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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<青>

 

Air Elemental/大気の精霊(M10)」 U

 なんとまさかのこの起用。長年基本セットでビッグブルーの看板を背負い続け、だからと言ってリミテッド以外ではあんまり出番がないからやたらとカードボックスの中に溜まっていった大ベテランが、この度拡張セットで初の再録を果たした。なんかもう、リミテッドでこいつが使えるというだけでも胸にくるものがある。シナジー? そんなのいらないです。ただ、個人的には思い出深いのでイラストは6th版(ポータル版)が好きです。

 

Arcane Adaptation 秘儀での順応 (2)(U) R

エンチャント

〜が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。

あなたのコントロールするクリーチャーは、本来のタイプに加え、選ばれたタイプでもある。あなたのコントロールするクリーチャー呪文や、あなたがオーナーである、戦場に無いクリーチャー・カードについても同様である。

 クリーチャータイプの追加・書き換えは元々青の得意技で、あのオンスロートドラフトでは「映像の造形者(ONS)」が大活躍した記憶が残っている年寄りも多いことだろう。こちらのカードの原型としては「異種移植(NPH)」が一番近いと思われるが、戦場だけでなく手札でも墓地でもスタックでも、とにかくあらゆる場所でタイプが追加されるという部分は更に遡って「奸謀(TSB)」に近いか。このカードがどのくらい活躍出来るかはかき集めた部族ギミック次第。まぁ、どうせ構築レベルでデッキを組むときは最初からそのタイプに絞り込んでカードを入れるのだからあまり意味が無いのだが。リミテッドで活用出来たら楽しそうではあるな。

 

Cancel/取り消し(AKH)」 C

 はいはいキャンセルキャンセル。今回コモンのカウンターはこれと「呪文貫き」の再録コンビ。既存ユーザーに優しいというか、新鮮味に欠けるというか。

 

Chart a Course 航路の作成 (1)(U) U

ソーサリー

カードを2枚引く。その後、あなたがこのターンクリーチャーで攻撃していないなら手札を1枚捨てる。

 強襲はクリーチャーに与えられる能力でソーサリーには使えないためこのような書式になっているが、これが事実上の強襲カードであることは一目瞭然。考えてみれば、元々マルドゥ(赤黒白)のために開発された攻めっ気溢れる強襲が、「海賊」という文脈を通じて青にも移植されるというのはなかなか面白い現象だ。そして、この程度の条件で2マナ2ドローというのは割と事件である。普段の文脈ならば「まぁ、青はクリーチャーカラーじゃないから攻撃とか難しいし……」というところだが、今回の青はしっかりと海賊カラー。そうでなくても最近は果敢色として青にも色々と粒の揃った低マナ域も安定供給されるようになってきた。最悪クリーチャーは犬死にする選択肢だってあるのだし、フライヤーなどの手軽なアタッカーを1ターン目に用意できれば、2ターン目からいきなり2ドローも夢ではない。中盤以降にもわずか2マナで選択肢が増やせるのは文句なしで強く、このコストなら2ドロー1ディスカードの「目録(SOI)」でも問題ないのだ(「苦しめる声」の上位種である)。「先読み(ROE)」もちょいちょい構築レベルでニーズがあったのだから、これだって必要に応じて求められるデッキはあるのじゃなかろうか。

 

Daring Saboteur 勇敢な妨害工作員 (1)(U) R

クリーチャー・人間、海賊

2/1

(2)(U):〜はこのターンブロックされない。

〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いても良い。そうしたなら、手札を1枚捨てる。

 いかにも青らしいアンブロッカブル使い。2マナパワー2のアンブロッカブルってのは破格の能力になるのだが、残念ながらこいつは毎ターン3マナかけないと真価を発揮できない。……レアとしてはそこまででもないな。その後戦闘ダメージ誘発でドローができて超強い! って期待させておいて実はルーターだったりする。そりゃま、ルーターでも充分強いけどさ……レアなんだからもうちょっとさ……このままだと「コー追われの物あさり(TSP)」と大して変わらない性能なんだよね……まぁ、海賊たちには強襲能力があるので、その辺りのサポーターとして考えればいいんだろう。

 

Deadeye Quartermaster 巧射艦隊の操舵手 (3)(U) U

クリーチャー・人間、海賊

2/2

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリから装備品・カードか機体・カード1枚を探し、それを公開して手札に加えても良い。その後、あなたのライブラリを切り直す。

 「上級建設官、スラム」が好きなタイプのカードだけを専門にしたチューター。4マナ2/2と体躯は貧弱だが、出た時点で業務を終えるので特に問題はない。似たような効果のソーサリー「武器庫の解放」が2マナであることを考えれば、2マナの追加で2/2という計算はあっている。機体カードはまだ歴史が浅いのでそこまで多くの選択肢があるわけではないが、やはり注目すべきは装備品の方。「石鍛治の神秘家(WWK)」というとんでもない先輩もいるにはいるが、あれは単なる壊れ。さらに先輩の「タージ=ナールの剣鍛治(MRD)」と比較しても随分使いやすくなっていることがわかるはずだ。アーティファクトを探す専門家である「粗石の魔道士(SOM)」たちと同じように、下の環境や統率者なんかでいい仕事をしてくれそう。もちろん、リミテッドでもある程度の該当カードがあるなら、単に手札が増えるカードなので充分使用に耐えるだろう。

 

Deeproot Waters 深根の水域 (2)(U) U

エンチャント

あなたがマーフォーク・呪文を唱えるたび、1/1で呪禁を持つ、青のマーフォーク・クリーチャー・トークンを1体生成する。

 すごくローウィンっぽい匂いがするカードだ。これでもしローウィンのカードだったら間違いなく「部族エンチャント・マーフォーク」だったのだろうが、残念ながら部族システムは問題を抱えすぎて廃止になってしまっているので、この世界ではあくまで普通のエンチャント。ギミックとしてはエルフにおける「リス・アラナの狩りの達人(LRW)」と全く同じ。設置しておくだけで、今後全てのマーフォーク呪文は人数が倍になって出てくる。「リス・アラナ」はそれだけだったら「割と強い」レベルのカードで、こっちのエンチャントは出しただけではなんの役にも立たない置物なのだから評価が下がるように見えるが、問題なのは出てくるトークンが揃って呪禁持ちであるという部分だろう。1/1程度が呪禁を持ったところでそこまで問題はなさそうだが、部族環境ということもあり、当然ここから想定されるのは各種ギミックで1つ1つのクリーチャーのサイズが増していくこと。ただでさえマーフォーク呪文を連打している前提であり、出てくるクリーチャーの半数が呪禁持ちとか地獄でしかない。悠長なカードではあるが、今回のマーフォークは青緑で探検能力との絡みも多く、後続を呼び出すのが比較的容易な種族である(探検は占術と同等の役割を果たすため)。マーフォークでいっぱいの海。そりゃ陸にも上がってくるよな。

 

Depths of Desire 欲望の深み (2)(U) C

インスタント

対象のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。【宝物トークン】を1つ生成する。

 「送還」+宝物で2マナ重くなった。キャントリップの「排撃(INV)」と同じコスト設定ってのは高いのか安いのか。うーむ、あんまりお値打ちって感じでもないが、まぁ、それでも確実にデッキに入るタイプのカードに確実に手に入るお宝のセットがコモンで手に入るというのは重要。青が絡むあらゆるデッキで必須カードである。しかし、これって確実にシチュエーションでいったら命が尽きているはずなんだけど、なんでバウンスなんだろ。

 

Dive Down 潜水 (U) C

インスタント

対象のクリーチャーはターン終了時まで+0/+3の修正を受けるとともに呪禁を得る。

 物体に潜ませて、解き放つ能力。いろいろ便利だったダイバーダウン。まぁ、あんまり正義サイドっぽくない能力ではあったが。そんな6部の話とは関係なく、こちらは「きらめき(DTK)」の完全上位互換。効果は完全に一緒のまま、1マナのコストダウンに成功している。まぁ、もともと「きらめき」はリミテッドでも使われてるシーンを見たことがない残念呪文だったので、1マナになってようやく登場する機会があるかどうか、という感じだが。流石にこれだけ軽ければ、除去に対してカウンターの役割を果たすこの呪文はニーズがあるんじゃないかしら。レアリティが高くて「守れば勝つ」みたいなカードを引いた時にはお守りがわりに1枚潜ませておきたいカードだ。まぁ、こういう「お守りがわり」のイメージがなかなかデッキインにまで至らない理由なんだろうけども。

 

Dreamcaller Siren 夢呼びのセイレーン (2)(U)(U) R

クリーチャー・セイレーン、海賊

3/3 飛行 瞬速

〜は飛行を持つクリーチャーのみをブロック出来る。

〜が戦場に出たとき、あなたが他の海賊をコントロールしているなら、最大2つまでの対象の土地でないパーマネントをタップする。

 不確定スポイラの時点では5マナだと思われていたので「オイオイオイ」という感想しか出てこなかったのだが、1マナ軽くなるだけで印象は随分変わってくる。ハイフライでブロック制限こそあるものの、4マナ3/3瞬速フライヤーは充分な戦力。他の海賊のサポートがあれば「デジェルの拒絶」と同程度のインスタント呪文として相手の攻撃を妨害し、そのまま3/3フライヤーを加えた軍勢で攻撃に転じることができる。繰り返しになるが海賊は「攻撃する」ことが大きな意味を持つため、相手エンドに2体タップから一気に攻撃に転じれば、様々な海賊ギミックの恩恵を受けることが可能になるだろう。まぁ、それでもレアとしては地味なことに変わりはないのだが……。

 

Entrancing Melody 幻惑の旋律 (X)(U)(U) R

ソーサリー

対象の、点数で見たマナコストがXのクリーチャーのコントロールを得る。

 不確定スポイラだとインスタントって表記されてたので「強いやん」だったカードだが、実際はソーサリーだったので「まぁ、レアなら普通」くらいに落ち着いた。インスタントの方が他の誘拐オーラなんかと区別できて面白かったと思うのだが……それだと強すぎるんですかね。現在の誘拐スペルと比較すると、構築での採用実績もある「慮外な押収」に勝てる要素はあまりない。2マナのクリーチャーまでを奪うならコストは勝るが、せっかくの誘拐スペルでそんなマナ域をやり取りするのも癪な話だ。5マナ以上がかかる場合、この呪文ならばあとは相応にコストが上昇するが、「慮外な押収」なら(エネルギーデッキで使うという条件こそあれ)5マナ固定で選択肢が広がるのだ。特に条件がないなら「押収」を選ぶべきだろう。こちらのカードの売りは「トークンなら2マナでパクれる」という部分なのだが、いかんせん現在活躍しそうなトークンはしっかりとマナコストをもった不朽や永遠のコピートークンが多い。まぁ、4マナで4/4の「地揺すりのケンラ」がもらえるなら悪くはないが……リミテッドでちょいちょい嫌がらせするくらいのポジションで落ち着きそう。一応、青いハゾレト対策にはなる……かなぁ。

 

Favorable Winds/順風(AVR)」 U

 「どんなカードを再録するか」というのは実にクールで、考えがいのある要素であると、以前公式コラムのどこかに書かれていた。基本セットが復活することが決まり、無事にその受け皿は確保されたわけだが、このイクサランの時点ではまだそうしたプランはなかったはず。そこで、今回はやたらめったら充実した再録カード群が目を惹くラインナップになっている。そんな中からこの1枚。2マナという破格の軽さながら、デッキ次第ではマジヤバ決定力になる全体増強である。コンスピラシーに収録されてデッキテーマを支えたりしてたっけなぁ。今回は青白黒と満遍なく飛行クリーチャーが展開できるので、リミテッドでキーになりそうな筆頭カードである。

 

Fleet Swallower 船団呑み (5)(U)(U) R

クリーチャー・魚

6/6

〜が攻撃するたび、対象のプレイヤーは自分のライブラリを上から半分(端数切り上げ)墓地に置く。

 最初の記事の時に出してた魚なんだけどさ、結局正しい情報では7マナ6/6だった……。そりゃそうだよな、こんなもんが5マナのわけないよな……ちくしょう……。いや、でもワンパンで勝てる可能性があるんだから7マナでもいいじゃない。正気を減らせばいいじゃない。いつだって僕らは「心の傷跡(M14)」を胸に抱いて生きているのだから!(やめて)

 

Headwater Sentries 源流の歩哨 (3)(U) C

クリーチャー・マーフォーク、戦士

2/5

 「従順な召使い」の色が変わった圧倒的バニラ。この世界のマーフォークは腰が据わっていて実に安定感があるな。このままのステータスだと「リミテッドでもまぁ普通」くらいのレベルだが、今回のマーフォークは「+1/+1カウンターとブロック回避」がテーマになっているそうなので、もし3/6以上になってアンブロッカブルとか言い始めるとウザさは加速するだろう。青緑らしい嫌らしい戦い方の基盤役として。

 

Herald of Secret Streams 秘滝の軍使 (3)(U) R

クリーチャー・マーフォーク、戦士

2/3

あなたのコントロールする、+1/+1カウンターが置かれたクリーチャーは、ブロックされない。

 ステータスだけを見れば「ニクス生まれのトリトン(BNG)」なんかと同じなのだから普通のマーフォークだが、そこには+1/+1カウンターを参照するという、このセットのマーフォークの親玉らしい能力が。他の次元でいえば「サファイアのドレイク(GTC)」みたいなスタンス。つまり、こいつはシミックギルドの回し者です。付与される能力がアンブロッカブルと大盤振る舞いなので、もしこの世界でハマることがあったら文句なしの爆弾。マーフォーク以外でもカウンターを乗せる探検能力がシナジーを形成するし、「青緑探検デッキ」みたいなものが成立すればフィニッシャーになれる。既存のカウンター絡みのカードとも大きなシナジーが形成出来るが、スタンだと青はその手のデッキに絡んでないのよね。

 

Jace, Cunning Castaway 狡猾な漂流者、ジェイス (1)(U)(U) M

伝説のプレインズウォーカー・ジェイス

<+1>: あなたのコントロールする1体以上のクリーチャーがこのターンプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。

<-2>: 2/2で青の、「このクリーチャーが呪文の対象になった時、これを生贄に捧げる」を持つイリュージョン・クリーチャー・トークンを1体生成する。

<-5>: 伝説でないことを除き〜のコピーであるトークンを2つ生成する。

 何じゃいコイツァ! ということで、新セットの新たなプレインズウォーカー・ルール改変のお披露目となった問題児ジェイス。片肌脱いですっかり海賊さんたちの文化に染まった様子で、クソ暑そうなアモンケットですら外さなかったローブ・フードは一体どこへやってしまったんだというツッコミ待ちなのは確実である。まぁ、こうして次元によって変化するPWたちの装いを見るのも楽しみの1つではありますけどね。それにしても似合わねぇな……。

 さておき、PWルールを改正してまで生み出された能力を見ていこう。まずはプラス。周りにサポーターとなるクリーチャーがいれば、なんと、ルーターできます!! ……ルーターなの? ドローじゃないの? ……そこはケチらなくてもいいような……前提条件付きで、自身の身を守ることにもつながらず、必死でやってもルーター止まり。このプラスは……あまり強くないな。その分、小マイナスは悪くない。2/2クリーチャーを生み出すというジェイスとしては初めてのトークン生成能力だ。登場直後に起動すると残り忠誠度が1というのは悩ましいが、3マナでとりあえず2/2が得られるのなら最低限の保証にはなる。出てくるトークンもデメリット持ちだが、最近ではこのデメリットはほとんど意味がないことも証明されているので、とりあえず着地後1ターン生き残る方策としては上々のものだろう。

 そして、相手の隙をついて何とか奥義までたどり着くと……増える。この「ちょっと微妙なPW」が、さらに増える。忠誠度がぴったり5の状態で出すと単に倍になるだけで、そこからすぐに能力を起動してイリュージョンを2体出すのか、それともさらなる倍々ゲームのためにルーター能力を加速させていくのか。その先のことはもう想像の埒外だが、「カードの管理がめんどくさそう」ということだけは間違いない。あと、戦闘中にこすっからい幻術で相手をペテンにかけてばかりの「戦うジェイス」のフレーバーを最も的確に再現できているカードなのも間違いないだろう。正直、強いかと言われれば微妙極まりないカードだが、その独特すぎる挙動には色々と反則技が盛り込めそうな匂いもしている。現時点で報告されている例では、「倍増の季節(RAV)」を1枚置いとくだけであとは無限のジェイスが増え続ける地獄絵図に。正確な挙動を書くと、「季節」がある状態でジェイスを出すと忠誠度6で出るのですぐに奥義を起動。コピートークンが4体登場し、それらすべてが忠誠度6。4人のジェイスが16人のジェイスを生み出し、16人のジェイスが64人のジェイスを……あとはその半分のジェイスをイリュージョンの製造に回せば、次のターンには114514体のイリュージョンが相手を踏み潰す。さぁ、ジェイスに埋もれてみよう。

 

Kopala, Warden of Waves 波を司る者、コパラ (1)(U)(U) R

伝説のクリーチャー・マーフォーク、ウィザード

2/2

あなたのコントロールするマーフォークを対象に取る対戦相手の唱える呪文は、そのコストが(2)多くなる。

あなたのコントロールするマーフォークを対象に取る対戦相手の起動型能力は、そのコストが(2)多くなる。

 事前スポイラでは要求するマナが(1)だったので「サポーターとしても微妙」という印象だったのだが、(2)を要求するとなると俄然鬱陶しさも変わってくる。こいつ自身を除去するための「ショック」ですら3マナ必要になるのだから、しぶとさはなかなかのものだろう。まぁ、それでもやっぱり地味な能力には違いないのだが。リミテッドでうまいことマーフォークデッキが組めた時には、除去を1枚引き付ける贅沢な避雷針になる。さらに下の環境や統率者戦を含めたマジなマーフォークデッキでは、これ1枚を守り抜くだけでデッキ全体の耐久力が大きく底上げされることになるはずだ。まぁ、やっぱり3マナ域は渋滞してる気がするけども。真の名を持つあいつがいるからなぁ。

 

Lookout’s Dispersal 見張りによる消散 (2)(U) U

インスタント

〜を唱えるためのコストは、あなたが海賊をコントロールしているなら(1)少なくなる。

対象の呪文を、そのコントローラーが(4)支払わない限り打ち消す。

 巻き込み(EMN)」の完全上位互換である。まぁ、レアリティあげてるから。「完全上位」とは言ったが、どのくらい上位かというと、今のところは「ほんのちょっと」。海賊がいればこれは「マナ漏出」の上位互換になるという、僅かながらのコスト調整である。似たような立ち位置の呪文には「冷静な反論(SOM)」があるが、あっちは別に構築レベルに食い込んだとかいう話は聞かないんだよな。とりあえず、4マナの要求はほとんど完全カウンターと同義であり、ローテーションにより「手酷い失敗(BFZ)」「虚空の粉砕(OGW)」などの有力なカウンターが落ちる今後の環境では構築も狙える1枚。もちろん、海賊デッキが流行るなら言うことなしだ。

 

Navigator’s Ruin 航海士の喪失 (2)(U) U

エンチャント

強襲 - あなたの終了ステップの開始時に、対象の対戦相手は、自分のライブラリを上から4枚墓地に置く。

 レッツライブラリ破壊。なんと、攻撃するだけで4枚も削れるんです! 戦闘ダメージを与えてようやく2枚とかいう「叫び霊(DKA)」やら「都市内の急使(RTR)」とはわけが違うんです。なお、アタックのためのクリーチャーは別途ご用意いただく必要があります。しかし、どんな雑魚クリーチャーのアタックだろうが確実に4枚。つまりこれを置いた後に戦闘の成否は問わずにとにかく6、7回殴れば勝てるんですよ! ……意外に遠いな……じゃ、じゃぁ2枚貼ればいいじゃない! 2枚貼ったらあとは4回殴れば勝てます! これなら割と現実的! あれ、書いてたらどんどん現実的! やる! 先生、僕やるよ!

 

One With the Wind 風と共に (1)(U) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修正を受けると共に飛行を持つ。

 今回唯一の「なんか物言いたげなカード名」カード。「床下から/風と共に/人生は続く」とかいう短文詩が読めそうである。しかしてその実態は、「幽体の飛行(ISD)」の名義変更カードである。元の名前はイニストラードっぽさがあったので、いくらか晴れやかなこっちの名前で再版したのだろうが、その凶悪さは当然変わるべくもない。イニストラード当時は、適当なコモンクリーチャーにこれを張ってパンチする「オーラゲー」が頻出するというクソのような強カードであった。今回だってその存在価値を疑いようもなく、これで海賊の強襲条件を補強しながら一気に畳み掛けたり、カウンターを載せてさっさと火力圏外に脱出させてゲームを決めにいくなど、いくらでもこれ中心の戦略が組めるだろう。緑にはフライヤーを専門に落とす呪文が用意されているので一応ごまかしが効くが、火力中心の赤や除去がもっさり気味の黒は枕を濡らす日も多くなるんじゃなかろうか。

 

Opt/選択(INV)」 C

 なんとなんと、インベイジョン以来、実に18年ぶりの再録となった青の「キャントリップの中のキャントリップ」が登場だ(元々キャントリップとは「大したことができないちっちゃい呪文」の意)。実は我々コミュニティのドラフトの始祖を辿るとインベイジョン環境になるのでこの呪文は非常に印象深かったのだが、確認したらなんとインベイジョンで初登場して以降、サブセットも含めて一度も再録されていなかったらしい。つまり、マジで18年越しの新版カードなのである。書式も「占術1を行う」に変更され、なんだか随分お洒落な呪文になった。興味深いのは探検能力との絡みで、占術してるのに絶対にトップに積み込むことができないこの呪文は探検能力と一切シナジーを形成しない。その辺りの制約もあって今回の環境にお呼びがかかったのかもしれない。「血清の幻視(5DN)」や「定業(M11)」と言った呪文に比べると占術の質こそ落ちるが、この呪文の最大の売りは何と言ってもインスタントという手軽さ。かつては「オプトブルー」なんてデッキも存在したこの1枚、新たな時代の指針となるか否か。

 

Overflowing Insight 溢れ出る洞察 (4)(U)(U)(U) M

ソーサリー

対象のプレイヤーはカードを7枚引く。

 That’s 雑。確かに引く枚数はすごい。1マナ軽い「好機(M14)」で引ける枚数が4枚、「明日からの引き寄せ」では同じコストなら5枚なのだから、その効率の良さは圧倒的。圧倒的なんだけども……ソーサリーなぁ……。確かに通せば(そして次のターンまで生き残れば)勝つ呪文なのは間違いないのだが、ここまでのビッグアクションなら、もう1枚や2枚程度の枚数の差は大した問題じゃない気がする。引きまくったカードはどうせ同じターンに使うことが困難だし、現実を見るなら「明日からの引き寄せ」にしておくべきだろう。一応このカードだけの利点として「相手にも引かせられる」という特徴はあるので、いざとなったらライブラリを……(ここでノートは途切れている)

 




Perilous Voyage 危険な航海 (1)(U) U

インスタント

対象の、あなたのコントロールしていない土地でないパーマネントをそのオーナーの手札に戻す。その点数で見たマナコストが2以下であるなら、占術2を行う。

 どれくらい危険かっていうと、あのヴラスカさんでも人の心配をするくらいだそうです。落下するジェイスに必死に手を伸ばすヴラスカさんが注目のストーリー(しかも5/5)って……今後は一体どうなってしまうんだろう! これが進んじゃうと「航海の終わり(THS)」にたどり着くわけだね。実際、この2枚のバウンス呪文はよく似ている。「航海の終わり」は確実な占術1、そしてこちらは条件次第では占術2。ただ、なぜかこちらアンコモンになってしまっているため、その分戻せる対象が大きく広がった(自分のものが戻せないので完全に広がったとは言えないのだが)。バウンス呪文ってのはアドバンテージを失う代わりにテンポを手に入れるための呪文。なるべく重たいクリーチャーなんかを戻して相手に嫌な顔をされたいのだが、万一そうじゃなかった場合、損した気分にさせないためにも占術が使えますよ、という設定なのだろう。まぁ、そりゃあれば嬉しいですから。この世界でも相変わらず各種トークンは元気であり、恐竜トークンなんかを戻して占術できたらかなり得した気分。なお、こうしてスポイラを書いてはいるが、私は絶対に試合中1回は自分のパーマネントを戻そうとすると思う。下手したら相手も気づかずにしれっと戻して試合が続く可能性も。誰か、あと数ヶ月この記述のこと覚えといて(俺は忘れる)。

 

Pirate’s Prize 海賊の獲物 (3)(U) C

ソーサリー

カードを2枚引く。【宝物トークン】を1つ生成する。

 ドロー2枚+宝物という純正アドバンテージのかたまり。威力は全然違うが、印象としては「天才の片鱗(KLD)」に近いかもしれない。じゃぁなんであっちがアンコモンでこちらがコモンかといえば、そりゃやっぱりインスタントとソーサリーの違いである。次のターンの布石でしかないドロー呪文は4マナソーサリーだとやっぱりもっさりするんだよね。そのターンはカウンターも構えられなくなるから完全にノーガードだし、4〜5マナ圏といえばそろそろ決定力を持つクリーチャーが出てくるタイミングなので、これでつくった隙が大きければ大きいほど、相手のビッグアクションを見逃してしまうことになりがち。相手も自分と同じロングゲームに付き合ってくれるというなら、リソースの量で相手を大きく突き放す「ビッグアグション」はこちらのものだが……あとは環境の速度次第。

 

Prosperous Pirates 裕福な海賊 (4)(U) C

クリーチャー・人間、海賊

3/4

〜が戦場に出た時、【宝物トークン】を2個生成する。

 「裕福な海賊」って微妙な響きだよな。裕福なら略奪行為とかするなよ、っていう。まぁ、イラストを見る限りでは「ヒャッハー! 戦利品ごっそりだから今夜は豪遊だぜー!」っていう感じの裕福さ。何しろ宝物が2つも手に入ったわけですからね。5マナでこいつが登場している時点でさらにマナ加速が必要かどうかは微妙なところだが、それ以外にも宝物と活用するシナジー要素は割と用意されているので、「宝物」デッキでの活躍は見込める。イニストラードの「手がかり調査デッキ」における「溺墓の探検者(SOI)」くらいの立ち位置ですかね。いっぺん場に出てしまえば役割を終えているというのも安心できるポイントで、その後強襲条件を満たすためにバンザイアタックを敢行してもそこまで心が痛まない人員でもある。何にせよ、2マナ加速できるカードが弱いわけないよな。

 

River Sneak 川潜み (1)(U) U

クリーチャー・マーフォーク、戦士

1/1

〜はブロックされない。

他のマーフォークが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 ローウィンにいたら怒られそうなクリーチャータイプの持ち主。Magic世界ではいろんなところにいろんなものが潜んでいる。有名なのは「どぶ潜み(RTR)」だが、他にも「排水路潜み(GTC)」や「地割れ潜み(M15)」なんてのも。今回潜んでいるのは川なので割と見通しが良さそうだが、それでもブロックできないのは事実。2マナでパワー1のアンブロッカブルはどんな次元でも共通の安定クロックだ。そして、この手のアンブロッカブルクリーチャーは装備品やオーラで補強してやれば強い、というのが定番なわけだが、こいつの場合はそんな増強エンジンを最初から積んでの登場。そこまでバカバカ使えるものでもないが、今回はマーフォークトークンを産む呪文などもあるし、クロックアップはそこまで珍しいことではない。さらにこの世界のマーフォークは+1/+1カウンターを支援する種族。一つでも置ければ立派な主戦力だ。今後はスピード勝負の下の環境のマーフォークにも出番があるかもしれない。

 

River’s Rebuke 川の叱責 (4)(U)(U) R

ソーサリー

対象のプレイヤーのコントロールする全ての土地でないパーマネントを、そのオーナーの手札に戻す。

 まず注目したいのは、これが「注目のストーリー」になっているという部分だ。フレーバーには割と大事な背景が描かれており、どうやらヴラスカさんはボーラス御大の指示でこの次元の探検に来ているようなのである。これまで2人の間の関係性が語られたことはなかったと思うが、どうやらヴラスカはテゼレットに続くボーラス軍団の一員のようだ。他のカードを見ると「本当のお宝を見つけちゃったら俺たちの世界は終わるで」なんて不吉な言葉も書かれており、相変わらずボーラスが探し求めるものは次元のピンチに直結する物騒なものばかり。そりゃ、地元のマーフォークもヴラスカたちを追っ払うのに躍起になるわけだ。そうしてマーフォークが発動したビッグな呪文は、ある意味ラスゴ。これまでの歴史の中では、ラスゴだったら常に環境の中心にあるものの、全体バウンスってのはどうしたって相手の復旧が前提になるためにそこまで重用されたカードは多くなかったのだが、最近は「押し潰す触手(OGW)」やら「岸の飲み込み(SOI)」やら、セールスポイントを絞り込んだバウンス呪文も増えて、コントロールデッキではそれなりの成功を収める事例も出てきた。今回のスペルはそんな絞り込みとは真逆の方向性。6マナソーサリーという一切迷いの無いコスト設定に、相手のパーマネントのみをがばっと戻す大雑把なフィニッシュ性能。ある程度のクロックが維持出来るデッキならばこれを通すだけでもゲームに勝ててしまいそうだ。ソーサリーという性質上、どうしたって守りよりは攻めに使いたいカードに見えるので、使うとしたら「押し潰す触手」の後釜みたいな使われ方になるのだろうか。リミテッドならそりゃもうブーイングの嵐ですよ。

 

Search for Azcanta アズカンタの探索 (1)(U) R

伝説のエンチャント

あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリのトップを見る。あなたはそれを墓地においても良い。その後、あなたの墓地に7枚以上のカードがあるなら、〜を変身させても良い。

Azcanta, The Sunken Ruin 水没遺跡、アズカンタ

伝説の土地

(T):あなたのマナプールに(U)を加える。

(2)(U)(T):あなたのライブラリを上から4枚見る。あなたはその中からクリーチャーでも土地でもないカードを1枚公開し、それを手札に加えても良い。残りのカードを好きな順番でライブラリの下に置く。

 レジェンドエンチャントサイクルの青。これらのサイクルは、なんだかどれも絶妙に昔懐かしい匂いを感じさせてくれる要素が混ざっているのが面白くて、例えばこのカードの場合、表の効果は完全に「頭脳集団(ODY)」と同じで、さらに変身条件は「頭脳集団」が活躍したオデッセイ環境でおなじみのスレッショルドである。これが懐かしいカードを意識して作られているのかどうかは定かじゃないが、まぁ、墓地7枚は色々ちょうどいいってことなんでしょうね。「頭脳集団」は今時の言葉で言えばだいたい「アップキープに占術1」くらいの効果。有効ドローの効率は確実に高まるし、積極的に遺跡探検を進めたいならトップがなんであろうとガンガン墓地に落としてスレッショルドを目指せば良い。墓地は貯めようと思って専門デッキを組めば高速で満たされることはモダンあたりで散々証明されている。そして裏返って到達する伝説の土地は……これは初めて見る効果かな。「トップ4枚から好きなカード引けるで」というだけで強いのだが、流石にそれだとやばすぎるのでもらえるカードには青っぽい条件がつけてある。まぁ、これまたデッキを狙って組めば1ドローよりもはるかに効率のいい効果になるはずだ。過程はちょい多いし、安定運用するデッキはやや選ぶが、ハマってしまった時の制圧力はとんでもない。とにかく相手のやることなすこと全部いなしたいというヘヴィーコントロールな人向け。これ、地味に変身すると使える青マナが1つ増えるってのも重要なポイントだよな。

 

Run Aground 座礁 (3)(U) C

インスタント

対象のアーティファクトかクリーチャーを、そのオーナーのライブラリのトップに置く。

 捕海(THS)」の上位互換。コストはそのままで対象範囲をアーティファクトにまで拡大し、かなり現実的な面での使いやすさがアップしている。リミテッド専用呪文なのでパワーアップしたとは言ってもその対象の8割はクリーチャーだと思われるが、この環境で使われるアーティファクトは大きく3つあり、1つは装備品、1つは機体、そして変身能力を持つ探検道具シリーズである。装備品ならばバウンスすることで戦闘結果を書き換えてクリーチャーを除去できる可能性があり、機体ならば搭乗コストを払わせてから戻すことでテンポを大きく狂わせ、変身シリーズは条件を満たしそうなギリギリのタイミングでリセットすることで相手の心を折ることができる。どんな使い方でも、やっぱりバウンスって偉大だな、という当たり前の結論に。ちなみに、調べてみると英語の「aground」(もしくはground)で「船が地面に乗り上げる、座礁する」という意味らしい。「Run aground」で座礁を意味する熟語だが、さらにフレーバーを見ると「地面が走ってきた」ということで、マーフォークの形成術師が無理やり地形を変えて船があった部分を陸地にしてしまっている様子がうかがえる。「Run aground/座礁」と「A ground run/地面が走る」がかけてあるわけだね。豆知識。

 

Sailor of Means 財力ある船乗り (2)(U) C

クリーチャー・人間、海賊

1/4

〜が戦場に出た時、【宝物トークン】を1つ生成する。

 わかりやすい金持ち海賊。だからさ、金持ってるなら海賊なんかやらんで平穏に暮らせよ……。「色男、金と力はなかりけり」とは昔からの言い回しだが、どうやら「金持ち男、力はなかりけり」らしく、ステータスは完全に守備型の1/4。地上で壁役をこなしながら後続のための出資だけをしてくれるという、「金は出すが口は出さない」理想のパトロンである(コモンのくせに)。地上の攻防をこのあたりでごまかしつつ空につなげるのが青の定番。1対1では相打ちになりにくいので強襲要員としてもしっかり仕事をしてくれるいい旦那さん。

 

Shaper Apprentice 見習い形成師 (1)(U) C

クリーチャー・マーフォーク、ウィザード

2/1

〜はあなたが他のマーフォークをコントロールしている限り飛行を持つ。

 仲間どうしで手をつなぐことで空も飛べるはずのマーフォーク。青のコモンならばこのマナ域は「地上をブロックできないよ」っていう「天空のアジサシ(M15)」型のフライヤーが多いイメージだが、今回は残念ながら飛行が確定していない。もちろんブロックに回せるのだから一長一短だが、リミテッドだとやっぱり確定フライヤーの方が強いかな。あとはデッキのマーフォーク密度次第。3ターン目にカウンターをのせられる「蔦形成師の神秘家」なんかにつなぐだけで割と勝ちパターン。マーフォークは4種族の中でもひときわぶん回りが激しそう。

 

Shipwreck Looter 難破船あさり (1)(U) C

クリーチャー・人間、海賊

2/1

強襲 - 〜が戦場に出た時、あなたはカードを1枚引いても良い。そうしたなら、手札を1枚捨てる。

 Looterの名を冠するクリーチャーなので、当然ルーターする。ただ、その機会はわずかに1度きりで、2マナ2/1のステータスを活かそうとすると(つまり早く出そうとすると)ルーターは起動できない可能性が高い。ルーター業界では割とポンコツ寄りの人材。これと面白い対比をなすのは、はるか昔のクリーチャー、「ヴォーデイリアの商人(INV)」。我ながらよくこんなやつのこと覚えてたな、っていうくらいに地味なカードだが、こちらは確定でルーターできるのだがステータスは2マナ1/2である。「商人」は当時のリミテッド環境でもほとんど見た記憶がないクリーチャーなのだが、その理由としては1/2なんてクリーチャーが出たところで「実質得」とは言いがたく、せっかく187能力になっても旨味がほとんどなかったため。それに対し、こちらの海賊はルーター業務こそなおざりだが、2マナでパワー2の海賊という部分は間違いなく本物。こっちの方がニーズはありそうだな。

 

Shore Keeper 岸の守り手 (U) C

クリーチャー・三葉虫

0/3

(7)(U)(T)、〜を生贄に捧げる:カードを3枚引く。

 サンヨウチュウ! なんやそのタイプは! 突然この世界に降り立ったのは、Magic史上初となる三葉虫。何故こんなところで突然出てきたのかは首をかしげるしかないが、まぁ、恐竜と同じセットに入れて古代感を出すためなんだろうな。その辺の知識に詳しくないのでよくわからないが、恐竜と同年代に生息してても問題ないんですかね。「絶滅の星」が来てもそのまましぶとく生き残りそう。とりあえず、この世界には三葉虫がおり、なんとタフネスが3もあり、さらに「守り手」サイクルの青でもある。タフネス3で除去の吹き荒れる時代をしぶとく生き残り、万一8マナに達した日には、その積み重ねた年月が全てドローに変わるありがたすぎる生き物。彼の体の中にはどれほどの知識が(というか歴史的手がかりが)詰まっているんでしょうね。3枚引けるのはまぎれもない事実だし、「訓練場(ROE)」4枚張ってると強いよ(この上もなく適当)。

 

Siren Lookout セイレーンの見張り番 (2)(U) C

クリーチャー・セイレーン、海賊

1/2 飛行

〜が戦場に出た時、これは探検を行う。

 青コモンの探検隊。3マナ2/3フライヤー or 3マナ1/2フライヤーキャントリップ。例によって「コモンならどっちでもそこそこ強い」。そしてめでたくこいつはコモンだ。できることなら2/3になることを祈りつつ出撃してもらい、空からのビートの基盤を務めてもらえばいいんじゃなかろうか。こうした回避能力を持つクリーチャーの場合、直接クロックサイズが変わるのでパワー1点の差が大きく性能を左右してしまう。探検の成否が大きく評価を分けることになりそうなので、占術呪文なんかで調整できるとベストなのだが。

 

Siren Stormtamer セイレーンの嵐鎮め (U) U

クリーチャー・セイレーン、海賊、ウィザード

1/1 飛行

(U)、〜を生贄に捧げる:対象の、あなたかあなたのコントロールするクリーチャーを対象とする呪文か能力を打ち消す。

 お手軽に構えられる万能避雷針。ちょっと待て、この性能は盛りすぎじゃないか? 過去に似たようなカードを探しても、例えば自軍クリーチャーを対象にした呪文を打ち消せる「ハイドロモルフの守護者(TOR)」、サクるだけで「否認」2回分の「エレンドラ谷の大魔導師(EVE)」、最近ではサクるだけで追加コストが必要ない「霊廟の放浪者(EMN)」などが思い浮かぶが、呪文だけでなく能力まで打ち消せるとなると前例がない。まぁ、わざわざサクって打ち消したい能力なんてそこまで多くないと思うが、とにかく自軍が対象になったらどんな天変地異でもこいつ1体の命と引き換えでチャラである。相手からしたらとにかく一発目の除去はこれに打つ必要があるわけで、言わば「軍旗の旗手(APC)」みたいなもんだ。これが1マナ1/1フライヤーってんだから、最近のクリーチャーは本当に節操がない。置きカウンターならカウンターらしくじっとしてればいいものを、こいつは海賊デッキに必須の「序盤から殴りに行ける強襲装置」としてフル回転する。もちろん、カウンターのためにタップが必要なんてケチくさいことも言わないので殴りながらでも避雷針役は続けた上でだ。今後はいろんなところで見かけることになるんじゃなかろうか。

 

Siren’s Ruse セイレーンの策略 (1)(U) C

インスタント

対象の、あなたのコントロールするクリーチャーを追放し、その後、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。この方法で海賊が追放されたなら、カードを1枚引く。

 自分のクリーチャーを出し入れする「ちらつき」効果。最近ではスピリットとのシナジーが強かった「本質の変転(SOI)」がたまに構築でも使われるなどの結果を残している。今回のコラボ先は海賊になっており、得意先が相手ならドローという明快なボーナスが付与されている。除去に狙われた際の緊急避難はもちろんのこと、強襲や探検のおかげで今回も187能力はよりどりみどり。特に海賊にこだわらずとも使っていけるカードである。

 

Spell Pierce/呪文貫き(ZEN)」 C

 ダイナミック再録シリーズ。こちらは初出となるゼンディカー以外では、なんとモダマスのみでの再録ということで元々コモンでしかないくせにやたらと高級感漂っていた1マナカウンター。さすがに今回の再録でコモンらしい価格に落ち着くことだろう(別に今も高くはないが)。しばらくはスタンダード環境に「否認」と一緒に在籍することになるが、どちらが優先的に使われるかは環境次第。相手の「否認」をカウンターするのに使うっていう意見もある。

 

Spell Swindle 呪文詐欺 (3)(U)(U) R

インスタント

対象の呪文を打ち消す。【宝物トークン】をX個生成する。Xは、その呪文の点数で見たマナコストである。

 なんと、あの「Mana Drain(LEG)」の調整版である。当然コストは倍以上に膨れ上がっているものの、マナの支払いが一括ではなく宝物の形で与えられるのでかなり使い勝手がよくなり、例えばこの呪文で最初の呪文を打ち消せば、同じターンで相手が二の矢を放ってもマナを出して続くカウンターが用意できるかもしれないのだ。もちろん、相手の大物手を打ち消せば次のターンにエムラクールに手が届く可能性も充分あるだろう。5マナのカウンター呪文ってのはよっぽどの目的意識がなければなかなかデッキインされるものではなかろうが、現在も「疑惑の裏付け(SOI)」はたまに使われるカードなのだから、なんらかのシナジーを見込めば爆弾カードになる可能性を秘めていると言える。個人的なオススメは宝物+「機械化製法」コンボですね(大好きか)。

 

Storm Fleet Aerialist 風雲艦隊の空中要員 (1)(U) U

クリーチャー・人間、海賊

1/2 飛行

強襲 - 〜は+1/+1カウンターが1つ置かれた状態で戦場に出る。

 お手本のような強襲クリーチャー。先んじてアタッカーが出ていれば2マナ2/3フライヤーというナイスステータスで登場し、後続のためのさらなる強襲エンジンとして活躍してくれることだろう。素出しでも2マナのフライヤーならそこまで悪い相談でもない。ただし、例によって難しいのは2マナクリーチャーのこいつが2ターン目に強襲状態で登場できるかどうかということ。直系の先輩としては「戦名を望む者(KTK)」がいるが、なかなか2ターン目の登場は難しかった。別に多少遅れても悪くはないのだが、例えば3ターン目に2マナ払って2/3のこいつを出すだけだとアクションとしてはすこぶる普通。できれば遅れて登場してもいいように、マーフォークと組み合わせてカウンターに副次的な意味をもたせていきたいところだ。それにしても、海賊のくせによく飛ぶよな、こいつら。

 

Storm Fleet Spy 風雲艦隊のスパイ (2)(U) U

クリーチャー・人間、海賊

2/2

強襲 - 〜が戦場に出た時、カードを1枚引く。

 これまで強襲能力なんて使ったことがなかった青が、必死に強襲効果を考えた結果がこれ。やっぱり引くんかい。187でカードを引くクリーチャーは色々といるが、こちらは制限をつけたことでコモンの「敏捷な革新者」よりちょっと強い。でもまぁ、それくらい。出してから殴ると引ける「用心深いナーガ」、殴ってから出すと引けるコイツ。どっちが強いんでしょうね。自分でパンチに行った後に「セイレーンの策略」を使えば2枚引けるなんて小技も。あと、その肩当ての用途はなんなんでしょうね。確実に、振り向く時にガンッてなるやつやん。

 

Storm Sculptor 嵐を変容する者 (3)(U) C

クリーチャー・マーフォーク、ウィザード

3/2 〜はブロックされない。

〜が戦場に出た時、あなたのコントロールするクリーチャー1体をそのオーナーの手札に戻す。

 鍵達人のならず者(GTC)」の種族変更再版。あの当時はならず者であることにも全く意味がなかったわけではないが、さすがにマーフォークになったのは改良と言って良いのではなかろうか。当時だって「鍵達人」は充分なポテンシャルを持つ良コモンだったとは思うのだが、残念なことに「ギルド門侵犯」環境は、はっきりとWizards社が「失敗だった」と認めるほどの超高速環境。おかげでディミーア系のカードは軒並み出番を剥奪され、このカードも前評判ほどの活躍ができずに終わってしまった。今回の環境がどんな早さになるかは分からないが、さすがに失敗だと言われた世界ほど速くはないはず。マーフォークに与えられた回避能力というテーマを活かし、さらに自軍の187能力を使い回すなどの八面六臂の活躍が期待できるはずだ。やっぱりポイントが高いのはカウンターが載せられる「蔦形成師の神秘家」とのコンボ。次のターンこいつが4/3アンブロッカブルは流石にやばいはず。あいつ強い。

 

Tempest Caller 大嵐呼び (2)(U)(U) U

クリーチャー・マーフォーク、ウィザード

2/3

〜が戦場に出た時、対象の対戦相手がコントロールする全てのクリーチャーをタップする。

 私こそが嵐だ/I am the storm」と、どこぞの斬魄刀ニキみたいな台詞を吐いている厨二くさいマーフォーク。ただしその実力はそれなりに本物らしく、持ち出した能力はコンパクト版の「支配の天使(EMN)」。タイミングさえ合えばこれ1枚でゲームエンドも演出できるのだから、そりゃアンコモンになるのもしょうがない。ただ、青の場合は飛行やらアンブロッカブルやらと軸線をずらして攻めていくのが主流になるため、元からあまりブロッカーの存在を問題にしない場合も多く、こうして正面突破を補強するカードはそこまで求められない可能性もある。自身のステータスが平均以下なのもちょっと不安で、劣勢時に出しても何の役にも立たないのがちと辛いか。お前が、お前自身が嵐になることだ……。

 

Watertrap Weaver 水罠織り (2)(U) C

クリーチャー・マーフォーク、ウィザード

2/2

〜が戦場に出た時、対象の、対戦相手がコントローするクリーチャーをタップする。それは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

 霜のオオヤマネコ(M15)」の種族変更再版。個人的には猫のままでいてくれた方が嬉しい気もするのだが、世間的には当然マーフォークの方が用途は広い。「オオヤマネコ」は当時のリミテッド環境でも青の主戦力として活躍した優良コモンで、攻めていても守っていても決して無駄になることがない束縛能力が丁々発止の戦闘シーンを大きく揺さぶってくれる。ステータスも決して悪いものではないし、いざとなったらバウンスで守って再利用してやるプランだってありえるかもしれない。なお、日本語名を数十メートル離れたところから見るとどうしても「水瀬伊織」に見えるとか見えないとか。見えないとか。絶対誤読したPが世界に数百人規模でいるって。

 

Wind Strider 風を跨ぐ者 (4)(U) C

クリーチャー・マーフォーク、ウィザード

3/3 瞬速 飛行

 こちらは「フェアリーの侵略者(M13)」の種族変更再版。なんかもう、種族変更でマーフォークに転職したコモンが多すぎる気がする。しかし、こうして見るとならず者から転職したおかげでアンブロッカブルを得たやつ、エレメンタルから転職して「霜のブレス」を手に入れたやつ、そしてこいつがフェアリーから転職して瞬速と飛行を手に入れたやつ。この世界のマーフォークは多方面に器用すぎませんかね? いつも通りのプレイングで活躍できる安定の人材。本当に今回の白青は下から上までいろんなフライヤーがコモンに揃っているのでやりたい放題だ。

 

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