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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 この期に及んでシリーズ最大のサプライズを連打、第19話。話数から考えて流石にこれが最後の一捻りだと思うのだが、世界は一体どこへ向かうのやら。

 前回「宇宙の意志」が伝えた世界のゴールは、夢オチでも何でもない紛れもない事実。しかも、羽佐間だけがその終わりを認識したのではなく、世界中が「サムライフラメンコによる終焉」を認識しているという。この世界に起こった全ての出来事は事実であり、この世界はたった1人のヒーローによって救われた後の世界だったのである。「悪」と呼ばれる存在が無くなり、英雄となったサムライフラメンコも事実上のお役ご免。そこには理想化された素晴らしい世界が待ち受けており、おばちゃんはちゃんと朝になってからゴミを出すし、羽佐間を見れば誰もがにこやかに声をかけてくれる。羽佐間が裸一貫の「正義」から成し遂げたがった世界がここにある。しかし、そんな理想郷を前にしても、羽佐間はなんだか「もやもやしたもの」を残していた。表面的には「正義の執行が出来ないことによる物足りなさ」がまりに近い感情として残っているのかとも思ったのだが、羽佐間はそうしたエゴイスティックな感情はあまり持たないタイプの人間。純粋に、この世界に違和感を残しているようである。

 そして、事態を動かすのはもう1人の主人公、後藤であった。世界が平和になり、ようやく激務と不思議空間から解放された後藤は長年の願いだった彼女とのデートにこぎ着けるが、そのことに反感を抱いたまりの強引なストーカー調査により、そのデートが後藤の抱えた最大の傷であることが明かされてしまう。これまで幾度となく作中に登場し、ターニングポイントで後藤を支えてきた「彼女」の存在は、何と後藤の自作自演による架空の存在であったという。もう、どうしていいか分からないサプライズだ。まさかの「独り相撲」オチはこれまでの後藤のキャラクター像からあまりにかけ離れた、絶望的な事実である。あれだけ常識人であり、あれだけの人情をもって真っ直ぐに羽佐間と対話してくれていた「世界の中心」であった後藤が、まさか一番「世界を見ていない」人間だったとは。彼の普段の言動は、たった1点での心の闇を臭わせることなど無かったために、この衝撃はかなりでかい。改めてシリーズ全部見直さないことには確認も出来ないが、あのときも、あのときも、あのときも、全て後藤は一人で悩み、一人で答えを出し、一人騙し、騙され続けていたのである。あまりにも悲しくて、あまりにもやるせない真実ではないか。

 結局、世界に「悪」は無くなったが、「悲劇」が無くなったわけではない。後藤の彼女が巻き込まれた神隠しの真相は明らかにされていないが、事故にせよ、事件にせよ、過去に起こってしまった不幸は今更取り返しがつかない。そして、過去に傷ついた人の心に対して、羽佐間は何も出来ない。これまでずっと自分を助けてくれた「親友」の一番の悲しみに何も出来ていなかったことを知り、世界を救った英雄はひどく傷つくのである。もちろん、どうしようもないことではあったのだろうが、結局単純な「ヒーロー」が振りかざす正義と、人々の幸せはイコールでは結ばれないことなのだ。そんな当たり前の事実を今更確認することで、これまで重ねてきた「正義」の多重構造は、あっさりと意味を失ってしまう。一体どこまでいけば、羽佐間は自分の求める「正義」にたどり着けることだろう。

 そして、最後にはもう1つのサプライズも用意されていた。意気消沈しながら帰途につく羽佐間の前に、1人の少年が現れる。握手を求められたので羽佐間が素直に接触すると、突如として少年は長口上を語りだす。そう、第1話でサムライフラメンコが立ち上がり、正義への道を駆け上がることになった全ての起点である、あの公園での説教の文言だ。一字一句違わずに「サムライフラメンコ始まりの言葉」をそらんじた少年は、「久しぶりだ」と語り、澤田という名を名乗る。彼はあの夜、確かに羽佐間が対峙した若者グループの中にいた1人であった。改めて1話のシーンを振り返ると、あからさまに素性の悪そうな若者集団の中に、微妙に浮いた雰囲気の澤田の姿が確認出来る。彼は羽佐間をボコボコにする若者たちとは微妙に距離があり、一切動かずに立ち尽くすだけの存在だったのだ。あの日は、最後に後藤が駆けつけた際に仲間に手を引かれて退場しているが、どうやらあの場でサムライフラメンコに対して「何か」を感じた存在なのは事実らしい。彼の自己紹介と時を同じくして、付近のビルが爆発する。「悪」が存在しないはずのこの世界で、何故またそのようなことが起こったのだろうか。

 「悪」でないならば、澤田と名乗った少年と、爆発の原因は「悪以外の何か」ということになる。「正義の対極」として真っ直ぐな悪を志したキングトーチャー、別軸のフラメンコとしてもう1つの可能性を提示していったビヨンドフラメンコ、国を守るために正義をねつ造した奥崎総理、個体を消し、同化を行うことで悪の相対的な消失を狙ったフラメンコ星人。たくさんの敵が現れては消えていったが、次なる「正義」は一体何なのか。もう、考えることに意味は無い。羽佐間正義の最後の戦いを、刮目して待つべし。

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