最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
第1話 「見えない聞こえない」 脚本・金巻兼一 絵コンテ・畠山守 演出・吉田俊司 作画監督・清水勝祐/加藤万由子/木下ゆうき
<あらすじ> とある高校の授業風景。現代の高校生は授業中でもスマホが手放せないようで、禁止されているにも関わらず、各々が先生から見えないようにこっそりスマホをいじっている。そんな中、1人の女生徒、真山静香はスマホを見て次第に表情を曇らせる。クラスメイトが集まるグループチャットには、彼女の悪口ばかりがズラリと並んでいた。彼女はいわゆる、「いじめられっ子」だ。 原因は分からない。いつの間にか静香はクラスメイトからのいじめを受けるようになっており、その状況は逐一チャットに表示され続けている。あまりの仕打ちに地獄通信にアクセスした静香だったが、残念ながらいじめには首謀者がおらず、誰を流していいかも分からない状況では願いもまとまらない。きくりに「顔を洗って出直せボケナス!」と罵られ、彼女の復讐心は澱のように溜まるだけだ。 いじめは沈静化するどころか加速する傾向にあり、昨日までは落とした消しゴムを拾ってくれた隣の席の子も、次の日には静香を無視するようになっていた。耐えきれなくなった静香はついに怒りをぶつけようとメッセージを入力するが、送信する直前に、同じクラスの女子、湯川麻子によってそれだけは何とか遮られた。 昼休み、いつものように屋上で1人コンビニの弁当を食べる静香。手に握られたスマホには相変わらずの罵詈雑言が並び鬱々とする静香だったが、突然湯川に話しかけられて現実に引き戻される。1人きりの真山を見て「友達になってやる」と言い出す麻子。彼女は絶えずイヤホンをつけて外界の情報を遮断するようなはみ出し者で、静香を見て「どこか似ている」と切り出した。静香は突然の展開に戸惑いつつも、内心は喜ばしく、さっそく自宅に麻子を連れて行って友情を深めようとする。互いにスマホの画面しか見ていないような、傍から見れば奇妙な距離感の2人。それでも、静香には得難い「友達」だった。 ある日、静香は麻子から新しいグループチャットへの登録を進められる。はみ出し者だけで形成されたそのグループに日頃の鬱憤を吐き出せば少しは楽になるだろうと、麻子がわざわざ紹介してくれたのだ。そのグループにいるのはハンドルネーム「イヴ」と書かれた麻子と、もう1人の見知らぬ「ナイト」だけ。隣のクラスの横田という人物がこの「ナイト」であり、「うちらと同じ関わりたくない系」の人物だと紹介される。はみ出し者ははみ出し者だけで仲良くしよう、そういう提案だった。 実際、このグループの存在は静香にとってありがたいものだった。これまで抱えてきたものを歪ながらも発散することが出来、何とか日常生活でも平静を保てるようになってくる。しかし、そんな状態も長くは続かず、彼女がある朝教室に向かうと、自分の机の上には1台のノートPCがおかれ、そこには、静香が吐き出したクラスメイトへの悪口の履歴が、洗いざらい記録されていたのである。影で散々に罵倒していたことを知られ、静香は教室にいられなくなる。こんな事が出来るのはチャットを共有していた2人だけのはず。静香はすぐに隣のクラスの「横田」のもとへ向かうも、当の横田という人物は静香のことも、チャットのことも何も知らない様子。あのチャットには、そもそも3人目などいなかったのだ。 静香は復讐の矛先をただ1点に固める。イヴを名乗り、ナイトを名乗り、自分をそそのかしてどうしようもない状況に追い込んだ麻子が許せない。改めて藁人形を手にした静香は夜の公園で麻子に直談判を行うと、麻子はいじめの発端が自分であったことを打ち明ける。何気ない一言が大きく膨れあがり、取り返しの付かないいじめの構図を作り出してしまったことに罪の意識を感じた麻子は、せめてもの罪滅ぼしのため、静香と友達になり、ストレスのはけ口を作ってくれたのだという。「それも全て自分を陥れるための罠だったのだろう」と詰め寄る静香に対し、麻子は知らないと反論する。しかし、事ここに及んではもはや議論の余地はない。糸は引かれ、地獄流しは行われる。 まるで麻子の意志を受け継いだかのようにイヤホンで耳を覆い、何も見ず、何も聞かなくなった静香。そんな彼女の下に、あのチャットから改めてメッセージが送られてくる。送り主は「ナイト」。隣のクラスの「もう1人の横田さん」は、まだ彼女にちょっかいを出してくるようである。
<解説> 記念すべき第1話である。過去3シリーズも1話目は必ず「学校の教室」から物語が始まるエピソードで統一されており、今作が女子中高生をメインターゲット層にしていることが改めて確認出来る。いじめをテーマに扱ったエピソードも過去にいくつかあったが、今回の話は強いていうなら2期1話の「闇の中の少女」が近いだろうか。 まず注目すべきは、10年近くものブランクがあったことで作品世界の中でもいくつかの変化が起こっているということである。地獄通信がスマホ対応になっているなんてのは当たり前の話だが(元々携帯でもアクセス出来たしね)、通信環境の改善からか(!?)、あいが依頼者の下へ駆けつける速度も心なしか上がっている気もする。他にも、ロッカーの中のスマホのログを読んでいたことから、エロメダマこと一目蓮さんは目玉だけでスマホのデータまで見られるようになっているし、メンバーの人数が変わらない中、チーム地獄少女も情報化社会にきっちり対応している様子。まぁ、多分輪入道は相変わらず「ぽちぽち」は苦手だと思われるが(あ、でもコントではちゃんとスマホ使ってたな)。ちなみに、賽河原中学では体育教師だったはずの曽根先生だが、どうやら今回の学校では化学教師だった様子。何故か霊界ビジョンのようにしてアルコールランプの炎からターゲットを観察していた(2期1話の地獄コントは「理科の実験」だったなぁ)。 また、世間の変化を描くというのはチーム地獄少女だけでなく作品世界全般でのテーマにもなっているらしく、1話目はそれが実に分かりやすい「SNSの扱い方」がメインテーマになっている。主人公の静香がいじめを認識するのがあくまで「スマホの中だけ」というのがこれまでのいじめとは全然違うところで、例えば上履きを隠されたとかトイレで水をかけられたとか、そういうレトロないじめの図式は一切存在しない。つまり、麻子も言っていたが「見なければいいのに」のいじめなのだ。スマホさえ見なければ、クラスの中で静香が実害を被ることは無いのだから(まぁ、精神的にキツいのは間違いないだろうが)。こうして「ネット上でだけ行われるいじめ」というのも現代性を表すテーマの1つとして興味深いところ。そしてもちろん、「見なけりゃいいのに」と言われているのに見てしまうというどうしようもない心理状態が最大のポイントで、今回のサブタイトル「見えない聞こえない」は、この辺りの「現実空間に残っていないいじめ」を表すタームと考えられるだろう。 「見なけりゃいいもの」を見てしまい、「聞かなきゃいい」はずのクラスの声に耳を傾けてしまう静香に対し、そうしたものに一切目も耳も向けないのが麻子である。彼女は「自分がいじめの火付け役になってしまった」という負い目があったのはもちろん事実だろうが、それ以外にも、ウジウジと沈んでいく静香を見て「なんであんなことを気にするのだろう、見なきゃいいだけだよ」ってことを教えるために接触した部分もあるのではなかろうか。麻子にとってそれは簡単なことであり、静香だって同じような世界に来れば問題無い、その程度の「軽いトラブル」のつもりだったのだ。しかし残念ながら「クソリプを気にする人」と気にしない人の差というのは決定的であり、静香と麻子は根本的に価値観が共有出来ていない。骨女たちが「微妙だ」と言っていたのはそのあたりの2人のスタンスの差が埋まる気配が無かったため。まぁ、結局問題はそんな些細な軋轢とは全然関係無いところからぶっ壊れてしまうわけだが……。 「隣のクラスの横田」が何故あんな行動に出たのかは正直よく分からないのだが、まぁ、「関わりたくない」人間のようだし、本当に単なる悪戯心からだったのだろう。エピローグで平気な顔して静香にメッセージを送っていることからも、横田がろくでもないヤツであることはよく分かる。そんなヤツを巻き込んでしまった不幸と、たまたま隣のクラスに横田が2人いたっていう、割と「学校あるある」な不幸。これが重なることで、本作にはお馴染みの「どうしようもない鬱」が素直に展開されている。ラストシーンで「ナイトがまだ生きている」ことを知った静香は、果たしてどうなってしまうのか。考えるだに鬱々としてしまうが、まぁ、これも「人を呪わば」ですかね。 メインシナリオはこんなもんだが、後は「宵伽」のオリジナル要素として、新キャラ「ミチル」が登場したので、当然今作最大の注目点は彼女ということになる。1話目は顔見せだけなので詳細は一切不明だが、駅のホームで消えたこと、そして地獄流しでは三途の川べりに現れたことなど、彼女が人間でないことは明らかである。そして、彼女はただあいに向かって「あなたは間違っている」と告げるだけだ。過去にも閻魔あいに対して「間違っている」と訴えた人間はいくらもいる。もちろんその代表は柴田つぐみと御影ゆずきであるが、かたや地獄少女の理念に打ちのめされて遁走、かたや完全に取り込まれた上で跡継ぎにまでなりかけたのだから、「あいを否定する」「地獄通信を否定する」というのは、土台人間には不可能な話だ。ただ、今回登場したミチルは人間ではないわけで、ひょっとしたら閻魔のチームとは別の「何らかの異界存在」がミチルを先兵として送り込んでいる可能性はある。きくりが「誰だオマエー!」と叫んでいたことから考えるに、おそらく閻魔の関係者ではないということだろう(まぁ、きくりの人格と人面蜘蛛は完全に切り離されているので、彼女のドタバタはあんまり信用出来ないんだけども)。今回の話で、ミチルは地獄流しを断念する方向にまとまりかけていたあい達に「それでいいのか」とけしかけたり、今のところ主義主張ははっきりしていない。今後彼女がどのように絡み、多くの人間が挑み、敗れ続けた「地獄通信というシステム」に一石を投じることが出来るのか、要注目である。 あ、今回の地獄コントは「人間スマホ」。データ容量削減の際には大事なデータを消さないように気をつけましょう。あと、輪入道がやってた「スマホって顔にべったりくっつくから嫌だよね」ネタは地味に説得力があってなんかヤだったな。まぁ、輪入道さんはきっとほっぺたカッサカサだから大丈夫……だと思う。 今回のキャストは、依頼人の真山静香役に金元寿子、流された湯川麻子には上坂すみれという豪華ラインナップで、とどのつまりは「カチューシャの手でノンナがシベリア送りになった」というお話である。これはこれでおもろい。ちなみにおもいっきり余談だが、今回の依頼人の名字である「真山」は、「三鼎」では重要人物だった「真山梓」(3期13話で依頼人になっている)と同じである。また、ターゲットの名字「湯川」も、実は3期4話の依頼人(「兄貴」で保志総一朗が演じていたナヨナヨした男の子)の名字である。これだけシリーズが続けば名字が被ることくらいはあるだろうが、今回は何故か「過去の依頼人の名字」が偶然にもメインの2人の名字になっているのだ。これに意味があるのか、単なる偶然なのか……。
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