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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「純潔のマリア」 6→6

 とても「善い」アニメだったんじゃないでしょうか。漫画原作でもこうやって3巻くらいの内容を1クールできちんとまとめてくれるっていうのはいい選択だと思うねぇ。

 先にこのアニメの難点をあげておくと、それは大前提となるテーマの設定だ。何しろマリアとミカエル(というか魔女と天使)が争う中心となる議題は「戦争は正しいか」である。これはもちろん戦争の大義名分とか、人を殺すことが悪くて動物を殺すことはOKなのかとか、突き詰めていけば生と死の根源的な問題に行き着いてしまう宗教的、哲学的に泥沼以外のなにものでもない問題であり、そんなもん、たかだか3巻の書籍、しかも漫画で答えが出るわけがない。マリアの主張は「戦争、とにかく駄目」という子供じみてシンプルなものなので決してややこしいとは感じられないが、彼女の主張が清廉潔白なものであるなどとは誰も保証出来ないであろうし、それなら彼女はどうするのが正しいのかなどという正解もあり得ない。始まった直後から、「何となく終わること」を宿命づけられた作品だったのである。視聴している間も、この人類不偏の大命題を常に突きつけられた状態で話が進むわけで、心底スカッとできるような部分というのは決して多くはない。

 しかし、そうしたテーマ設定が「仕方ないもの」であり、この作品においては「この作品なりの」正義を提示するものなのだ、と割り切ってしまえば、充分に納得のいく結末になっていたし、理不尽さは感じられない。神の存在を肯定し、魔法を使う魔女が実在する次点で条理など無いわけだし、この作品は「ヒロインマリアの物語」である。たとえ納得しない人間がいても、たとえ神がそれを許さずとも、マリアがまかり通る動機付けが確定し、彼女の信念が最終的に肯定されるのであれば、それはそれで充分なカタルシスとなるだろう。アニメシリーズも、全体を通じてそうした「不条理な条理」を描ききるという目的意識がはっきりしており、最終話でマリアがめいっぱい幸せそうな顔をしていれば、それで充分満足出来るのである。むしろ、こうして強烈な宗教観、倫理観の出そうな問題でも、へろっと女の子が可愛い漫画で描いてしまえるあたり、やっぱり日本ってのは(都合の)良い国なんだと思いますよ。多神教万歳。

 まぁ、そんなアタシの宗教観は別にいいとして、今作は谷口悟朗監督作品ということで、「かっちりハマる」感覚がとてもとても心地よい。1話目で注目された「地べたを這うような泥臭い戦争」の様子も素晴らしかったし、卑近で狡猾ながらもなんだか憎めない人間共の矮小さ、したたかさも嫌味にならないレベルで彫り込まれており、単なる夢物語で終わらないだけの写実性も持ち合わせている。そうして作られた「人間の世」に、マリアたち魔女が介入してくると滅茶苦茶になってぶっ飛ばされる様子が、アニメーションならではのどでかい映像で炸裂し、「魔女のお話」としての説得力を補強する。処女の看板を掲げ続けるマリアのキャラ設定も阿漕であるし、鳥類トリオの可愛らしさもばっちり。萌えアニメとしても見ていて退屈しない。物語を盛り上げるためにはセックス&バイオレンスが基本。そういう意味ではとても基本に忠実なお話。個人的にはやっぱり小動物好きなので、アルテミスたち鳥類軍団が活き活きしているシーンが楽しかったかな。みんなしてホント可愛かったわ。それとは対照的なやたら濃い野郎共の絡みも実に暑苦しくて、最終的にトチ狂っちゃって彼岸へ旅立たれたベルナールさんが美味しすぎましたね。そうかー、ちょっと気付くの早過ぎたかー。「あれ、俺世界を知っちゃった?!」って盛り上がってる櫻井の独壇場は本当にキレてて最高でしたわ。ガルファさんの容赦無い「強さ」ももちろん下衆格好良い。あの時代の義手、ロケットパンチ装備出来るんだなぁ。

 そんなわけで、色々と見どころの多い、身の丈にあった尺にまとまった良作でした。アニメ業界はダラダラ長いラノベとかじゃなくて、もっとこういう小綺麗にまとまった漫画原作とかを探してくればいいのにね。中の人については、とりあえずひーちゃんお疲れ。彼女の場合大体そう言われるだけの腕があるからなんだが、やっぱりこれもハマリ役だよなぁ。あと、キーキー声の花澤はホント好き。ラストに一番美味しいところを持っていくのがずるいですわ。あとエドウィナさん。卑屈で詰まりまくったゆーみんの声、ホント好き。

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