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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ふらいんぐうぃっち」 6→8

 終わらないよ。この日常は終わらないんだ。終わらないんだ……。

 「田中くん」と並んで双璧を成した春クール2大アニメ。こういう作品にばかり目がいくようになったということでそろそろ自分のアニメ視聴姿勢にも変質(老境?)があるのかなぁ、と考えたりもするが、まぁ、良い物は良いと言っていければいいですね。今作はとりあえず「ほのぼの日常もの」という良さを前面に押し出していることが全てではあるのだが、過去にも沢山の「日常もの」はあったわけで、何故ここまでハマったのかをきちんと考える必要はある。視聴中にも散々感想を書いてきたので繰り返しになる部分も多いかもしれないが、改めて今作ならではの「良さ」を振り返ってみよう。

 1つは、作品の性質に見事にマッチした舞台設定と映像美術。クジラ回の眺望なんかによく表れていたのだが、実在の町を舞台にしているのに、不思議と「魔法」という装置と噛み合う景色の良さ。クジラの上のいかにもマジカルな遺跡の様相と、何故かしっくり馴染んでしまう弘前という片田舎の町並みが、何とも言えない和のノスタルジーをファンタジーに融合させている。そして、遠くから見ればマジカルな風景に馴染むほどよいバランスながらも、スコープを絞って近づいてみれば、そこにはちゃんと「現代の田舎の風景」が地に足を付けて描かれている。チトさんや千夏ちゃんが元気に駆け回る町のそこかしこが、まるでいつも歩いているご近所さんのような近しさを感じさせるのだ。この映像のかみ合わせの良さは、最近のJ.C.STAFFの仕事の中でも抜群の働きを見せていた。

 そんな中で繰り広げられる日常芝居には、絶妙なユルさが「間」の演出でもって形作られている。一見無謀とも言える無音で動きのない描写も、今作のたっぷりとした時間の流れの中では雄弁な意味を成し、のどかな空気を作り出している。「悪人がいない」というのはともすれば退屈な世界になってしまう危険性を孕んでいるのだが、今作では「魔法」というちょっとピントのズレた小さな奇跡のおかげで常に刺激を維持することが可能になっており、その突拍子のない現象が、さらに日常ののどかさを際だたせるという、明解な相互作用を生み出している。「ちょっとの魔法と絶え間ない日常」。これが今作が視聴者の目を飽きさせない最大のポイントだ。

 そして、そんな日常を形作る中心となっているのが倉本家の皆さん。これは完全に個人的な趣味趣向であるが、「家族の交わり」っていうモチーフが本当に眩しい。倉本家のお母さんもお父さんも、そして圭にしても、特に意識的に家族間で交流を図っているというわけではない。家族愛を謳ったアニメでもないし、家族の絆を問われるような場面もない。しかし、それだけに何気ないワンシーンに見える、揺るぎない「家族」の情景が眩しいのである。特に私みたいに延々一人暮らしを続けている寂しい人間には、退屈とも言える田舎の日常の中、当たり前の幸せを満喫している家族の情景が、あまりにも輝かしいのである。無い物ねだりじゃないんだ。我が家だって、こういう幸せな時間はあったし、今だって実家に帰れば近いものは得られるかもしれない。でも、それがすぐそこに転がっていたんだ、っていうことは、こうして改めて提示されて初めて気付くものだ。本当にかけがえの無い「良いもの」を見せてくれるから、本作の「日常」は特別なものになっている。

 こうして作られた物語は原作の良さもありつつ、アニメではさらにそれを膨らませて1本のシナリオにしていたという。アニメスタッフのどの部門が欠けても成立しなかった奇跡のバランスだったのだろう。本当にお見事としか言いようがない。あとはまぁ、やっぱり今作が屈指の猫アニメだったという部分があまりにも高得点過ぎましてですね……いや、猫だけじゃないな。狐も、キジも、テントウムシやハチだって。なんだか「生き物にありがとう」な部分も素敵なアニメでしたね(千夏ちゃんという生き物も含む)。現時点で原作ってどれくらい消化したのかなぁ。2期はあるのかなぁ。ケニーさんの研究論文の一端だけでもいいから見せてほしいなぁ。

 中の人については、もう全部が全部良かったですね。主人公・真琴を務めた篠田みなみはこれが初ヒロイン。ここから更なる一歩があるかどうか。さらに茜姉ちゃん役の葵井歌菜に至ってはその他の経歴すらよく分からない人なんだよな。色んなところから今後が楽しみなアニメですよ。

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