毎度当ブログをごらん頂きありがとうございます、第82話。何故突然お礼のあいさつから入ったかというと、実はうちのページ、閲覧数と反応が一番多いのがこの「Ω」記事なんですよね。ありがたいことです。拍手コメとかにお返事する場所ってのが無いので、突発的にここで御礼申し上げます。こんなアホなこと好き勝手書いてて反応もらえるっていうのもありがたい話です。
閑話休題、不死鳥劇場の第82話。前回の予告の時点で「一輝とアイガイオンがぶつかるだけだろー、兄さんが出てくるからそれだけで楽しそうだけど、シナリオ面はすげぇありきたりなガチ殴り合いだよなー」と思っていたのだが、サイドでも案外色んなファクターが出てきて予想以上に面白かった今回。大きく分けると、主戦場となったアイガイオン戦が当然メインだが、その脇では「黄金聖闘士達が紡ぐ温かい大人の語らいコーナー」なんてのも用意されているし、相変わらずイチャイチャが止まらないパラス・タイタン組を中心とした四天王昼ドラパートもアツい。正体問われて悩む昴を「志が同じなら頑張れるよ!」とほだされちゃった栄斗・エデン組を見て、なんかすげぇ忌々しそうにしてる氷河さんなんて一幕も。エデンは「まだお前のことは警戒してる」ってはっきり言っちゃうあたりがいい人。
さて、主戦場の話である。一輝の登場でまたテンションが上がるアイガイオンさん。まともに殴り合える相手が登場したことで他のことなんてどうでも良くなってしまったらしく、前回立ち上がることすらままならなかった光牙たちが何事も無かったかのように元気に横を駆け抜けるのも気にしない。一輝に対して「こないだの試合は手加減してたからネッ!」と強がってみせる余裕があるなら、一応パラスに気を遣って光牙たちを妨害しながら一輝と対戦して欲しかったものだが、基本的にパラスの護衛云々はどうでもいいと思ってる人たちなので、むしろ人間サンプルとして興味深い一輝に集中する方がいいと思ってしまったのだろう。「お前を見て人間の可能性に結論を付けてやろう」と語るアイガイオンだが、出来ればその人外としか呼べない化け物をサンプルに人間を語るのは勘弁して欲しいです。
技が1つしかない似非インテリと、鉄板テンプレを持つ一輝兄さんの試合ということで、試合内容は至ってシンプル。最大出力の重爆雷斬刃で一度は聖衣を消し飛ばす展開になったものの、「聖闘士は脱いでからが本番」はこの世界の基本理念。既に聖衣が壊れるところまでが技の一部となっている一輝は、そこからすぐに立ち上がり、聖衣を復活させ、なんとワンパンで雷斬刃にひびを穿ち、そのままの勢いであっという間にへし折ってしまった(ついでに作画が面倒そうなグラビトンテクターの背中ギミックも吹き飛ばしてくれるあたりが優しい)。あまりのあっけなさに「流石にチートだろ、玄武さんの頑張りがかすみすぎるわ」と思ったものの、「既にその剣は死に体だったのだ」というフォローが入ったおかげで、一応大義名分は立った。加えて、光牙がひびを入れたことを考えると、ひょっとしたら重爆雷斬刃は他の聖剣に比べると硬度に重きを置かない品だったのかもしれない。そもそも「聖闘士には同じ技は2度通用しない」ですからね。拠り所である聖剣をへし折られたアイガイオンさんは幻魔拳にも打ちのめされかけ、謎の黒幕の記憶を脳裏に浮かべるところまでいったものの、そこは四天王の矜恃か、無理矢理ご自慢の脳を傷つけることでギリギリ背信行為は踏みとどまった。まぁ、宣言をした後の幻魔拳って実は割と破られることが多いのだけど、こうして諜報目的で使われたものを真っ向から打ち破ったのは割と偉い。というか、アイガイオンさんは聖剣へし折られた後のガチモードの方が容姿にもフィットしていて恰好良かった気がする。
結局、最後は拳と拳の語り合い。お互いの実力が伯仲していることを認め合い、理屈抜きのタイマンで決着を付けた2人は、お互いの合意の下、跡形もなく消え去ったのであった。拳を交えている間、一輝が後の世代にアテナを託す旨の話をしていてなかなかアツかったのだが、このときにポロッと出てきた無視出来ない情報に「Ω」についてのお話がある。これまで作中で小出しにされてきた「Ω」という謎概念の情報であるが、「セブンセンシズをも凌駕する」という以外に何も分からず、「エイトセンシズとちゃうんか」と思われていたものに、新たに「仲間と一緒じゃないと駄目」という要素が追加された。なるほど、一輝が「一人では到達出来ないから俺には無理」と言っていたのは分かりやすい制限で、チーム戦闘を基本としている今作にはしっくりくる概念である。アイガイオンさんは「俺も目指したけど無理だった」なんて失敗エピソードをポロッと漏らしているが、そう考えるとやっぱり四天王って仲良くないのかな……。
ともあれ、シリーズ史上何度目となるかはよく分からない「一輝の死亡」イベントは完遂された。多分瞬なんかは「また兄さんが旅に出ちゃった……」くらいの寂しさなんだろうが、小宇宙の消失を感じた他の面々は流石に慣れていないのでショックが大きい。「かっこつけやがって!」と悔しがるのは、過去にも何度となく主人公のポジションを脅かされた経験がある星矢。まぁ、今回はラスボス戦まで一輝が残っていないので、多分一番いいポジションは残されてますよ。そういえば、今回珍しく星矢がアテナの下を離れて前線で戦ってましたね。既にお家芸となった謎の進軍ポーズで迫るパラサイト兵を蹴散らして、何かと悩みがちなハービンジャーさんを茶化しながらの道行き。このハーさんを中心とした黄金どうしの掛け合いも今回の見どころで、星矢はハービンジャーのことを信頼し、「仲間だ」というところを強調していたし、そんな星矢を見て在りし日の栄光を思い出す貴鬼の表情にも思わずニヤニヤ。そうだよなぁ、当時追いかけていた背中に並んだっていうのは、やっぱり感慨深いものがあるよなぁ(まぁ、当時の星矢もまだ小学生とか中学生くらいの歳のはずなので、実はほとんど世代に差は無いはずなんだけど)。そして、一人アテナに付き従っていたフドウは、未だ人の世が救う価値のあるものかを迷っているのである。去年のシリーズであれだけ駄々をこねた男である。そう簡単にアテナに鞍替えしてはちょっとキャラとして弱いな、と思っていたが、まだ彼の持ち味である「物騒なまでの平和の理念」はちゃんと残しているようでちょっと嬉しい。ここからハーさんなんかと一緒に黄金どうしのアツい触れ合いを通じて正式に仲間入りして欲しいところだ。暴れ者で群れるのが嫌いなハーさんが一輝の最期(仮)を見て悩ましげにしてたのも良いセッティングであった。
そんな和気藹々としたアテナ側と対照的なのが、ついに四天王の一角を失うことになったパラス陣営である。アイガイオンのスタンドプレーにマジおこだったパラス様は、ついに神らしい力を発現させて側近たちを焦らせる。幼女の世話をするのが面倒になったハイペリオンさんが「もう、あれいらないじゃない?」と刀を取り出しかけたが、そこは当然タイタンさんの愛が鎮める。必至にパラス様を抱きかかえるタイタンの一途な姿を見て、感極まると同時に「真性か……」とため息。ハイペリオンさんも苦々しげな表情である。ちなみにその後のシーンでハイペリオンはガリアさんと一緒にアイガイオンの死を悼んでいるわけだが、「アイガイオンは四天王の中でも最弱」っていう台詞が出てこなくて本当に良かったよ。
そんなアイガイオンの遺品となる重爆雷斬刃の破片を回収しに出てきたのは、なんとあのエウロパさんだった。そういえば、一輝が消えてしまった現時点において、ミラーさんの相手をする聖闘士がいなくなってしまい、エウロパ陣営は割とやりたい放題な気が。彼が誰の意志で動いているのかが未だに読めないのだが、どうも、四天王以上の何かが彼のバックにはついているようだ。単にクロノスの直属部隊なのかしらね。2級のくせになぁ。そして次週は、そんな2級パラサイトの中から、割と地味めなのに強さが印象的だったレアさんが登場。どうやら紫龍のエクスカリバーと対決する模様。……って、おまえライブラちゃうんか! エクスカリバー使うなよ! いやまぁ、シュラさんの遺志はずっと胸の内に秘めててもらって構わないですけども。ちょうど天秤座のソードは玄武が使って破損しちゃってるしね。Ωシリーズでは扱いの悪かった山羊座がこんなところでねぇ。ちなみに、「ずっとライブラ聖衣着っぱなしじゃ調子でないだろ。紫龍、いつ脱ぐの?」と思いながら次回予告を見ていたら案の定脱いでるシーンが出てきて「やっぱり!」と思ったのだが、脱いだのは、龍峰の方だった。受け継がれるキャストオフの血脈。それでこそ真のドラゴンよ。
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