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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 なにこれ怖い、第7話。この期に及んで攻めの姿勢を崩さない作劇には頭が下がるが、今作一番の狂気に、さしものわしも躊躇するぞ。

 稀にアニメには「ミュージカル回」ってのが存在することがある。何故か作中のドラマとは関係無く(もしくは物語の要請上)、キャラが全員ミュージカル的に歌い始めてしまうエピソードである。直近では「スペースダンディ」がミュージカルっつうか謎の歌劇対決をやっていたが、その他にも伝説となった「紅」の6話「あなたの頭上に光が輝くでしょう」なんかは実に印象深い。トンデモ演出のイメージが先行するが、ミュージカル回は絵と音と動きを伴うアニメーションという媒体ではなかなか面白い効果を生み出すものである。「練馬大根ブラザーズ」なんてのもあったなぁ。

 で、今回は颯の「音痴疑惑」に端を発する、突発的ミュージカル回。……ではないな。これはミュージカル的な演出を目的としたお話ではない。あくまで、「ちょっとトチ狂っちゃった少ハリの面々が、勝手に台詞を全部歌にしようとした回」である。その証拠に、ミュージカル展開だからといって決してカット割りに特別な手心は加えていない。普通のミュージカル回であるなら、演出方向は多少なりとも舞台演出を意識した特殊なものになりがちであるが、今回の場合、あまりそういう特別感は無く、どちらかというと「いきなり仲間内で歌い始めちゃった若い衆の痛々しさ」がストレートに出てくるような平坦な演出になっている。音響もそれを後押しし、クライマックスに至るまで、颯たちには徹頭徹尾アカペラを要求し、絶対にBGMなんて入れてくれない。入ってても歌と合わせる気は微塵もない。そりゃそうだ。颯たちはあくまで日中の町中で勝手に歌っているわけで、そこには伴奏なんてついていないのだから。

 こうした「恥ずかしく歌っちゃう」展開というのは、まさにこの「少年ハリウッド」の恥ずかしさそのものである。颯だけでなく他の面々も多少尻込みしていたが、それでも舞台を1回経験した強みだろうか、結局5人とも町中での顔から火が出るような自己紹介ソングをクリアするまでにテンションを上げていった。1話目で「全く駄目」と言われていたあのくだりを、なんと自主的にクリア出来るようになっていたのである。でも、それは完全な役者魂、アイドル根性などではなく、あくまでも「若者のウェーイ」のノリの延長線上。元々は「颯の歌は恥ずかしがってるから駄目なんだよ」という荒療治が目的だったはずなのに、いつの間にやらみんなして小っ恥ずかしさが楽しくなっちゃったが故の結末である。どこシーンを切り取っても本当に恥ずかしくて見ていられないのだが、この救いようの無い恥ずかしさを切り出すことこそが、最初から一貫して目指していた今作のコンセプト。そういう意味では、今回のどうしようもない恥ずかしさは百点満点といえる。

 まー、多少キャラのかっとび方がこれまでの性格とギャップがあるような気もするのだが、こいつらアホなのは間違いないので、テンションが上がって5人が固まってればこういう展開もあるのかもしれない。「みんなで颯をおちょくろうぜ」っていうところからスタートしてるのも何となくそれっぽい。もう、「歌とはなんぞや」っていうのが分からなくなる、実に哲学的な(??)お話でございました。しかし、こうして聞いてると、実際に歌のスキルが足りてないのって颯じゃなくてトミーの方だよな……。

 その他にも、冒頭でぶしつけにカラオケの画面を流したり(しかも2回)、突き放したような「寒々しいミュージカル」演出以外にもこの世界は不可思議な画面に充ち満ちている。この異物感は癖になったらあかんな。

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