ドラフト通信No.191 1/23

１月２３日　ドラフト模様（FRF　TKT×２）

ピック順　【Mei】→【Sangriter】→【Alessi】→【Thraxi】→【Serra】→【Sea-chicken】→

 

　新・環・境！　年に３度のお楽しみ、来年度以降からは年に４度のお楽しみ、新環境１戦目である。まぁ、第２エキスパンションの時って、一番変化が少ないからそこまでの大事件にはならないものだが……まーしんどいね。やっぱり１／３パック変わるだけでこの汲々とした感じ、新しいことやらされてる感がありますわ。一番の変化は、何と言っても土地の枚数が減ってしまったこと。スポイラの時点では、その分マルチカラーのカードも減ってるからいいかな、って思ってたんだけど、そうだね、変異も減ってるんだね。オフカラー変異でごまかすということも出来ず、１パック目にちょこちょこダブルシンボルやら強めのカードが出てくるので色決定を早めにしなきゃいけないし、出来れば２色でまとめたいんだけど、２パック目以降に出てくる３色カードが全てを許さない。どこぞのプロの言葉に「この環境の最大の敵は色事故である」というのがあって（ま、冷静に考えればどんな世界だってそうなんだけど）、この世界はことさら色の調整に実力が出そうである。しばらくは、悩まされそうやな……。なお、予示は想像していたほどややこしいことにはならなかった模様。ぶっちゃけクリーチャーが隠れてるかどうかは運ゲーなので考えてもしょうがないし、大抵は２／２トークンだと思って仕事するからな。

 

　　　　ＡＬ　ＳＥ　ＴＨ　ＳＡ　ＭＥ　ＣＨ

ＡＬ　　ー　　○　　×　　×　　×　　◎　　２ー３　４　○

ＳＥ　　×　　ー　　○　　×　　×　　◎　　２ー３　５　○

ＴＨ　　◎　　×　　ー　　◎　　×　　○　　３ー２　２　○

ＳＡ　　○　　○　　×　　ー　　×　　◎　　３ー２　３

ＭＥ　　◎　　◎　　○　　◎　　ー　　×　　４ー１　１　○

ＣＨ　　×　　×　　×　　×　　◎　　ー　　１ー４　６　○

 

 

１位　【Mei】　アブザン　＜永遠のドロモカ　対立の終結　ラクシャーサの死与え＞

　環境最初の覇者は、めでたくこの世界の象徴たるレジェンド・ドラゴンからスタートさせたこちらのデッキ。っつうか、やっぱりアブザンが勝つのかよ。この世界の最大の焦点である「色問題」については、もう１引きで友好色ドラゴンなんか引いちゃったもんだから完全にアブザン決め打ちで死にに行く構え。最終的にはどの色も均等になるような３色になり、回るかどうかは運否天賦だったらしいが、今回はその中の「いける方」の星回りだったようだ。そんなわけだからタルキールのカードは「普通のアブザン」であり、「塩路の巡回兵」や「軍用ビヒモス」といった地味面子がフル回転。いかにももっさりした動き方だが、今回はどうせ他のデッキも大体もっさりしていたので、全てのパックでレアを１引き出来た幸運もゴリ押しを補強してまかり通った。本人はしつこくコストの重さを毛嫌いしていたが、おそらく注目すべき新カードには「大地への回帰」が上げられるだろう。「運命再編」はフライヤーが大きく補強されたセットであり、同時にエンチャントも補強された世界。そのどちらにも１枚で対処出来る「大地への回帰」は、この世界ならほぼ無駄にならない受けの広さを見せるのである。まー、他にも「戦いの喧嘩屋」が４引きとか「勇敢な姿勢」５引きとか、色々巡り合わせも良かったけども。

 

 

２位　【Thraxi】　ジェスカイ　＜前哨地の包囲　霧炎の織り手　内向きの目の賢者＞

　普段は新環境はタイプを１つ狙って決め打ちするのだが、今回は全くその辺を考えていなかったので、１引きレアで手なり。ただ、おそらく今回の「色の厳しさ」については一番予習して覚悟していた人間ではあるので、「なるべくなら対抗色２色でまとめよう」くらいは事前に考えていた。幸い、１引きレアと上家のあまりにあからさまなプッシュ（１パック目２引きの火力パック）のおかげで赤は決定。となると青か白かの２択になるわけだが、やっぱりこれを決めきるのは至難の業。最終的に、「ジェスカイの呪印って強いよね」というのもやってみたかったことの１つだったおかげで青に決まったが、流石に純正２色に絞りきることは出来ず、ちょいちょい白のキーカードもピックはしている（最終的にデッキに入ったのは「内向きの目の賢者」と「交感の痛手」のみである）。途中寄り道した割には、赤の割り当ては順調だったのでそこまで崩れることなく、当初予定していた「とにかく赤いクリーチャーに呪印はろうデッキ」としてはそこそこ。更に「前哨地の包囲」が想像以上に強く、これを置いてしまえば後は火力を合わせ撃っての蹂躙劇も展開出来た。自分でライブラリアウトしそうになったときには焦ったけども、ライブラリなんて削ってなんぼですからね！（錯乱）

 

 

３位　【Sangriter】　ティムール　＜破壊するドラゴン　ティムールの魔除け　凶暴な殴打＞

　新環境ならではの新規なピック勘。毎度お馴染みの席順になり、今回は「城塞の包囲」という爆弾を下家に流して余裕の「破壊するドラゴン」である。どう考えても単体の強さとしては間違っているのだが、今回のクランの割り当てを見てみると、なんとここのティムールを除けばアブザン３，ジェスカイ２。綺麗に白を避けることで激戦区から手を引くことに成功している。なんだ、この意味不明な嗅覚は。いや、まぁ、白に突っ込んだ方が強かったんじゃないか疑惑はあったけども。とにかくそんなわけで緑を選択し、今回は「天上の待ち伏せ」が使ってみたかったというシミックメインのトリックデッキ。青はライバルが少なかったおかげで大量のバウンスが手に入っており、「払いのけ」「再帰の儀式」「エイヴンの偵察員」という新登場カードは全て手中に。これに「ティムールの魔除け」「天上の待ち伏せ」×２とそろえたおかげで、インスタントでの待ち戦術にかなりの幅が出来た。序盤を受けきってしまえば、後は「天上の待ち伏せ」から得られた数のアドバンテージを活かしてもいいし、１引きした「破壊のドラゴン」に全て託してもいい。実際に「破壊のドラゴン」が９回殴っただけで勝った試合もあったとか（相手のライフが３５点あったらしい）。地上で活躍したのは「氷河の末裔」で、これに「ティムールの激闘」で殺戮マシンを製造。きっちり新しい世界でも「サングライター」の面目躍如である。

 

 

４位　【Alessi】　アブザン　＜見えざる者の熟達　荒野の後継者　アブザンの魔除け＞

　勝ち星が欲しいんだか欲しくないんだか、うわごとのように「もう脱却したんや」とつぶやくも「勝ちたいわぁ」と呻く不可解なテンション。はやくオンラインにも新パックが実装されてストレスのはけ口を見つけてもらわないと。今回のデッキは、上記の通りに上家の陰謀によって「見えざる者の熟達」→「城塞の包囲」という訳の分からない白エンチャントフィーバーで幕を開けている。ただ、問題はそこからどこへ向かうかであり、その次に引いた「無惨な競争」からアブザンに参入。そのまま特に転機となるようなシーンもなく、何をもって勝つのかが定まらないままずるずると激戦区に突っ込んでしまった。おかげで例によって土地が足りずにマナの問題でもあくせくするし、攻めるか守るか、スタンスがはっきりせずに展開するカードがちぐはぐになって苦労するシーンも。やっぱりほら、お得意の「適当変異」で逃げにくくなってるせいじゃないかな……。

 

 

５位　【Serra】　アブザン　＜野生呼び　包囲サイ　刃の隊長＞

　本日３人目のアブザンでございます。１引き「野生呼び」スタートで、そこからどのように展開するかは割と選択肢があったように見えるが、１パック目「過酷な命の糧」が８引きと遅めで引けてしまったことで黒白両面に突入した。幸か不幸かこれに２パック目「包囲サイ」がつながり、こうして全体を見てみると、三者三様の動機からアブザンが固まっているのである。まー、それでも割と支えられるだけの屋台骨があるからこそのアブザンである。個人的には、デッキの全体像を見る分にはここが一番オーソドックスなアブザンスタイルに見えた。決めカードこそ多くないものの、守備の陣容は揃っているし、低マナ域も少ないってことはないだろう。呪印サイクルの中でもやや微妙かと思っていた黒呪印もやっぱりそれなりに使えていたし、「開拓地のマストドン」もそこまで悪いカードじゃない（流石に「戦いの喧嘩屋」流してまで引くカードじゃねぇけど）。ま、結局は地味っちゅうことなのかな。

 

 

６位　【Sea-chicken】　ジェスカイ　＜雲変化　高峰のカマキリ　真珠の達人＞

　今回のセットはラススタートです。とはいえ、ブン回してトップのデッキを叩いてるわけで、こちらだって格別弱かったというわけでもないだろう。今回のデッキ群の中では最も「ブン回り」を優先させた感じの速度のあるデッキ。俺のデッキ同様に「ジェスカイの呪印」によるビートを搭載しつつ、「雲変化」や「蓮眼の神秘家」など、とにかく空の戦力は充実している。これに注目の新カードである「ゴブリンの踵裂き」、強引に押し込む「戦乱の閃光」や「冬の炎」で決めれば、「谷を駆ける者」単体でも逃げ切れるくらいの可能性があった。戦士に依拠せずに攻めるジェスカイとしてはある意味お手本みたいな出来である。しかし、やはり速さのデッキってのは詰まると脆いため、紙一重の何かが足りなかったってことになるのかね。それが何なのかはまだ分かりません。ピック表を見ると、こちらも割とジェスカイというよりイゼット方面にまとめているし、色の問題もさほど苦しくないように見えるんだけどな。同じコンセプトを狙ってる人間が卓に２人いたから食い合ってしまった部分はあるかもね。

 

 

 

今回のピック表

 

　【Mei】（黒白緑）→【Sangriter】（青緑赤）→【Alessi】（白黒緑）

　　↑　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓

　【Sea-chicken】（赤青白）←【Serra】（黒緑白）　←【Thraxi】（赤青白）