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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 後口すっきり、最終話。相変わらず見事に締めてくる岡田麿里の手腕には惚れ惚れしてしまう。それにしても、繭さんが最後に選んだ未来がまさかの無色とは……彼女が精霊龍になってプレインズウォークする可能性が微レ存?

 最終決戦場は「繭の世界」。ルリグのルールを破ったことを指摘されユキは虫の息。るう子に出会えたことに感謝し、自らの運命を受け入れようとしたユキだったが、そこに現れたのは、試練を乗り越え確固たる自己を手に入れたタマであった。元々繭という1つの存在から産みだされた「シロ」と「クロ」。タマは自分の成すべき事を理解しており、るう子の合図でユキとのフュージョンに成功する。「タマ」の「マ」と「ユキ」の「ユ」を1文字ずつ取ったその存在の名は、紛れもなく「マユ」である。このへんの設定のそつのなさがニクい。そして、CV的には当然マユは種ちゃんボイスでしゃべる。「まぁ、久野ちゃんと瀬戸ちゃんを足したら、音域としては大体種ちゃんくらいになる気もする」という微妙な説得力が。

 そして、ここで大々的に取り上げられたのが、本作のタイトルにも冠された「selector」というファクター。人生は常に選択の連続とはよく言ったものだが、繭という少女の生き様は、常に「選択」にあこがれ続けるものであった。この世の他人に全く影響を与えることも出来ず、自分から何一つ選べず、ただ朽ちていくだけの人生。彼女の怨嗟は少女達に「理不尽な選択」を迫るセレクターバトルとして表れ、此度の騒乱を生みだしていた。「選べる幸せ」を訴える繭であったが、それに対し、新たな人生を自ら選択し、名前を捨てて生まれ変わったユキと、最後に自らの手で壁を乗り越えたタマの集合体であるマユは、改めて繭に対して「選択すべき未来がある」ことを伝えるのである。死んでしまった事実は変わらず、彼女の人生が恵まれないものであったことは間違いない。しかし、それが他の少女達に理不尽を押しつける道理にはならず、繭の願いは打ち倒されるべきものである。その上で、るう子は1つの選択をした。繭を罰するのではなく、「救う」という選択を。

 余計な外野を排除し、最後の最後に繭が提示してきたラストゲームは、やはり彼女らしい理不尽な選択を迫るもの。WIXOSSに存在する色は白・黒・赤・青・緑の5つ。その中から、自分の提示した色を選べという。勝率1/5の理不尽かつ一方的なゲームだ。しかし、当然そんな状況でるう子が負けるわけがない。何しろ彼女は「最強のWIXOSSプレイヤー」なのだから。繭の願いを正確に読み解き、るう子は「バトル」に勝利する(そしてとばっちりでウリスは惨殺される)。ようやく本当の「繭」にたどり着くことが出来たるう子は、未来への希望を彼女に説き、「繭」を浄化し、最後に「マユ」にたどり着いた。生まれ変わったマユと執り行う最後の宣誓。夢限少女となったるう子の力により、世界は元の姿を取り戻した。

 改めて考えてみると、繭の不幸な生い立ちというのは一切フォローされていないし、彼女のだだっ子っぷりが解消する理由も特にないのであるが、一番大きかったのは「初めて対等に話が出来る人間が現れた」ということなのだろう。養育者(親?)にすら「アレ」やら「ソレ」やらしか呼ばれてこなかった繭さんは、とにかく自分という存在があることを外界にアピールしたいという一念から悪魔のごとき存在になったのであって、同等のイマジネーションを持ち、ユキやタマといった己の分身を従えるまでのカリスマを有したるう子が艱難辛苦を乗り越えて自分の目の前までやってきて話を聞いてくれた時点で、彼女の願いは満たされたのである。マユは宣誓の儀に至る際にるう子に「本当に子供みたい」と言っていたが、その実、一番子供っぽかったのは繭だったのである。子供のワガママで生まれた、いかにも子供らしい「俺ルール」が理不尽なカードゲーム。その無茶なルールのゲームに懇切丁寧に付き合い、最後に対話出来るまでに至った「子供っぽい対戦相手」がるう子。夢限少女って、そういう無邪気さが夢を叶えることの具現化なのかもしれません。

 こうして繭の呪いが解けて、全ての少女は元に戻った。最終回に欠かせない重要な要素といえば、何といっても「後日談」である。今作の場合は2クールの中でそこまで多くのキャラが出てきたわけではないが、全ての少女、全てのルリグの「その後」がさわやかに描かれているのがとても良い。また、「無色」を選んで外の世界への憧れを打ち明けながら消えていった繭の心象を表すように、ラストエピソードの画面は実に彩り豊かで、本当に美しく輝いている。これまで今作の背景描写、画面効果は「薄暗い灰色」で固定されていたわけだが、るう子の家のベランダの花々や、その他全ての画面において、フィルタが一枚剥ぎ取られたように色彩が強めに出されるようになっているのである。2クールかけて作られてた見事なハッピーエンドの演出である。

 ざっとラストシーンの少女達を追いかけてみると、当然遊月は元に戻って、野郎としては唯一全ての真実を知ることになった香月とは良い関係を築けている様子。ただ、流石に近親エンドにするわけにもいかないだろうから、おそらくそのうち花代さん(本体)がやってきて、2人とはしっかり膝を突き合わせた惚れた腫れたのお話になることだろう。幸せそうに歩く2人を黙って見送った花代さん、今はまだ流石に声はかけづらいだろうけど、きっと悪い関係にはならないはず。遊月だって「花代さんならいいかも」と思える気がするし。

 浦添伊緒奈さんは一足早く元の姿に戻っていたので、そのまま令嬢生活に戻っていたのは分かっていたが、まさかの蒼井晶との共演でちゃんと読モに戻っていた。我らがあきらっきー、あの惨状の後にどうなることかと心配していたが、おそらく「伊緒奈さんの見た目は大好き」なのは間違いないだろうし、本当の姿の伊緒奈に惚れ直し、改めてあきらぶりーモードに突入したのかもしれない。唯一彼女だけは伊緒奈の脇腹を突き刺した「現実世界での前科」持ちなのだが……まぁ、伊緒奈さんが被害届を出さなければなんとか……なるのかなぁ。

 そんな晶さんの最初のパートナーであったピルルクたんも無事現世に帰還。コミック版での顛末を考えると彼女は割と長いことルリグ生活を続けていたので、久しぶりの現世。自分の手で親友を殺してしまった咎は消えないのだが……まぁ、その辺りはコミックで補完かな。彼女と入れ違いでバスから降りてきたのはミルルンですね。彼女がどんな女の子だったのかは詳細不明。るう子の背中を追いかけて友達宣言を受け入れようと努力中なのは、引っ込み思案のちよりちゃん。タイミングを逃して声をかけられず落ち込む彼女にそっと目を向けるツインテールの少女は間違いなくエルドラさんでしょうね。やっぱり、ちよりちゃんのお友達第一号は彼女じゃなくちゃ。ふたせ文緒も元の身体へと舞い戻ったので、もう小説を書く義務から解放されたはず。電車移動中の一衣さんの元へやってきたのは、初めて少女らしい出で立ちを見せてくれた緑子さんである。最後まで一衣のことを思ってその身を削ってくれた緑子さんとの再会に、一衣さんも思わず涙。イイハナシダナー。

 そして残るルリグ、タマ、ユキそしてマユはどうだろうか。実体を持たない彼女たちが現世に現れることが出来るかどうかは誰にも分からない。マユはおそらく繭として天寿をまっとうしたのだから現れることはないだろうが、るう子の願った「全てのルリグを人間に」という願いが叶うならば、ちょっと無茶な希望だって、ひょっとしたら実現していたのかも。そんな「もしも」に期待しながら、るう子は今日も元気に日常生活を送っているのです。タマという名前の少女が、いつか自分の前でまたあの無邪気な笑顔を見せてくれる日を待ちながら。

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