最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
すげぇぞ、回を増すごとに盛り上がってくる、第7話。いわゆるラノベ的スタート地点からの作品で、加速していくっていうのはひょっとしたら初めての経験かもしれない。 今作で見事なところは、「予想をいい方向に裏切ってくれる」部分だ。十把一絡げでまとめられる「ラノベ的」展開をベースにしながら、「ループものだし、こういう展開でこうなればOK」みたいなこちらの予想を、無茶苦茶な方向ではなく、少年漫画的な要素やサスペンス的な要素を混ぜ込みながら、「そっち方向に伸びるのか!?」と裏切ってくれる。具体的に言えば、前回までの流れは「ロズワール邸にスバル殺しの犯人がいる」という犯人捜しの展開(テンプレ)に乗せ、レムの犯行ということで無事に1つのカタルシスを得た。普通の予想ならば今回でレムの動機が確認され、それを避けて「ループの脱却」を目指すお話が設定されていたはずだ。実際、スバル本人は強くこの「テンプレ」に則った行動をとっており、例えば「5日目の朝が迎えられれば勝ち」とか、「生き残ることが条件だった」とか、あわよくば単純化した設定の中で自分の勝ち負けを判断しようという「逃げ」の姿勢を見せていた。普通に考えれば、暗殺者と一つ屋根の下に暮らしているのだから5日目だろうが6日目だろうが次の夜に殺される危険性はあるわけで、たかだか一晩生き延びただけで安心出来る理由など全く無いのだが、それを「クリアした」と平気で言ってしまうあたりが、私の思うところの「設定が単純化されたラノベ的な」展開である。 しかし、そうしたスバルの思考に対し、「それは違う」と常識的な反論を繰り出すだけでなく、さらにもうひとつのサプライズを重ねることで物語を前へ前へと進めていく。「スバルが生き延びたら今度はレムが殺された」→「レムを殺したのは初回・2回目の毒物使い」→「殺意は別なところにもあった」という展開。さらに、ここに少年漫画的な挫折と復活の物語が加わる。レムの死という、ミステリ的に非常に興味深い題材が目の前にぶら下がるが、ここで単純に「失敗したからもう一回戻ろう」という発想に至らないのはとても好感が持てる。何しろ、スバルは「戻る=死」なのだから、そんなに簡単にループが選択出来るはずがない。今までのおちゃらけた雰囲気だったらひょっとしたら可能だったかもしれないが、1つ前のループ、レムからの殺意を向けられたリセットは、これまででもトップクラスに陰惨な殺され方。信頼していたレムにあからさまな殺意を向けられ、苦しみ抜いた上で舞い戻ってきたこの世界。そして今度は、全く同じ顔をしたラムが、かつての妹と同じようにして憎しみをむき出しで襲ってくるのだ。スバルが「死にたくない」と思うのは当然のことである。レムとラム、そしてエミリアが大切なのは間違いなく、仇を取るために戻りたいという気持ちもあるのだろうが、そんな浅薄な「関係性」よりも自身に植え付けられた「恐怖」が優先される。ごく当たり前の展開だ。しかし、ここまで持ってくる段階で、様々な感情の動きがしっかりと描かれているからこそ、このスバルの「逃げ」が正当化される。うわべだけを追った「ループゲーム」だったなら、このスバルの態度はひどく薄情に見えてしまったことだろう。これまでの3度のループの積み重ねが、彼の持つ恐怖や諦観をきっちりサポートしているからこそ、今回の話が成立している。これまでの一見おちゃらけていたように見えるパートが、十全に機能しているということだ。 そして、ここまで落とし込まれたからこそ、彼の「進歩的自殺」というエポックメイキングな決意が、滑稽ではなく、立派に「成長の結果」として認識される。崖の上でのベアトリスとの対話、沈む夕陽を手に握り込むスバルの姿は、これまでで初めて、格好良いと思えるものになっていた。まぁ、相変わらずラムとの会話ではふざけた態度が出てしまっているので「どこまでいってもコイツは……」という気持ちもあるのだが、まぁ、そこはしょうがない。スバルが何をもって「死に戻り」を自身の「長所」として受け入れるのか、どこまで極限状態に至れば人は死を前進ととらえられるのか。今回のエピソードは、ラストにいたるまでの構成全てで、その部分をしっかりと映しきっていたように思う。双子やスバルの中の人たちの熱演もお見事だ。 とまぁ、そんなこんなで一本のドラマとして満足してしまったわけだが、今回はさらに謎の部分にもいくつか補足が付けられているので、今後の展開を考える上で欠かせないお話にもなっている。まず、重要な追加情報として、「スバルは死に戻りを他人に告げられない」というペナルティがついた。ぶっちゃけ「これまで言おうとしなかった方がおかしいやろ」とは思うのだが、とにかく初めて他人に告げようとして失敗した。「何故駄目なのか」という部分は理屈で説明出来るものではないが、今回のアニメ的な描写だけでも説得力は充分だろう。更なる追加情報である「嫉妬の魔女」という存在を考えると、死に戻り能力は異世界転生を果たしたスバルにその「魔女」とやらが付与した能力なのだと考えられるが、純粋にメリットだけの魔女の呪いなんてあるわけがないし、1人で抱え込むことを条件とした契約内容になっていると考えれば問題無いだろう。 そして、この「嫉妬の魔女」の存在がレムを凶行に走らせた原因の1つにもなっている。改めて整理すると、レムは「魔女の匂いがこびりついたスバルをエミリア陣営の敵だと認識し、そんな人間がラムと親しくしていることがとても許せなかった」という動機で2度目、3度目のループにおいてスバルを殺している。おそらく1度目のループでも同じことを考えていただろう。しかし、4度目のループではスバルが書庫に身を潜めていたためにその殺意が不発に終わり、代わりにレムが何者かによって殺害されることになった。その方法は1回目のループでスバルを殺したものと同様と考えられる。当然、この殺害方法に関してはラム・ベアトリスは容疑者から除外される。するとロズワールが怪しいことになるのだが、どうも彼がレムの亡骸の前で取っていた態度からするに、彼もそんなことをするようには見えない。そうなると、ロズワール邸とは全然関係無い第3者が外から危害を加えてきたということになるのだが……それだとミステリ的なネタとしてはあんまり面白くないな。 とりあえず、スバルは「魔女の匂い」という最大の疑惑要因を何とかするところから始めて、双子の疑いを回避する必要があるだろう。その上で、レムと彼自身を殺した謎の第3者の存在を喚起し、対策を練る必要がある。どう考えても現時点では情報が少なすぎる気がするが……とりあえずスバルが対策に前向きになれたので、情報収集は積極的に行えるはずだ。次のループがあるのかないのか。来週もドキドキしながら見守ろう。 PR |
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