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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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花咲ける青少年」 5→6

 話数的には3クールだが、BSで色々と休止をはさみ、ほぼ1年の長丁場を渡りきった少女漫画作品。改めて1年前に書いた新番チェックを読み直したら「こういう少女漫画は得手ではないので多分トーンダウンしていくだろう」という予想を立てていたのだが、なかなかどうして、無事にゴール出来てしまった上に、評価点まで上がっている。最終回近くになっても、毎週ほんとに楽しみながら観ていましたよ。

 まず、1話目の時点で「女性主人公が、誰かも明かされない3人の婿候補と勝手に恋愛してこいと親父に言われる」という突拍子も無い出だしに面食らった。そこで「ははーん、このまま3人のイケメンが登場して、主人公の花鹿は逆ハーレムでウハウハする『彩雲国物語』みたいになるのだな」と思っていたのだが、物語は中東情勢や過激派とのテロバトル、あげく隠し子騒動を巡って王位継承権まで争い始めちゃったからもう大変。序盤にユージィンが出てきて「こんな奴おらへんやろ!」と突っ込んでいた頃が懐かしくなる。ユージィンのエピソードがおよそ1クールで幕を閉じたので第2チャレンジャーのルマティも同じくらいの話数で消化するのかと思っていたら、待てども待てどもラギネイの政変は続き、結局作中最大のバトルグラウンドがラギネイ王宮となる。その結果、3人目のチャレンジャーであるカールの存在感の薄いことと言ったら。

 で、最終的にはリーレンのごっつぁんゴール。まぁ、リーレンと花鹿の関係性は序盤から丁寧に伏線が張られており、まさにハリーの思惑通りに全ての物語が進んでいった。このあたりの丁寧な描写がきちんと理解出来たために、次第にリーレンエンドへ突き進み始めた花鹿を観ているのが何とも微笑ましかったりする。また、カールは可哀想な子だったが、最初は少女漫画のテンプレばりばりだと思っていたユージィンが意外に変な奴だったり、これまたテンプレ通りだと思っていたルマティが一時期は完全に花鹿を喰って主人公扱いになり、終わってみれば彼の成長物語としてもきちんと読めるくらいの完成度になっているという。もちろん、そんないい男たちの影で少しずつ株を上げつつ、あまりに無難なゴールテープとして待ち構えていたリーレンの存在感もなかなかである。一応中盤までは誰エンドで終わるのかというのも気にして観てはいたのだが(ひょっとしたら寅之助エンドまであるかとも思った)、次第にリーレンへのフラグを乱立させ始め、エンディングのイラストが3期のものに変わった時点で無事やきもきも解決。その後は実の娘の行く末を見守るかのようにして、余裕を持ってみることが出来ました。

 今作を見ていると、やはり食わず嫌いはよろしくないということを痛感させられる。この作品は1つの大河ロマンとしてきちんとまとまっているし、起伏の設け方、人物の書き方、心情の伝え方など、充分に高品質なものを提供してくれる。これだけの物語が読めるのなら「毎回毎回色恋沙汰にうつつを抜かしてるだけの少女漫画」と十把一絡げにして切り捨ててしまうのは非常に乱暴だ。過去には「スキップ・ビート!」でも似たような感想を持ったし、絵柄が苦手というだけで少女漫画を読まないというのは勿体ないのかもしれない。

 また、「とらドラ!」なんかを観ていても思ったのだが、やはり女性作家の書く女性像というのは非常に面白い。本作の場合は主人公の花鹿が真っ直ぐ天真爛漫系の美少女として描かれながらも、不思議とその無茶苦茶さが嫌みにならない。現実にはあり得ない人物なのは間違いないのだが、その淀みのない人柄は、女性の抱く1つの理想像として興味深く観られる。また、もう1人お気に入りの女性キャラにナジェイラもいて、彼女は一転、女性の持つ腹黒さや、それを後押しする苛烈な性格が実に面白い形で表出する愛らしいキャラクターであった。もちろん、中の人である新井里美の熱演も加点要因なのは間違いないが。

 しかし、なんと言っても格好良かったのはクインザだろう。もう、途中からは彼目線でしか物語を追えなくなるぐらいの男前。彼の末期のシーンでは本当にボロボロ泣けてしまった。最終回で泥を被ったツァオもそうだが、この作品の魅力の1つに、悪役の持つ情念、信念みたいなものの確かさがあるのかもしれない。もちろん、ここでも中の人の功績は大きいと思う。子安、森川、浪川、小野、福山、諏訪部。なんだこの素敵すぎるラインナップは!(あ、柿原忘れてた)

 まぁ、色々と語り足りない見どころはあるのだが、とにかく1つのラブストーリーとしてきちんとまとまり、1つのアニメーション作品としても立派に結実した佳作と言って良いのではなかろうか。是非とも、同じように骨子のしっかりした少女漫画を、こういう尺にゆとりのある枠でアニメ化してほしいものである。 

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