最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
ライフセクシーがセクシー過ぎて困る、第4話。もう、多分私以外の視聴者もみんな、「シャバダドゥ」って口を揃えて一緒に唱えてるよね。それがセクシー。シャバダドゥ。 今週は非常に分かりやすい分かりにくさでしたね。いや、なんじゃそら、って話だが、言わんとすることは分かってもらえるのではないかと。視点がこれまでの世界からずれ、作中の言葉で言うなら「レキシ」が語られる、サブエピソードである。いや、サブというと語弊があるか。正確に言うなら、百合ヶ咲るるというキャラクターの成り立ちを描き、現在に繋げるための基盤となる物語である。何が描きたかったかは明白であり、そういう意味で「分かりやすい」。そして、描かれた諸々の事象についても、例えば何度も天丼が繰り返されたり、わざわざ「昔話」の体裁をとったり、意図的に構造が見えやすいように作られている。今回のお話は「るるが何故、今あの学園で銀子と一緒に人間を食べようとしているのかの説明ですよ」ということが非常に分かりやすい起承転結でもってまとまっているのだ。その部分にほころびがないのはありがたい話ですね。まぁ、もちろん「起」「承」「転」「結」でもって何が言いたいのかは相変わらず分からないわけですが。大丈夫、熊は分かってるっぽいから。 「起」。まずは「熊の国」の時点で驚きである。毎回冒頭の説明では「クマリアが降り注いだために熊が一斉決起して人を襲い始めたんだよ」という説明だったのに、いきなりの「熊の国」。いや、聞いてない、そんなファンシーな独立国家の話は聞いてない。しかも「レキシ」の中でクマリアの落下シーンが描かれているってことは、あの国はクマリア落下時点で存在していたってことに。確実にねじまがっとる。熊形態と人間形態は「ユリ承認」で遷移する要素なのかと思いきや、るる姫たちは最初から人間形態。おかしなのは今回初めて熊形態を披露した裁判官たちくらいのものであるが、やつらは「レキシ」外部世界にいたであろうからあの国の実情とは関係なさそうだし。 「承」、るる姫とみるん王子の出会い。非常に分かりやすい「次の子が生まれちゃったら寵愛が無くなって嫌がる兄姉」現象であるが、るる姫の「デザイア」は生半可なものじゃない。ひたすら懐いてくるみるん王子に「約束のキス」の無茶振りをし、更に明らかな敵意を見せる。それに対し、みるんは不死身の存在感を示すと共に、眩しいほどの無償の愛で返す。この行程は繰り返され、るるとみるんの関係性は「忌むもの」と「望むもの」ですっかり定着する。しかし、「望むもの」「与えるもの」の不死性は途絶えず、どんどんエスカレートしていくるるの非道な行為は、みるんの「望み」を打ち消す役を一切為さない。 「転」、みるん王子の突然の死。そこにはるるの悪意が介在しておらず、むしろ「るるにハチミツを届けるんだ」というみるんの愛情が影を落としている。「悪意、敵意では決して死ななかったモノ」が、「自らの愛」によっていとも簡単にコロリと死んでしまう。悪意の矛先を失ったるるは虚脱感に襲われ、防衛を固めて殻に籠もる。最終的にはみるんの幻影を夢に見るまでに。そして、そこに再び現れたハチミツの持ち主が銀子。彼女はそれが「約束のキス」だと知っていたのかどうなのか。まだ描かれる時ではないからだろう、銀子の意志は定かではないが、るるが「忌むべき」ものだったはずのそのハチミツは、いつの間にか「望まれる」ものとなっていた。「好き」を探して自らの道を進む銀子に、るるは己の喪失を重ね、事実を突きつけてくれたことに感謝している。 「結」、銀子はペンダントが示す「人間の世界」へと旅をする。そして、新たな拠り所として「銀子の好き」を見いだしたいと思ったるるは、自らの「キス」を諦め、銀子の「好き」を探すために同行を申し出た。銀子は自分に「本当の好き」の在処を教えてくれた。今度はその銀子の好きを見つけてあげることが、彼女なりの恩返しになるのだ。それが出来れば、再びみるんと会える気がするのだ。たとえそれが、断絶の壁を隔てた人間の世界にあろうとも。 ほら、分かりやすい。そして、何が起こっているかを現実に照らし合わせるとやっぱり整合性は無い。今回のお話は「レキシ」であると先んじて言われており、それは「カイソウ」ではないという点に注意が必要だ。わざわざ寓話の形を取っているのだから、あのヘンテコトリオの一角であるライフセクシーがどこまで真面目に昔語りをしているかは眉唾であろう。いや、多分「嘘」ではないんだ。ただ、「熊の王国」や「ハチミツ」「弟」「死」などの要素が、どこまで「そのまま」かが怪しいというだけ。現時点においては、それらの要素は全て「るるが銀子に付き従う動機」であると受け止めて問題無いと思う。彼女は自分のエゴでもって、悪意を向けてしまったが故に失ってしまった「本当の好き」がある。それが本当に「悪意」による喪失であれば償いようもあるだろうが、奇妙な運命の悪戯のせいで、自分に責任を負わせることも難しい状態だ。償うならば誰に? 取り返すなら何を? 手に入れるならどうやって? それが分からないところに、一筋の光明を与えてくれたのがおそらく銀子なのだ。彼女は、まだ先も知れない「好き」を諦めていない。最後まで手にすることの無かった実存、「約束のキス」は、るるにはもう得られないものだし、犠牲にしてしまったものだが、その先に残った「本当の好き」だけは諦めないのだ。それはおそらくみるん王子ではなく、銀子との関係性に見出せるものなのだろう。これこそが、オープニング映像の左サイドで描かれた「るると銀子のユリ」に違いない。 いくつか気になるファクターを個別にピックアップして見ておこう。まず「星」のモチーフ。上述の通り、惑星クマリアを巡るあれこれが、これまでのエピソードと今回の寓話では大きく隔たっている。シンプルに考えるならば、熊側から見れば元々「国」は存在しており、クマリアの落下を契機にして、熊たちの中に人間と積極的に交渉を持とうとする者たちが現れたため、人間側からは「熊たちの一斉蜂起」に見えたのかもしれない。つまり、「クマリアが熊を覚醒させた」のではなく、「クマリアによって熊に変化が生じ、人間にも熊の意志が見えやすくなった」というのがそれっぽい答え。そして、もう1つ「星」といえばみるんとるるの会話で「本当の好きはお星様になる」という台詞が登場する。「本当の好き」が天に昇って星になるならば、落下することで地球に多大な影響を及ぼした「クマリア」という惑星も、ひょっとしたら「誰かの好き」だったのではないか。その証拠に、クマリアが落ちたことで起こった変化は、「みるんの誕生」であった。クマリアが地上に落ち、そこには「好き」の化身であるみるんが生まれ、るるの人生をかき回した。「不死身の弟」の正体は、ひょっとしたら「誰かがるるに向けた本当の好き」だったのかもしれない。 るるとみるんの関係を探る際にもう1つ気になるファクターは「蜂」のモチーフ。今回度々登場した怒れるミツバチだが、これは単純に「るるの敵意」であると見ることが出来る。針を向けられたのは主にライフセクシーたちであるが、みるんを毛嫌いするときにもこの蜂は出てきている。しかし、この蜂が旋回して守護していたのは何もるるばかりではない。序盤の屋上での会話の時点で(つまりるるがみるんに明らかな敵意をむき出しにしていた時点で)、既に蜂はみるんとるるをひとまとめにして取り囲んで飛び回っている。これはみるんがはじめからるるの「内部」に位置していることの表れではなかろうか。そして、そんな「蜂の内側」に入った人物がもう1人。出会ったばかりの銀子である。彼女はるるから一切敵意(蜂の針)を向けられることなく、最初からその「内側」にいた。銀子の頭にはみるんのものと似た王冠がのっており、彼女が「本当の好き」の化身たるみるんと共通する要素を持っていることが強調されている。なるほど、るるが追いかけたくなる気持ちも理解出来るというものだ。 みるんの要素を内包する銀子について、るるは「彼女は私に似ている」ともいっており、この3者の関係は非常に肉薄している。そして、そんな銀子が手にしたネックレスは、紅羽の母親に繋がる。断絶の壁を越えた「好き」のつながりは一体どうなっているのか。まー、ハチミツぶん投げたら星になるような世界なので、その壁に物理的な障壁の意味はあんまり無い気もするけどさ。 最後に蛇足だけどやっぱり書かざるを得ないことが1つ。やはり釘宮理恵というのはすごい声優だ。いわゆるくぎゅボイスなんてものも10年以上聞き続けていたら慣れもするし飽きもするはずなのに、今回のみるんの演技は、他の声優の「子供役」では実現し得ない、完全無欠のお仕事であった。くぎゅ元気でショタがいい、とはよく言ったものである(主に俺が)。 PR |
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