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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 収まったんだ……丸く……第9話。こんだけ綺麗に収束するなら何で今まで揉めてたんや、って気もするんだが、そこがこのドラマの集大成だからねぇ。大丈夫、今期だったら流子と鮮血の方がわけ分からないくらい喧嘩してるから。

 事ここに及んではもう無いだろうと思っていたのだが、ちゃんと用意されていた夏夜ちゃんメイン回。これまで「何となくでかくてエロそうな子」というイメージしかなく、前回で「あれ、割と良い奴やん」と印象が変わってきたところだったのだが、そうか、彼女は被災者という側面もあったのか。震災の影響をもろに受けた気仙沼の出身で、被災した衝撃から抜け出すための1つの手段としてアイドル活動を行っていた彼女。そんな重たい夏夜の過去が、同じように「逃げた」と自己分析する真夢の心を解きほぐすのに一役買うことになった。明らかな「天災」である地震の影響と、確実な「人災」であるアイドルの失墜を同様に並べるのはいささか乱暴ではあるが、どちらにしても1人の少女の手に余る大きすぎる障壁という意味では、彼女たちの中では近いものがあるのかもしれない。

 現実に向き合うことを恐れていた夏夜だったが、WUGの活動を通して、少しずつ目を開けるようになってきた。今回、彼女が合宿を提案し、叔母の経営する旅館へ全員を招いたことは、彼女が震災という自分の過去と向き合い、改めて現実と戦うことの決意表明となった。彼女のオリジンを辿り、その重さを認識することで他のメンバーとも絆を深めるとともに、真夢に「自分一人だけじゃないんだ」という意識を持たせることになる。これまで頑なに過去を話すことが無かった真夢がついに心を開き、夏夜にだけは全てを語って聞かせたことで、ようやくWUGには最後のパーツが揃ったといえるだろう(どさくさに紛れてくっついてきた菜々美はおいとこう)。思い返せば、この作品は「震災復興」を1つの目標としており、そのために仙台に本拠地を置いたアイドルを描いているのであった。その彼女たちが、震災の爪痕と改めて向き合うことが直接的に前進するきっかけになるというのは、なかなか気の利いたシナリオである。ただ単に「悲劇だ」ということを繰り返すのではなく、結果として何が失われ、何を作り直すべきなのか、という部分を押しつけではなく提示することが出来ているのではなかろうか。

 そして、「絆」という復興のテーマを体現するのがWUGであるならば、その対極に位置するのがI−1ということになる。何度も繰り返し書いているが、I−1の理念自体は決して間違ったものではない。社長の打ち出すテーゼは「商品の生産者」としては至極真っ当なものであるし、「ニーズがあるからそれに応える」というのは商売人の鑑。「正しい」「間違っている」の判断を下すのは、売る側でも、売られる側でもなく、あくまでも消費する側。それならば絶対遵守の「戒律」だって、一つのモラルとして成立するのである。それにアイドル自身が反感を覚えるかどうかは別問題なのだ。真夢が語った彼女の脱退の真相についても、真夢と社長のどちらが正しいということではない。安易な表現を使えば「どちらも正しい」ということになるが、社会的に考えれば「雇い主に逆らうということはそれくらいの覚悟が」云々といった社長の言説の方が優位ではあるだろうか。恋愛禁止の戒律の下でアイドル活動を続けることはあくまで契約の一環であるわけで、そこに反感を抱き、変えていきたいなら、それ相応の手順が必要だった。残念ながら、真夢にはそこまでを成し遂げる力が無かったのである。

 もちろん、それは真夢が間違っていたということにはならない。彼女の持つ「人間的な」感情は至極もっともであるし、彼女の持つ「アイドル像」が社長とビジョンを異にするならば、それをぶつけて判断を仰ぐプロセスはあってしかるべきだ。その上で、「I−1ではいられない」ことになったのなら、それは彼女の「選択」でしかない。しいて今回の「悪役」をあげるならば、個人的には真夢の母親が一番の害悪だったんじゃないかとは思う。あの状況で実の娘の気持ちを応援してやれず、自分の身の上ばかりを嘆くというのは、はっきり言って母親失格である。真夢が挫けて心を閉ざしてしまった原因は、どちらかというと社長との確執ではなく、母親の不仲の方が大きいのではなかろうか。そこだけは純粋に不愉快な部分であったが、ある意味、今作では貴重な「悪役」ではある。

 こうして形成されてしまった真夢の「逃げ」に対し、同様の悩みを抱えた夏夜が手をさしのべ、その意志を受け取って、無事に佳乃も真夢を受け入れることが出来た。真夢が一度は挫けてしまった「理想のアイドル像」を目指して、改めて7人で頑張っていくことになるのだろう。流石の菜々美もここまで来てしまったら空気読むしかないんやな。一応、「真夢や佳乃たちの純粋な向上心を見て、光塚以上の価値を見いだしたため」と良いように書いておきましょうね。ビリビリに破った紙を放り投げた時には苦笑いしたが、その後律儀に回収してるのを見てやっぱり笑えた。「ヤマカンがアニメで被災地の環境を破壊した!」とか文句をいう連中を牽制する意味もあったのかもしれない、とか空しい考えも頭をよぎるのであった。

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