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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ダイレクトに胃に来る展開はやめて下さい、第7話。「お仕事アニメ」だからなぁ、こういう現実的なしんどさも容赦無く叩きつけられるんだよなぁ。

 宮森編、つまり制作進行についてのお話は前回までで大体片付いたので、そろそろ本格的に宮森のお友達連中にスポットの当たるお話になっていくだろうか。4話でも声優ちゃんにスポットが当たっていたが、今度は原画マンを担当する女の子、安原絵麻ちゃんのお話。声優の貧乏話や現実の厳しさを知らしめる話は良く出てくるし、制作進行なんて馬車馬みたいなもんだ、なんて話もよく聞くが、それに負けず劣らずひどい話に事欠かないのは、やはりアニメーターという職業だろう。声優には「芸能人」的なシンデレラドリームがあるし、制作進行は言うても会社勤めのサラリーマンである。まだ現実的な職種としてギリギリ救いはあるかもしれない。しかし、アニメーターに関わる話で明るい話題というのはほとんど聞いたことがない。使い潰されるとか、死ぬほど働いても歩合制の給料は雀の涙であるとか、好きな人が本当に好きでないと出来ないボランティアみたいな仕事だとか、どこまで本当かは定かじゃないが、日本のアニメ業界の先行きが不安になる逸話ばかりがこぼれだしてくるのである。

 そんな中、今回の主人公である絵麻はまだマシな方の立場だろう。最も厳しい動画の時代をわずか1年半で抜け、まだまだ若手で原画への大抜擢。生活水準だけで言えば、都市伝説になるようなどん底からは既に離脱しているポジションのはず。しかし、あくまでそれは「死なない」ところまでなんとかあがってきた段階であり、夢を追い、この仕事で生活をしていくためには、本当の戦いはこれからなのだ。ちょうどそんな揺れ動くタイミングで訪れたのが、今回の事件。おそらく、実在の原画マンにあったエピソードを基にしたような、「業界あるある」の1つなのではなかろうか。自分の技量がどの程度のレベルにあるのかは、自分では判断出来ない。「精一杯頑張っています」では通用しないのは当たり前だし、なんとか誠心誠意で仕事に応え、スキルアップを狙っていきたいところ。しかし、絵麻の隣のおじいちゃんが言っていた容赦無い現実が彼女を焦らせる。「上手くなれば速くなる、上手くなるには数を描くしかない、数を描くには……」ということだ。これまでの絵麻は、おそらく「真面目な」性格が上手く仕事の流れに合致しており、丁寧な作業で回りの期待に応える仕事をしてきたのだろう。しかし、そのまま続けてもなかなか先の見えない業界。停滞感の出てきたこの辺りの時期で、安易なレベルアップを期待してしまうのは致し方ないところ。「やれば上手くなる」と信じていれば、その「うまくなったこと」を誰かに保証してほしい、確固たる証明がほしい。それが、彼女に筆を急がせた。「上手くなったから速くなったんだ」と、誰かに言ってもらいたかった。

 しかし現実はこの上なく残酷である。同じく「真面目な」仕事師である瀬川さんからの容赦無い言葉。彼女がまだまだ青二才であることが突きつけられる。実際の労働の成果がふいになったことも当然ダメージにはなるだろうが、瀬川さんという絶対的な指標から「ノー」を突きつけられたことは、彼女にとっては大きなダメージになったことだろう。「上手くなったんじゃないか」「次のステップに移ったのではないか」という淡い期待が、もろくも打ち崩されてしまったのだ。宮森は気を遣ってフォローしてくれているが、現実的な問題としてそれが何の意味も無いことは、「真面目な」絵麻が一番よく分かっている。ゴールがどこにあるのか全く見えない自分の仕事の行く先を考えると、とてつもない虚無感に襲われもするだろう。そういう瞬間に、曲がれず、折れてしまうのが、ねいちゃんのいうところの「真面目さの代償」なのである。

 これまで本作で語られてきた様々な「問題」の中でも、一番辛くて、解決しようのない純粋な「仕事の苦労」のお話。なんとかするには「絵麻ちゃん、立ち上がれ」としか言いようがない。どれだけ宮森が励まそうとも、彼女と絵麻は畑が違う。彼女の悩みは完全に宮森が理解することの出来ないものだ。彼女が救われるには、同じ畑の人間から太鼓判を押してもらうか、彼女が出口の見えない現状を受け入れる他は無い。さて、一体どのように復調してくれるのだろうか……。

 はぁ……辛いなぁ。やっぱり大人になる第一歩ってのは「努力しただけじゃ駄目なんだよ」というごく当たり前の事実を突きつけられるところから始まる気がする。絵麻の場合はそれをよく分かっているからこそ、自分でつくった壁にぶつかりに行くような結果になってしまっているのだけれど、自縄自縛だからなかなか解決の糸口が見えない。最後には「瀬川さんは私(の仕事)が嫌いなのではないか」と他人に原因を求めてしまう所まできており、かなり追い詰められている。「努力しただけじゃ駄目なんだけど、結果を出すことに急ぎすぎなくてもええんやで」ということにどこかで気づければ救いになるのだが……。旧友達がその辺で力になってくれるかなぁ。周りの人間もそれぞれに悩みを抱えているので、なかなかメンタルケアが出来そうにないのが悩ましいな。

 さて、その他の出来事としては、同僚の落合さんが予定通りに他所のスタジオに移籍。まぁ、やっぱり円満退社ではあるんだね。回りの人間も「大手スタジオに移るんだってー」っていってるから、別に「あいつ、裏切りやがった」みたいな見方はされてないね(当たり前だけど)。何のためにそういうシナリオになってるのかはよく分からないのだが、他所の事務所とのあれこれも今後関わってきたりするのかな。その他、新キャラとして宮森のおねいちゃんが登場。割と軽いし、妹には迷惑な存在である。でも決して仲が悪いわけではなく、電話で助言を仰ぐなど、そこそこ信頼されている模様。この辺りは年の功か。ただ、そんなおねいちゃんの存在とは別に、今週の宮森はあんまりよろしくなかったですね。気持ちは分かるが、あの状況で絵麻に対して安易な慰めや励ましをかけるのは無責任だ。制作進行の仕事を考えるなら、むしろ絵麻にはもっとはっぱをかけて多少の荒療治でもやる気を出させないといけないところ。もう少し瀬川さんに細かいところまで聞いて調整すべきだったろうし、友達なんだったら瀬川さんに対してもう少しフォローしてあげても良かった気が。なんでもかんでもドーナツ食べたら解決するわけじゃないんやで。

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