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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 考えてみりゃこの家系って女の子が全員プリキュアになる血筋だ、第7話。鏡都崩壊もそうだけど、東映作品の世界の終わりは、割と容赦無くて見ていて戦慄する。

 鞍馬の企みによって異界に飛び込んだコトは、ついに念願叶って「ママ」との再会を果たす。2人の「こと」が出会い、そのまま鏡都に帰還を果たしたことで、関係者はそれぞれの視点からお祭りムードに。そりゃまぁ、ここまでのお話は全て「親に会いたい」の一心で進んできた物語ですものね。一番分かりやすいのは八瀬で、母親への憧れが強かった彼女は隠そうともせずに喜色満面。あの頃の思い出を再現するためのティーパーティー、母親に見て欲しくてずっと取って置いたコレクションの自慢。鏡都の管理者として立派に責務を果たしたことを褒めてもらえる喜び。全てが望んでいたことだっただけに、古都が突然「帰る」と言い出したら即バーサーク。これはもう、しょうがない。

 愛情表現が下手な子供みたいな半端な反応を示したのが、鞍馬と明恵。どちらも「男の子は母親に素直に接するのが苦手だよね」みたいな感じにも見えるが、実のところ、彼らの執着は古都よりも父親である稲荷に対しての方が強い。もちろん母親の帰還は喜ぶべきことであり、鞍馬も普段はあまり見せないような微妙に歯切れの悪い態度で困惑とかすかな喜びは示しているように見えるが、あくまで古都は「付属品」であり、全ての中心にいるはずの稲荷の帰還までは気を抜くことは出来ないのだろう。明恵の方も同様で、フレンドリーな母親の帰還を素直に喜ぶことが出来ない不器用さに加えて、自分とコトは鞍馬たちの計略に丸め込まれて「負けた」上での帰還劇という部分もひっかかっているのだろう。現状が大団円に見えないのも致し方ないところだろう。

 八瀬と同様に喜びを示したのは、コトも同じだった。2人の会話から察するに、コトは自分の母親の記憶は残っていなかったようであるが、それでも憧れていた「ママ」との再会は素直に嬉しいと思っていた。なかなか話の分かる母親のようだったし、思い出話に花が咲くと2人の間に横たわる「先生」の存在もクローズアップされる。要所に血のつながりが感じられる2人の対話は、思い出の共有こそ一切無いものの、充分に家族の絆が感じられるものだった。夜の縁側、少しずつ距離を詰めて肩を寄せ合う2人を上からの俯瞰で描いたカットが実に叙情的で、ちょっと目頭にくるものがある。目の色は兎らしい赤を宿して母親似。珍しくリボンを解いて梳いてもらった素直な髪の毛は父親似。コトのそこかしこに、探し求めていた「両親」の姿が見え隠れする。

 しかし、残念ながらそれで話が終わるようなハートウォーミングなだけのアニメではない。古都が「戻らなければならない」と言ったことで事態は再び渾沌へ。コトの言葉を借りれば古都がこれまでずっと隠遁していたのは「神社の聖域」と呼ばれるエリアらしい。古都が何故そんなところに幽閉されていたのかは定かでないが、彼女の言葉から類推するに、古都の存在が鏡都に重なってしまうと、世界の安寧が保たれないと(少なくとも古都自身は)考えていたようなのだ。この「鏡都と古都の不協和」を解決するために稲荷も外の世界に出ており、無事に解決したら二人で戻ってくると、そんな算段だったのだろう。1人で戻ってきた古都も、娘を前にして、「あの人を助けることが出来るか」と稲荷について言及してコトを悩ませることになってしまう。

 念願の再会を果たした母親にも、父親のことを問われるコト。彼女にしては珍しくこの不思議な状況には心が揺れたらしく、明恵の部屋へ潜り込んで弱音を吐露し始めた。自分だって何が何だかさっぱり分からない。これまでずっと「先生」のいう通りに生きてきたし、今回の件だって、何も分からないからこそ鏡都に乱入し、何とか自分の腕1つで謎を解き、先生との再会を望んでいたのだ。それなのに、世界は答えを与えるどころか、彼女に問いかけてばかり。なるほど、ちょっと腐ってしまうのも何となく分かる気がする。母親でさえ彼女に対しては「与える」以外に「求める」ことになってしまい、理想とのギャップが大きくなってしまったのだろう。

 そんなコトを見て戸惑う明恵のもとへ、ついに現れた諸悪の根源(?)。世界を断ち切り、いつものように悠々と姿を現した稲荷・明恵上人・先生。なんだか身体のサイズが縮んでいたようにも見えるのだが、その不遜なしゃべり口は間違いなくみんなの知っているあの稲荷に違いない。明恵が、鞍馬が、古都が、そしてコトが求めた男がついにこの鏡都に帰還した。それも、とびきりの災難を引き連れて。突如始まった世界の大崩壊。これは稲荷が鏡都との「不協和」を持つために引き起こされたのか、それとも彼の言うように、コトがちょいと暴れて世界そのものに傷を付けてしまったことがマズかったのか。あくまでも作り物でしかない「絵の世界」であった鏡都は、確かに外から見ると大きくひび割れ、今にも崩れてしまいそうになっている。世界内部でも、少しずつものが消え始め、星々が落下して阿鼻叫喚のドゥームズデイである。まー、その割に鞍馬なんかは冷静に見えるのだが、はたして、鞍馬や古都はどの程度予測していた事態だったのか。相変わらず謎はすっきりと解決しないままに次回へ続く。

 今回は、世界構築の謎もそうだが、コト出生の謎という大きな要素も、改めてフォーカスされることになった。「母親」である古都が出てきたのだから全て解決するものだとばかり思っていたが、結局、そのあたりの回想は「過去」としては語られていない。元々、作り物である古都は人間(?)の稲荷とは子を成せず、そのために薬師丸を他所からかっぱらってきたり、鞍馬や八瀬を産みだしたりしたはずなのだが、コトは「遺伝的に古都の血を引いている」ような描写があり、額面の意味以上に「稲荷と古都の子」であるように語られているのだ。そして、当然のように古都は娘のことを「鞍馬たちの妹」とも言っている。これまで、親が同じであるはずの三兄弟とコトの間には、当然語られるべき「兄弟」という文脈が欠けていたのだが、それが今回するっと補完された。一体どのような経緯でこの「兄弟」が生まれることになったのか、そのあたりにももう一悶着ありそうだ。うーむ、引っ張るなぁ。

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