最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
だからいちいち題材が重い、第3話。2話目では育児と虐待の話、そして3話ではその逆を行って老人介護の話。もう、人生は生まれてから死ぬまで試練の連続ですわ。個人的にはDVは全然身の回りに関係無かったのであくまでも「小説の中の話」だったけど、祖父母が痴呆で介護云々は割と身につまされるのでさらに胃が痛い。 さて、そんなトピックを扱った今回のお話であるが、やっぱり、微妙に既存の「骨を扱うお話」とは焦点がずれている部分が気になる。上手くすればそこが今作の最大のアピールポイントになるのだろうが、小説の骨子としてはいかほどのものであろうか。まず、骨を通じて得られた情報は、今回「年齢」「死因」程度のもの。つまり、櫻子さんが後々鴻上さんに話して聞かせたお婆ちゃんの事件の顛末は、ほとんどが「骨の情報」以外の部分から勝手に櫻子さんが類推したものである。そして、例えば「お婆ちゃんが崖の上に登ったのは朝日を見るためだった」なんていう事実は、普通に考えるとあの場所で類推して分かるものではない(作中では、あくまで崖の上からでないと木々の間から景色が開けないように見える)。もちろん、死体発見当日に櫻子さんがその辺を嗅ぎ回って知っていたのかもしれないし、必要な情報を全て視聴者に伝える義務も無いのだが、そのあたりで「櫻子さんが真実を知ることが出来る理由」がはっきり分かっていないと、いわゆる「ミステリ」的作品としてはもやっとしたものが残ることになってしまう。本作最大の見せ場であるはずの「骨の云々」についても扱いがあまりに小さく、櫻子さんは「泣いたら水分を補給しなさい」とか、「お婆ちゃんは朝日を浴びてセロトニンを分泌させて元気になろうとしたのかもしれない」とか、科学的な知識を大胆に拡張して日常生活に当てはめるトンデモサイエンスの請負人になってしまいかねないのである。 まぁ、作品としては「トンデモ科学マインドの櫻子さん」というキャラだけでも成立しているし、そこからシナリオ面できちんと「それ用」の舞台を用意してあげられれば充分輝けるとは思うのだが、なんか、事件のデザインが、いまいちしっくり来ないんだ。日常の謎というには多少血なまぐさい部分はあるが、まぁ、血に飢えた殺人者なんかはいない(前回除く)このお話は、一応日常の謎に分類して良い作品だろう。そうなると、通常のミステリの「犯人が分かる」というカタルシス以外に、何か別の「オチ」を用意しなければいけない。言い換えれば何か明確な「謎」を用意し、「解決」が無ければいけない(全ての作品が必ずしもそういう制約を持つわけではないが、30分で山を設ける必要があるアニメシリーズでは必須と言ってしまっていいだろう)。今回のお話の場合、謎は「お婆ちゃんは何故山に登ったか」であり、解決は「朝日を見るため」であった。そしてこの解決には意外性は全く無い。警察が「自殺だった」と鴻上さんに告げるシーンすら無いので、視聴者の頭には最初からそんな考えが生まれず、どんでん返しにならないからだ。「何で死んだんやろ?」→(櫻子さんが何でそのことに気付いたかははっきり分からないけど)「事故やろ、お婆ちゃんも頑張って生きようとしてたんやで」と言われても「せやろな」と言えばおしまいなのである。これではちょいと盛り上がれませんよ。普通、こういう「些細な謎」はそこに辿り付くまでのプロットで見せてくれるはずなのだが、残念ながら櫻子さんが結論に行き着いた方法が分からないためにそこでも納得が生まれない。つまり、この作品では「謎と解決」で楽しむ方法が無い。 となると最後は、鴻上さんのお婆ちゃんへの思いを描いたホームドラマとしての側面がクローズアップされることになる。お婆ちゃんの生き様、信念を知りたかった鴻上さん、そして真実を知って新たな生きる決意を持つ鴻上さん。それだけでもドラマとしては充分だ。ただ、その部分もあまり描写として力点が置かれてないんだよね。視聴者側には「鴻上さんとお婆ちゃんの関係」を認識するシーンが一切無いので、ラストシーンで朝日の丘にお婆ちゃんの幻影が現れても「こんな顔やったんか」と初めて分かるくらいのもので、「鴻上さん、良かったなぁ」という気持ちは起こらない。そもそも、最初に鴻上さんが正太郎のところに話しかけてきた意味も良く分からない。警察って死体を発見した目撃者の情報なんてわざわざ遺族に教えるかな。教えたとして、「死体見つけてくれてありがとう」って、言われた方も重いやろ。どんな心境だったんだ。 うーむ、なんだかやりたいことは分かるのだが、尺が窮屈なせいでやりたいことが描ききれてない感じがする。理で見せるにしろ情に訴えるにしろ、もう少し掘り込んだ描写が欲しいものだ。骨の作画とか、ビジュアル的な部分では本作独自のセールスポイントがはっきりと意識されていて面白いので、筋立て部分がもう少し訴求力を持てばかなり印象が変わると思うのだが……。 PR |
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