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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 2週続けてボロ泣きさせられる、第14話。あかんわ……やっぱり椿エピソードはクるんだよなぁ……。

 前回のお話が1つのターニングポイントとなるものだったので、「有馬公生の物語」としては、今回はある種の事後処理みたいな回である。ガラコンの結果、彼がどのように成長し、何を目指すことになったのか。そして、宮園との関係をどのように続けていくのか。そうした諸々を簡潔に描くだけの、「繋ぎ」の回である。

 もちろん、宮園さんの状態は予断を許さないものであり、これだけでもドラマとしては緊張感のあるものだ。彼女の横たわるベッドから、公生が母親のいなくなったベッドをフラッシュバックするシーンなどは、思わず息を呑む緊張感がある。あれだけ苦労して成し遂げた母親の幻影との融和、脱却。それと同じか、ひょっとしたらそれ以上のプレッシャーが、宮園の病床からは感じ取れるのである。見舞いに行った仲良し三人組、椿も渡も勘の悪い方ではなく、中学生とは思えないくらいに洞察に富む他人想いな面々であるにも関わらず、現在の宮園の異状に気付いているのは公生ただ1人である。親友たちにも語られない彼女の病状の裏側。元気な顔の奥底に隠された彼女なりの苦闘。そうした断片を、ただ公生だけが感じ取っている。それはかつての母親との思い出が重なるという理由もあるだろうが、それ以上に、彼は宮園かをりという人間に肉薄しているということでもある。宮園さんはとても強い女性だ。しかし、そうは言ってもあくまでただの女子中学生でしかない。身体の問題は彼女1人の気持ちだけではどうしようもないことであり、彼女の目指す人生の目標には大きな障壁となって立ちふさがる。これを乗り越えることが出来るかどうかは、彼女の強さ以上に、理解し、支えてくれる仲間の存在が不可欠なのではないか。公生は、彼女の真実に辿り付くことが出来るのだろうか。

 そして、そんな「メインストーリー」を覆うように、今回は隅から隅まで澤部椿の物語。これまで少しずつ、しかし着実に積み重ねてきた何かが、ついに爆発してしまう。まわりの人たちの中で、気付いていないのは公生だけ。当の本人も内心では完全に気付いており、果ては斎藤先輩だって薄々感づいているくらいの事実、椿の本心。なんともやるせないこの状況に一石を投じるのは、クールで頼れる不思議な友人・柏木さんである。椿との付き合いも長いであろう彼女は、苦しむ椿を見ていられずにあれこれとアドバイスをしたり、煽ったりしてみるわけだが、これがなかなか上手くいかない。渡に助けを求めてみるも、渡は(彼なりに)恋愛上級者である。椿の気持ちは本人が気付いて向かい合わねばならないと達観しており、親友2人の動向については、成りゆきを見守る構えだ。仕方なしに、柏木さんは半ば強攻策といえる奇策に打ってでる。悩み揺れている椿へ、公生を直接投入したのだ。

 結果だけを見れば、この作戦は成功したといえるだろう。改めて2人で歩く夜の砂浜。椿は懐かしいあの日の思い出と現在の2人を重ね合わせ、少しずつ自分の気持ちをチューニングしていく。決して否定出来ない本当の気持ちは、自然に彼女の中で固まっていく。このままならば、ひょっとしたら幸せな結末が待ち受けていたかもしれないのだが……本当にタイミングが悪かった。進路のことで新たな見通しが出来たことを告げる公生。それは椿にとって、事実上の別れの言葉であった。幼い日から溜まりに溜まっていた「隔たり」への不満は、ここに来て決定的なものになってしまった。「音楽」の壁、「才能」の壁、「理解」の壁。彼女にはどうしようもないものが、現実を否応なく突きつける。泣き濡れる月夜、彼女は自分の無力感に苛まれ続ける。幼い日に、一人黙々と作った泥団子は、子どもながらにとても綺麗に見えたものだ。自分は頑張って作ってきた。それは価値のあるものだと信じてきた。しかし、それは無意味であると、残酷な真実が告げた。

 「幼なじみヒロイン」のこの悲劇は、本当に何度繰り返されても辛い。相変わらずポエティックなこの作品は、椿が幼いあの日から積み重ねてきた様々な「拠り所」が、断片となって一気に積み重なり、かき消えていく様子が嫌味なほどに綺麗に流れていく。小さな公生、小さな足跡、あの日のミルクアイス、笑いあった幼少期。1つ1つは些細でも、椿にとっては大切なものばかり。2人で浜辺を歩くシーン、「またミルク味?」と尋ねる椿の、くすぐったいような、なんとも嬉しそうな一言が、彼女がこれまで積み重ねてきたものの大切さをぎゅっと押し込めたものになっていて、それだけで感極まってしまう。それだけに、彼女が手から取り落としたアイスの持つ意味の大きさが強すぎて、本当にやるせない。

 なんでこんなに、切ないんだろう。

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