何とも凸凹な2人の旅路の果てに、ついに明恵は決心を固め、コトに「兎」が自分たちの母親・古都であったことを明かす。そして、その探索に協力することを告げると同時に、「見つかったときには、お前が俺を殺せ」と衝撃的な提案をするのである。

 正直、現段階でこの明恵の提案の意味は分からず、推測するしかない。手がかりとなるのは、やはり今回出てきたハチ公のたとえだろうか。鞍馬はハチ公の物語を彼らしいニヒルな視点で捉えており、「待つことが目的だったのではなく、死ぬことが……」ということを臭わせている。つまり、ハチ公はもう、愛すべき主人の帰りが無いことを知っており、後を追うために、最も納得の行く形で自分の人生に幕を引いたと。そのハチ公に明恵を重ねてしまうと……いや、でも流石に稲荷も古都も「外」では生きているだろう。少なくともコトの「先生」は少し前までコトと対話しているのだし。だとするなら、「死んでしまった主人」のたとえは、「本当の薬師丸の両親」の方に向かうのか。一度は腹をさばいてしまった薬師丸。稲荷の気まぐれで命は助かったが、「始まりと終わり」を表す阿吽の話を引き合いに出し、その「出会い」へと収束し、命を絶つ所までを求めるというのか。

 コトに食わせた石榴の実。現れて沈んだ二重螺旋。コトが落とした鏡のような装飾品。謎は減るどころか増える一方。うーむ、やはり一筋縄ではいかぬ作品。本当に退屈させないなぁ、と感心していたら……次回なんやねん。いや、僕は楽しみですけどね。うりょ子頑張れ。

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